未来 聖痕の力の一端
AM2:00
俺は今、墓場にいる。
何故かといえば俺のレベル上げの為だ。
「墓場には死霊が出る、それと戦うのが一番手っ取り早い」
グレンさんはそう言っていたが。
俺は実はお化けの類は苦手なのだ。
ホラーゲームもやらないぐらいに。
正直、気は乗らないがやるしかない。
「死んだら困るから念の為、アタシがきたが一人で戦ってくれよ」
煙管を吸いながら言う。
俺はLv1で些細なことで死にかねないということで付いてきてもらった。
「よろしくお願いします」
雰囲気は満点だ。
「聖痕を持つ者や聖職者しか霊体は視認や攻撃できない。通常の物理攻撃も当たらないが。属性攻撃なら通用する覚えておけ」
「はい」
墓場を歩いていると、嫌な悪寒を感じた。
「近くにいるな。下級霊だ、まあ初めてなら丁度いいんじゃないか」
目の前には髪の毛が長い白い服を着た女がいる。
地縛霊 Lv25
「いやいやいや滅茶苦茶格上じゃないですか!?殺されますって」
普通のRPGなら絶対に死ぬパターンである。
「問題ない。さあアビリティを使う感覚を慣れろ」
ただでさえホラー苦手なのに...
俺は地縛霊に正面から向かい合う。
「天鬼転生!!!」
俺の身に雷が降り身体能力が上昇する。
そして俺の身体に雷属性が付与された。
俺は自身の拳を地縛霊に向けて突き出した。
接触した瞬間地縛霊は一瞬で消滅した。
「え???」
全く手ごたえを感じなかったが、どうやら倒したらしい。
Lvが15まで一気に上がった。
「聖痕持ちは霊体に対して特攻がある。多少のLv差は何とかなる」
なるほどだったら!
地縛霊、浮遊霊、動物霊、あらゆる霊を消滅させLvは50まであっという間に上がった。
「こんなに簡単にLvは上がるんですか?」
正直拍子抜けしていた。
「人間だろうと化け物だろうと殺すのが一番簡単にLvを上げる手段だ。だが自分より低Lvの者を殺してもそこまで上がらない。覚えておくんだ」
なるほど。
このあたりの心霊のLvも50以上のものはいなかった。
潮時かな。
何体も倒したおかげで、心霊にはなれた。
「そろそろ戻るか」
地下拠点に戻ろうとしたとき。
目の前に警備員のような恰好の男が立っていた。
また幽霊か。
「いや、あれは人間だな、だいぶ質の悪い怨霊が憑いているが」
「殺すわけにはいかないから。怨霊だけ消滅させればいいな」
「別に殺してもいいが?」
笑いながらグレンさんは言った。
「やりませんよ」
ケイン Lv92
強い!?
「どうやら、本来の強さに怨霊の力が加わったみたいだな。」
やるしかない!
俺は天鬼転生を発動し駆け寄る
俺は拳を振るうが男は攻撃を避けていく。
警備員は腰もとにあるハンドガンを取り出して引き金を引いてきた。
銃口からは電撃弾が放たれる。
この時代の一般兵の武器は電撃や光線など光学系の兵器が主流のようだ。
俺はその弾丸を避け男の懐に潜り込むことに成功した。
もらった。
男の身体に拳が当たる直前、怨霊が男の身体から抜け出した。
なっ!?
取り逃がしたそう思った刹那。
逃げた怨霊を炎の弾丸が一瞬で消滅させた。
「油断するから取り逃がすんだ。最期まで油断するな。決行日に死にたくなかったらな」
「...はい肝に銘じておきます」
男を横に寝かせて俺たちは拠点へと帰った。