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伝説の剣を求めて





 伝説の剣を求めて、俺の旅は続く。

 ユーイとルイという兄妹が仲間に加わってから数ヶ月が経ち、ここまでの道のりの間で様々な事が俺たちの目の前で起こった。


 詳細は省くけれど、本当に様々な事が起こった。ユーイが大怪我を負ったり、俺とルイの間で恋愛フラグが立ったり、俺が死にそうになったり。本当に。本当に、様々な事が起こった。


 そして、俺たちは港町に辿り着く。ここに停泊している船に乗れば、伝説の剣があるという島へ渡る事が出来るはずだ。地図を船の船員に見せて、ここへ行きたいと交渉を試みる。



「ここに行きたいのか? うーん。残念だが、俺の船じゃこの島には行かないな。すまない」


「この島に行きたいんなら、ヤマシアさんに頼むといいよ」


「ヤマシアさん? ヤマシアさんなら、今は酒場に居ると思うぞ。けど今は行かない方がいいかもな。酒が入ってる時のヤマシアさんは怖いんだ」



 船員たちから、ヤマシアという人の情報を得る。俺たちは早速、彼に会いに港町で唯一の酒場へ向かった。


 酒場に行くと、すぐにヤマシアは見つかった。カウンターテーブルでお酒を飲んでいて、声を掛けると彼は赤くなった顔をこちらに向ける。



「んぁ。なんだお前ら?」

「貴方がヤマシアさん?」

「確かに俺ぁヤマシアだが。何か用か?」

「俺たち、この島に渡りたいんです」



 地図を見せる。丸が付いた島を見て、ヤマシアは首を横に振った。島には行けない。そう言って、お酒を飲む。


 訳を聞くと、島の周りに最近巨大なタコが住み着いたとかで、そのせいで島には渡れなくなってしまったらしい。タコを何とかしないと伝説の剣は手に入らない。俺たちは顔を見合わせて考える。



「ヤマシアさん。そのタコ、俺たちが退治しますよ」

「あ?」

「俺たちはどうしてもこの島に行かなければいけないんです。タコごときで怯んでいたら魔王なんて倒せませんよ!」

「魔王? ……ようわからんが、無茶は言わん。やめときな。殺されんのがオチだ。その歳で死にたくないだろ?」

「無茶は承知です。……大丈夫。俺には頼もしい仲間が付いてますから」

「お願いします。ヤマシアさん」



 俺たちの懇願に、ヤマシアは深く考える。しばらく長考の時間が続き、そしてヤマシアは"わかった"と首を縦に振って頷いた。


 そうと決まれば善は急げ。俺たちはすぐにヤマシアが持つ船に乗り、伝説の剣がある島を目指す。その途中で、噂の巨大なタコが姿を現した。



 タコとの戦闘を開始して、すぐに墨を吐かれる。タコなんだから墨は吐いて当たり前だ。俺たちは墨まみれになりながらも攻撃を続け、なんとかタコを倒す事に成功する。おかげで着替えなきゃいけなくなったけれど、ヤマシアからは称賛とお礼の言葉を貰えたので良しとしよう。


 そして、俺たちは伝説の剣がある島へと辿り着く。この島の何処かに伝説の剣はあるはずだ。



「俺はここで待ってるから、帰りたくなったら戻ってきな」

「ありがとうございます」

「伝説の剣を持って、必ず帰ってきますね」



 頭をペコリと下げて、ヤマシアに一旦別れを告げる。地図上でも見たように島は帝国領と比べてもだいぶ小さな島だった。おそらく一周回るのにそんな時間は掛からないだろう。そんな島の中心には古びた遺跡があった。遺跡の入り口には一人の少年の姿があり、少年は俺たちを見ると声を掛けてくる。



「お兄さんたち、この遺跡の中に行くの? だったら僕も連れていってよ。僕もこの中に入りたいんだけどさ、なんか知らないけどはじかれちゃったんだ」



 少年は言う。


 "はじかれちゃった"とはどういう意味なのか。俺たちと少年はしばらく話し合い、その結果、謎な部分もあったけど俺たちは少年と一緒に遺跡の中へ行く事になった。




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