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未来 聖女と元枢機卿 皇帝vsクリス


帝国でも重要な重罪人を収容している特別収容所。



帝国でも上級ID 持ちの者しか入れない区画。


聖女が収容されている施設に粛正部隊司令官レイスは訪れていた。



レイスは最奥のマリアの監獄の前に立つ。


マリアは手に魔力を抑える枷をされており抵抗できない状態だ。



「やあ。久しぶりだな。元気にしているか聖女マリアよ」



「...あなたは。こうして話すのはあの時ぶりですか。」


5年前突如裏切り者として、マリアとグレンの前に現れ刃を振るった。



「ああ。グレンが死んだあの時ぶりか。どうやら今度は貴女が死ぬ番が来たようだがな。お前の処刑の日取りが決まった。三日後の正午だ。」



「三日後...」


「あの日4人別った時からもう5年だな。そしてアイツの預言した5年目、おそらくここが分岐点だろう」


「あの後あなたと師に何があったのか教えて頂けませんか」


あの玉座の間で何があったのか。


その真実が知りたい。


マリアはずっとそう思っていた。



「いいだろう。あの日のことの顛末を語ろう」



----------------


5年前 玉座の間にて






マリアとグレンが玉座の間を出たのを皮切りにカインの槍とクリスの剣が交わる。



Lv324のカインとLv230のクリス圧倒的な実力差。その上に得物の性能差も圧倒的。


カインがクリスを圧している。


「援護する」

レイスは援護も援護の為に接近する。


「我をもっと楽しませろ」


上機嫌に笑いながら槍を振るう。


2対1にも関わらず形勢は全く変わらない。


全ての剣戟を槍でいなしている。


攻撃の手を緩めることもない。


体勢を整えるため一度クリスとレイスは距離をとる。




「全く...化け物だな。悪いなクリス。アレを使う」


「おまえ、アレは二回目は使えないんじゃなかったのか?」



「ああ。もう一度使えば死ぬだろう。だがアレしか方法はない。もしもの時は頼む。」


レイスはクリスの真意を受け取っていた。



「ああ。お前の後は私が引き継ごうどんな手を使おうとも」


その言葉を聞きクリスは微笑むと。


能力を発動する。


デウス・エクス・マキナ


直訳すれば機械仕掛けの神。


だがその真の意味は、危機的な状況でさえひっくり返してしまう、ご都合主義的な力だ。



クリスはその身に神の力を顕現させる。


使えるのは一度だけ二度目は自身の死のリスクが伴う。


先の悪魔との戦いで使用した為もう二回目の使用だ。

死は避けられない。


クリスの身が光に包まれていく。


黒だった髪は白くなっていき瞳の色は金になっていく。


その容姿は神聖さが際立っていた。



「皇帝カイン。神の力を以てお前を殺す」


剣を構える。


「我を殺せるか試してみるが良い」


カインはほくそ笑む。



また再び刃が交わった。


クリスの剣戟は先ほどの比にならない速度だった。


カインも攻撃をいなすのに今回は手一杯だ。


そして遂に、クリスの剣がカインの脇腹を切り裂いた。


カインが槍を振るい距離を開き体勢を立て直す。


先ほどは2対1でもカインに分があったが今はクリスが優位だ。



「我に傷を付けた者は初めてだ」


傷を負ったにも関わらず嬉しそうにカインは言う。



「ドMの変態はさっさと死んでくれないか?」


クリスは再びカインに切りかかる。



「援護したいところだが...悔しいが俺が行っても足手纏いになるだけだな」


クリスはデウス・エクス・マキナによってLvが330まで上昇していた。


Lvが100上がり、全てのステータスが上昇しているクリスはカインを圧倒していた。


カインの身体には斬撃が刻まれ血が噴き出している。


このままいけばカインを斃せるだろう。


デウスエクスマキナによって戦況は変わった。



「これが神の力か。面白いな」


カインは笑っているが既に消耗している。



そしてクリスは無傷だ。




このまま決着がつくかと思われたが。



「Θέλω να τον σκοτώσω, να σκοτώσω το αίμα του Θεού(我は願う、かの者を殺すことを神の血を絶やすことを)」

カインはロンギヌスの槍を持ちながら詠唱を始める。


クリスは追撃をするがカインは傷を負いながらも詠唱を完了した。


ロンギヌスの槍に光が集まる。


カインの槍とクリスの剣が触れたその時。


クリスの剣が崩壊した。


クリスは瞬時に距離を取ろうとするが、間に合わない。


そしてクリスは槍に貫かれた。


ロンギヌスの槍の聖遺物としての能力、神殺し。


HPは一瞬で失われた。


クリスが倒れ地に伏す。


辺りに血が拡がり、クリスは絶命した。


「フハハハハハハハハ!楽しめたぞ神よ!!!!感謝しよう!」


カインは勝利の雄たけびを上げた。


レイスはそれを見ることしかできなかった。


実力ではカインをクリスが凌駕していた。


だが得物の性能差が圧倒的だった。



クリスがもしも神具を持っていればカインを斃していただろう。




いくら消耗しているとはいえレイスは今の自分ではカインを斃すことは出来ないと分かっていた。


だから。



「皇帝陛下、今までのご無礼お許しください。私の首喜んで差し出させていただきます。ですが...私には皇帝陛下を楽しませることができる催しに心当たりがございます。」


レイスは命乞いをした。


自分が今ここにいる意味を考えて。



「ほう。それは誠か?」


「時は5年後です。お許し下さるのならば。私がそのお膳立てをさせて頂きます。」


カインは考えるが。


「いいだろう。逃げ出した聖痕持ちもいることだしな。5年後の催しとやら楽しみにしているぞ」


「ありがたきお言葉」



「お前には粛正部隊の司令官を任せよう。忠誠心を見せてみろ疑わしければ殺す」


「はっ!」



こうしてレイスは粛正部隊の司令官となったのだった。








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