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異世界 怪物


本戦最有力候補のガロン、アルネはやはり別格の強さで1回戦を突破していた。



「次の試合はウィルさんも先程注目していると言っていた、Bランクの竜人族のハク選手そして同じくBランクの獣人族のウル選手の対戦ですね」


「ええ、2人のルーキーがどこまで実力を発揮してくれるか楽しみです」


Sランク冒険者に勝るとも劣らない強大な魔力を保有しているハク、そして身体能力が高い獣人族の次期族長候補のウル。



両者ともにBランク同士注目の試合だな。




「試合開始!」


開始と同時にウルがハクに接近する。


身体強化の術式を付与しているな。


ウルは得物を持たず素手での戦いを得意にしていて、手数で攻めている。



実際にハクはウルの攻撃に圧されていた。



ダメージも着実に蓄積している。



「開始早々、完全にウル選手が圧倒しているようですね」




「ええ、ハク選手はウル選手が得意なレンジで戦うことを余儀なくされていますね。本来、中遠距離線を得意とするハク選手はこれは辛い戦いになります」



ハクは手元に白色の魔力の雷を纏わせ攻撃を捌いているが、獣人族であるウルの身体能力の前には対抗できていない。



これは決着がつくな。



俺はそう思った。



だが。



ハクから突然、何とも言えない悪寒のようなものを感じた。


ウルもそれを感じたのか急に後ろに飛び去って距離を空けた。




「い、今のは一体なんでしょうか?」


どうやらペディア氏も気づいたらしいな。



「...解りませんが恐らくハク選手の何かしらの能力でしょうね。ウル選手だけではなくこちらまで、感じるほどですから、何か秘密があるのかもしれないですね」




例えるならばまるで蛇に睨まれた蛙のような、そんな気分に一瞬感じられた。




ハクの肉体はウルの攻撃によってダメージは管理受けていてPGが破壊されるのも時間の問題の筈。



だがその真紅の赤眼は真っすぐウルを見つめている。



何故だか分からないが完全にウルが支配していた試合展開の筈なのに、今は逆転しているように見えてしまう。


ウルは再び接近戦を仕掛けるが先程のようなキレが感じられない。



対するハクは白色の魔力を拡散させて二対の雷の双剣を作り出した。



ウルとハクの攻撃の応酬が続くが今回の手数はハクの方が圧倒的に多かった。



さらにハクの攻撃の白い雷がウルの肉体の動きを少しづつ制限していた。



「これは...ハク選手が逆転したぞ!!!!」



「ええ。ハク選手は徐々に攻撃が速くなってきていてウル選手は逆に遅くなってきています。これはウル選手のPGももう限界が近そうですね」




オレの予想通りウルのPGはそのまま破壊された。





「決まったぁぁぁぁ!!!勝者はハク選手だ!」





説明がつかない。


あの能力は一体何だったのだろう。



Sランク冒険者に匹敵さえしそうな雰囲気だった。



「彼女がこの予選一番の怪物かもしれませんね」





この武術大会、Sランクの二人の優勝であっさり決まるのかと思っていたが案外楽しめそうだな。

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