表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

魔王様、剣と魔法の世界に銃はいりません


「なぜだ!」

 いつものように広い玉座の間に魔王様の声が響き渡るのだが――。


「物騒な物をこっちに向けないで下さい!」

 花火や鉄砲は人に向けてはいけないと教えられなかったですか――! 慌てて両手で顔を隠す。首から上は無いのだが……。


 魔王様の手に握られたマット調の黒い銃。ハンドガン。まさに鬼に金棒、鬼の金棒? ではないか――。

 玉座の前に跪きながらいつものように必死に魔王様を説得する。撃たれるのは嫌だ。私は何も悪いことをしていない。


「剣と魔法の世界に銃は不自然です」

 つまり、不ナチュラルです。

「不自然とな」

「はっ。銃なんてあれば剣と魔法が際立ちません。せっかくの異世界に現実世界が割り込んでガッカリしてしまいます」

 銃とポリスの世界とかは……誰も興味を持ちませぬ。本物の銃なんて見たことも触ったこともないのだが……。

「でも、最近ではRPGでもよく見かけるぞよ。銃系の武器」

「見かけません」

 見かけても内緒にしていてください。RPGって言うのもおやめください。

「弾も撃ち放題ぞよ」

「それって殆ど禁呪文と同じですよ。リアリティーが無さ過ぎます」

 弾の撃ち放題って……火薬が泣くぞ。焼肉の食べ放題って……牛さんが泣くぞ。

「いったいどのようにしてその銃を手に入れたのですが」

 amazunで注文したのですか。

「予が禁呪文錬金術で作り上げた銃ぞよ」

「錬金術って、おやめください」

 よく知りませんから――。

 ……鉄を熱して叩くと固くなることを錬金術だと思っていました。……冷や汗が出る。


 まったく、いつもいつも無駄な禁呪文ばかりお使いになられる……とは言わない。言えない。


「そんな物騒なもの、さっさと消し去って下さい。魔王様には無限の魔力があり銃に頼る必要などないでしょ」

「せっかくだから一度くらい試し撃ちをして威力を確かめたいぞよ」

 唇の先を尖らせる魔王様……若干腹が立つ。

「……御冗談を」

 それって、子供がやっちゃいけない悪戯のベストテンに入るだろう。

 玩具の銃を買ったはいいが、弾を飛ばして遊んではいけませんって……まさに不可能!


「絶対に動くなよデュラハン」

「それは……フリですか?」

 っていうか、なんで私の方へ銃口を向けているの! 冷や汗が出る。

「バカ者。万が一にでも玉座の間の壁に傷が付けば大変ではないか」

 ……なるほど。でもバカ者はちょっと酷くない?

「デュラハンなら安心。傷が付いても舐めていれば治るであろう」

「御意」

 仕方ないなあ……。全身金属製鎧なので痛くも痒くもないないだろう。

「でも、一発だけですよ」

「うむ。はよ立て」

「……。せかさないでください」


 立ち上がって魔王様の前で両手を開いて当たりやすく構える。魔王様……ちゃんと狙えるのかが心配だ。

「動くなよ……」

「むしろ銃口の方へ私が移動しています」

 玉座の間の壁とかに傷が付けば大変だ。

「ヘッドショットとか、難しそうだぞよ」

 ヘッドショットって……。

「私には首から上はないのです。ヘッドショットなど狙おうとしないでください」

 ハズレてしまいます。ガラスでも割れればまた面倒事が増えてしまいます。修繕費が掛かります。


 魔王様、ガニ股で銃を構えるのはやめて欲しいぞ。さらには片目を閉じているし口元も歪んでいる。……構え方がダサすぎる。

「プププ、もっと自然に構えた方が……」


 パンッーー!


「ぐおおおお!」

 なんじゃこりゃー! 私は全身金属製鎧のモンスターなのに……滅茶苦茶痛いぞ――!

「イデデデデ」

 ちょうど胸のあたりに弾丸が……うわ、めり込んでいる~! 血が出そうで……ギリギリ出ていないのが奇跡だ。でも、凄く痛い! 痛いというより熱い! シューシュー煙が上がっている~!

「ななな、なんじゃこりゃあああちちち」

「大した威力ではなさそうぞよ。もう一発……」

「――まって! 大した威力です! もう、おやめください! ちょっとばかり銃の威力を舐めていました」

 立ち上がれないくらい痛い。泣きそうなくらい痛い。子供のエアーガンを自分の手の平に撃って涙目になる……父親の気持ちだぞ――!

 次の日、血豆ができていたぞ――!


 パンッーー!

「ぐおおおお!」

 やめてって言ったのに、鬼ですか! 魔王ですか!

 パンッーー!

「ぐおおおお!」

 パンッパンッ?

「ぐお、ぐお?」

 パンッパンッ!

「やめい! マジで殺す気ですか!」

「チッ、冗談ぞよ」

 チッて……舌打ち? 冗談って……どうしてどこがどのように~!

「冗談でパンパン撃たないでください!」

 しっかり胸に弾痕が残っている。明日は青いアザができていそうだ。

「銃の威力とはそれほどでもないようだ。古文書もデタラメが多いなあ」

「私でなければ一発で即死です!」

 スライムならグッチャグチャに弾け飛んでいます!


 魔王様にも一発ぶち込んで差し上げたいっ! プンプン!


読んでいただきありがとうございます!


ブクマ、感想、お星様ポチっと、などよろしくお願いしま~す!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければ魔王様シリーズを読んでみてください!
『魔王様シリーズ』
 
― 新着の感想 ―
[一言] 我が身を呈して城を守るデュラハン…… うう。側近の鑑や……(感涙) それはそうと、デュラハンが血が出たり青アザできるって知りませんでしたー!(笑) 1話目からすでに面白いです! 完結お疲れ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ