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異世界 契約

目が覚めたらそこは知らない天井だった。


僕はどうやら生きているらしい。


ベッドに寝ているようだったので、身体を起こしてみると枕元には白い小竜が一緒に寝ていた。



「君が僕を助けてくれたのかな?」


どうやら僕が助けた小竜のように思える。



可愛いなと思い頭を撫でてみると気持ちよさそうな表情をしている。


五分程して部屋のドアが開いた。



「目を覚ましたみたいですね。体調は大丈夫ですか?」

女の子が入ってきた。


...滅茶苦茶可愛い。


白髪のストレートのロングヘア。

瞳は綺麗な真紅色で吸い込まれそうだ。


身長は150センチくらいだろうか。


「え、あ...はい大丈夫です」



思わずおどおどしてしまった。


「なら良かったです。私の名前はハクと申します。シロちゃんも起きてください。お父様がお呼びです。貴方も一緒に来てもらえますか?」


「あ、はい。僕の名前はジョーといいます。」


ちょうど白い小竜も目を覚ましたみたいだ。



「おはよう...おねえちゃん!!はっあ、あなたは!?」


りゅ、竜がしゃべった!?


しかも今来た美少女をおねえちゃんって呼んだ?


「あ、ど、どうも」



「たすけてくれて、ありがとでした!!」


す、凄い元気な子だな。


「いえいえ、どういたしまして。お父さんが呼んでいるみたいだし行こうか」


「シロちゃん、しっかりした格好で顔をだすようにしてください」


「わかったよ~おねえちゃん!ばいばいおにいちゃん」


白い小竜は凄い勢いで飛び出していった。



「...」


「...私たちも行きましょうか。ご案内いたします」


俺はハクちゃんに案内してもらう。



家の中はかなり広く和風の屋敷といった内装だ。


----------ー



5分位は歩いたがどれだけ広いんだこの屋敷は。


ついに部屋の前でハクさんの足が止まった。

「お父様、ジョー様をお連れいたしました」

戸に向かいハクちゃんは声をかける。


「入れ」


厳格な声が聞こえた。



「こちらにお父様がいらっしゃいます。どうぞ」



ハクちゃんが戸を開けると奥には厳格な白髪の男性がいた。


長髪をオールバックにして袴を着た容姿はヤクザさんみたいだ...


こ、怖いぃ。


年齢は40くらいだろうか。


その隣にはロリ幼女が着物を着て座っていた。


白髪ツインテールがよく似合っている。


「ジョーさん。そちらにおかけください」


「は、はい」


僕はお父さんに座布団に座るように勧められそこに座った。


ハクちゃんはお父さんの隣に座った。


「私はビャクこの里の長を務めております。家内は所用でいないことをお許し下さい。この度は私の娘。シロを救ってくれたこと感謝する。ありがとう」

頭を深々と下げてくる。


それに続くように両隣の美少女達も頭を下げる。


「いえいえ僕も、身体が勝手に動いてたというか。危ないところを助けてもらっちゃたみたいで、ありがとうございました」


僕も頭をさげる。


「わたし、じょーさんがいなかったら、ころされていたかもしれません。かんしゃしてもしきれないです」


まさかあのロリ幼女は...


「まさか君はあの小竜なのかい?!」


今は完全に人型だった為全然分からなかったどういうことなのだろう。


「我々は竜人族なのです。竜人族は竜の状態と人の状態を使い分ける事ができる種族なのですが。シロはまだ子供のため未熟で使い分けが上手くできませんでね、あのような事態になってしまった訳です」


「そうだったんですね。僕としては何も気にしないでいただいて、問題ないですよ。僕自身も助けてもらった訳ですし」


あのまま助けがなかったら僕はきっと殺されていただろう。


「いいえ!そういうわけにはいけません!シロはそれではまんぞくできないのです!」


「シロはずっとそう言って聞きませんでしてね...もしご迷惑でなければシロのお礼を聞いては貰えませんか」


お礼か...



「わかりました」


ちょっと申し訳なさはあるけどまあいいか。


貰えるものは貰っておこう。



「シロはじょーさまとけいやくをしたいのです!!」


「契約?」



「なっ?!シロちゃん本気ですか?!」


クールな印象だったハクちゃんが驚いた表情をした。


「シロ...本気か?お前はまだ10歳だ契約なんぞ早すぎる」


ビャクさんもシロちゃんを止めようとするが...


「シロはほんきだもん!ぜったいにけいやくする!!」


シロちゃんは駄々っ子になって話を聞く様子がない...



「あの契約って何ですか?」



「契約とは他種族同士で主従関係を結ぶことだ。契約を結ぶことでお互いのステータス上昇などがある他、メリットも色々あるのだが。デメリットしては従う側は主の命令に逆らうことは出来ないという事。そして万が一契約を破棄しないまま主が死んだ場合そのまま主従を結んだ者も死ぬ」


「シロちゃんからすると一蓮托生というわけですか。責任が重すぎます...」

僕が万が一死んだらシロちゃんが死ぬのは、さすがに辛すぎる。


「シロはほんとうだったら、もうあのときしんじゃったんだよ?だからわたしはじょーさまとけいやくするんだ!!」


どうやら話を聞くつもりがなさそうだ。


「...ジョーさん、こうなったシロは話を聞きません。私はジョーさんさえ良ければシロと契約してやってほしい」


ビャクさんは言う。


「...」

ハクちゃんは黙ったままだ。



「分かりました。僕はシロちゃんと契約します。ただあくまで主従関係は形だけのもので対等な関係でいたいんだけどいいかなシロちゃん?」


「うん!!いいよ!やった♪」

シロちゃんは満面の笑みでほほ笑んだ。


「わかりました。シロちゃんはこうなったら聞かない子ですものね。私から一つ条件があります」


「おねえちゃん。なに?」


「正直あの程度の冒険者相手に殺されかける人に、シロちゃんを任せるのは心配です。なので貴方の冒険に私も同行させてもらいます。それが条件です」


ハクちゃんのいうことはもっともな意見だ。


「俺はいいけど...」


恐る恐るビャクさんを見ると。


寂しそうな顔をしていた。



「二人ともいなくなるのは父として寂しいのだが...まあ仕方ないよな...解ったハク頼む。ジョーさんシロのことよろしくお願いいたします」


またビャクさんが深々と頭を下げた。



「こちらこそよろしくお願いします!ハクちゃんもシロちゃんもよろしく!」



僕も頭を下げた。


「ハクでいいです。こちらこそよろしくお願いしますね」



「よろしくね!じょーさま!!」


「様付けは照れ臭いからやめてもらえると嬉しいな」


「わかった。私はジョーって呼ばせてもらう」


「じゃあわたしは、じょーくんてよぶね♪」




こうして僕に新しい仲間が出来たのだった。


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