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未来 皇帝カインとロンギヌスの槍

皇帝の城に四人の英雄たちが呼び出された。



「此度の活躍の恩賞の話でもして頂けるのでしょうかね?」


金髪碧眼の乙女。


聖女マリア。


昔で言えば法王に近い立場だったが。今は形だけの立場。最後の教会において象徴的な存在になっている。



「皇帝は信用ならぬ男。油断はできないな。皆警戒は怠るなよ」



レイス枢機卿


マリアの補佐をずっとしており、


帝国との政治面で主に関わっていたが教会にとって不利な条件を覆すことはできなかった。



「アタシ達4人の力ならいくら皇帝の坊ちゃん相手でも

遅れを取ることは無いさ」


シスター・グレン

赤髪隻眼の不良シスター。


喧嘩っ早いが腕は立つ。



教会への武力介入はグレンが抑えていた。



「聖痕持ち8人を殺した実績を持つ皇帝だ…何が起こるか分からん…」


黒髪で感情が薄そうな優男。

神父クリス


先の悪魔との戦いにおいてアビリティ、デウス・エクス・マキナを使い勝利に導いた。



4人は皇帝玉座の間に辿り着く。



玉座には帝国を統べる皇帝カインが座っている。


齢は28。先代の皇帝を実力を持って排除し自身が皇帝になり。禁教令を出した男だ。



4人は皇帝の前に跪いた。



「やあ。英雄達よ。此度は大義であったな!」

皇帝は笑いながら4人に言う。



「いえ国や民の為に当然の事をしたまでです」


皇帝の言葉にマリアが返答する。


「此度の礼に我から貴公らに何かしてやろうと思ってな。呼んだわけだが…何が欲しい?」



「恐れながら言わせていただきます。教会の復活を私達は求めます」


レイスが代表して言う。


「確かに此度の一件、教会の生き残りが居たこと。この国にとって僥倖だったと言えるな。そして我にとってもな」


そう言いながらカインは異空間から槍を取り出す。


「我はこう見えても聖書に詳しくてな。この槍を知っているか?」


「それは、まさか、」


遥か昔から存在する聖遺物、一般人でも実物は見た事がなくとも名前は聞いたことがあるその槍をカインは楽しそうに振り回している。


「この槍はトバル・カインによって作成された、ロンギヌスの槍と呼ばれる聖遺物だ。通称神殺しの槍ともいう。所有者には世界を制する力が与えられるとも言うらしいが実際に我は世界を制しているのだから本当のようだな」



「そんな物を取り出して何を考えている」


クリスが静かに言う。


場の空気は緊張感に包まれていた。


「我はこの槍で聖痕を持つ人間を8人殺した。神の使徒を殺す楽しみを喪って長らく退屈していたのだが、新たに4人現れた。悪魔に感謝せねばなるまい」


槍を4人に見せびらかす様にしながらカインは笑う。



「テメェ!!!」

カインに向かってグレンは真紅の炎弾を放つ


凄まじい魔力密度を放つそれをカインは槍で横薙ぎにする。


凄まじい爆風が生まれた。



カインは変わらず楽しそうに笑っていた。


「さあお前達に褒美を与えてやろう。このロンギヌスの槍の一撃を!」


カインが槍を構えた。



カイン LV324 ジョブ 皇帝



「LV324!?なんだあの強さは?」


グレンは剣を構えながら言う。



4人のLVはマリアが202、レイスが218、グレンが220、クリスが230


圧倒的なレベル差だった。


「LV以上にあの槍が厄介だな…一撃でも致命傷は避けれないだろう」



「皆で戦えば勝機はあります」


こんな状況でもマリアが笑みを浮かべて言う。



「いや。マリアお前はこの場を離れるんだ」

クリスが言った。


「私に逃げろと?」


マリアは怒りの眼差しをクリスに向ける。


「ああ。お前は教会にとって象徴だ。代わりの利かない存在。それにお前はまだ弱い。足手纏いだ」



「っ!!」


教会の立場で言えばマリアはクリスよりも遥か上だが、クリスは戦闘においてマリアの師を務めていた。


クリスは四人の中で最も強く先の戦いの悪魔を倒せたのもクリスの功績が大きかった。



「クリスあんた!」


グレンがクリスを睨みつける。


「グレンお前にマリアを任せる。この場は俺とレイスが引き受けよう」



「アホか?あんな化け物相手に二人で勝てるわけないだろ?死んじまうのがオチだ」


グレンが怒鳴る。



カインは4人のやり取りを楽しそうにみている。



「フッ...ただでは死なんさ。レイス俺を信じろ。」


「クリス、お前...ああ分かった。お前を信じる」




「ここは俺達が食い止める、お前達は先に行け」



「昔からあるベタな死亡フラグ建てるな」


クリスの言葉にレイスが突っ込んだ。



「師よ...生きて帰ってください。死んだら許しませんから」


「アタシもあんたを信じる。生き残るってね」



「...出来ない約束はする主義ではないが。代わりに最後の預言をしよう。5年後救世主が現れ教会が復活する」


クリスは大預言のアビリティを持っていた。


数年単位で大きな時代の変化が見れる。


ただし誰かにそれを伝えると予言が変わる可能性が出てきてしまう。


良い意味でも悪い意味でも


「それって...」



「さっさと行けっ!!!!」



グレンは舌打ちしながらマリアを引き連れ玉座の間から出て行く。




「いい話だったな我もアニメなどを少々嗜んでいるが、お前のようなキャラクターは好きだぞ。死ぬ事が決まり切って哀れにすら感じる」

笑いながらカインは距離を縮めてくる。





「フフ、お前もアニメを嗜んでいるなら分かるだろう。お前が勇者に滅ぼされることが決まっている魔王に過ぎないということが」


クリスもカインに近づいていきそして二人の刃は交わった。




それがマリアとグレンがクリスを見た最後だった。










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