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魔王





 遺跡の中はとても暗かった。

 罠も多くて、俺たちは協力して先を進む。


 苦労に苦労を重ねてようやく遺跡の奥に辿り着くと、日の光に照らされて、そこに一つの剣が盛られた土の上に刺さっていた。剣には蔦が巻き付いていて、とても古い時代からそれはそこにあったのだと思わせる。



「これが、伝説の剣?」

「見た目は俺らが持ってんのと大差ないな」



 剣の近くに行って、まじまじとそれを見つめる。と、そこで一緒についてきていた少年が"はははは!"と笑って俺たちを攻撃してきた。


 伝説の剣は僕のものだ。そう言って、少年は姿を変える。先ほどまでそこに居た少年は、黒く、禍々しいオーラを纏った謎の男に姿を変えた。



「そいつは貴様ら下等生物が手にして良いものではない。それこそ、我が手にするに相応しい剣なのだ!」



 "はははは!"と、再び笑う。声高らかに言った男は、俺たちを強大な力で吹き飛ばし、伝説の剣を無理やり抜いてしまった。男が手にした剣は一瞬にして黒く染まる。


 剣を抜いた男の正体は、なんと魔王だった。俺は傷付いた身体をなんとか起こして立ち上がる。武器を手にして剣先を魔王に向けた。しかし魔王の力は圧倒的で、あっという間に俺は倒されてしまう。



 そして、魔王は伝説の剣を持ったまま俺たちの前から姿を消した。俺たちはそこで意識を失い、次に目を覚ました時、そこはヤマシアの船の中だった。




+



 港町に戻り、ヤマシアに別れを告げる。これからどうしようかと宿屋にて話し合っていると、そこで一人の女性が声を掛けてきた。


 彼女は占い師らしい。話を聞いてみると、俺が魔王を倒すために旅に出た事やユーイとメイの事、魔王の事や魔王が伝説の剣を手に入れる事、その他に俺たちが経験してきた事はすべて水晶で見てきたと言った。


 彼女は、俺たちが次に行くべき場所を教えてくれた。伝説の剣を手にしてしまった魔王に対抗するためには五つの"宝珠"の力が必要不可欠だという。まずはその内の一つ目の宝珠がある洞窟へ向かうぺきだと彼女は言った。


 なんだかまた騙されそうな話だけれど、このままここで時間を浪費していれば、近い将来必ず魔王はこの世界を滅ぼしてしまう。俺たちは頷いて、彼女の言葉のもと、五つの宝珠を手に入れるため再び旅に出た。



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