未来と学院生活 その三
「久しぶりだな。ヨシザワ・ミライ」
そこに座っていたのは、以前、オーガから未来を救った生徒だった。
「あ、あなたは……」
「あっ、そっか!!ミライはレクサスに助けてもらった事があるんだっけ!!」
エレノア先生がわざとらしく、大きな声で叫ぶ。
「そうなのミライ?」
「うん。転入届をだす前にちょっとね。」
「そうなんだ!」
「……無事に合格できたんだな。」
「は、はい!あ、あの時は助けてくれてありがとうございました!!」
「気にする事はないよ。お前も小さな子供を助けていたんだ。それがなかったら子供は死んでいた。お前のおかげであの子は救われたんだ。」
「は、はい」
「そうそう。見学に来たんだろ?お前達、活動の様子を見せてやれ。」
エレノア先生がそう言うと生徒達は自分の武器を持ち、立ち上がる。
「この部活は他とは一味違うぞ〜。」
エレノア先生がニヤッ口を歪ませ言葉を吐いた後、そして外へ出る事になった。
***
学院を出て少し歩いた先にある草原。そこで外出活動部は今日の部活を始めるらしい。
「先生、部活内容はなんなんですか?」
「クエストをこなす。」
「え?」
「だからクエストを受けるの。困っている人達を助けるの。」
「だから外に出てるのかー。」
(クエストか……俺も初日に受けた事があったな。いやな思い出だけど。)
部員の生徒達は剣を抜き、辺りを見渡す。
今回のクエストはオーク、ゴブリン、スライムを三体ずつ討伐すると言うものだ。
辺りは静まり、みんなは全神経を集中させ、辺りを警戒している。
「この辺りにモンスターがいるんですか?」
未来は警戒している中大きい声を出したらいけないと思い、小声でエレノア先生に尋ねる。
「あぁ、お前も辺りを見渡して見ろ。」
「は、はい。」
何も無い草原を未来は目を細めて見渡すが、なにもなくただ、草っ原が広がっているだけだった。
「……来たな。」
そう言いみんなは剣を構える。
「え、どこ!?ミライ、わかる?」
「全くわからないよ。」
「お前達、あそこを見てみろ。」
未来とティアラはエレノア先生が指を指す方角を見ると微かに何か小さな影が向かって来ているのがわかった。
「遠いのによくわかるんですね。」
「これも経験による差だな。この部活はクエストをこなす為モンスターを狩っているから戦闘経験がついて、直感でわかるようになってくるんだ。」
「なるほど……」
(第六感的なあれか?)
影が次第に大きくなり、その影の正体はゴブリンとオークだった。
だが、よく見るとオークとゴブリンは争いあいながらこっちに向かって来ていた。
「争ってる?」
「あぁ、あいつらが争いあいながら走り回ってるせいで、近くに住んでる人達が困ってるんだ。」
(そういう問題もあるのか……)
そしてはっきりとオークとゴブリンが見えた時、レクサスと呼ばれた生徒は前に立つ。
「俺に任せろ。」
そう言った後、モンスター達の群れに飛び込む。
「え、一人で行っていいんですか!?」
「大丈夫!!レクサス先輩は学院最強と呼ばれている生徒で、さらに珍しく属性が無でさらにスキルを二つ持ちでもう最強なんだよ!!」
「スキル二つ持ち……どんなスキルなんですか?」
「まず一つは弱点把握で、相手の弱点がどこなのかわかって二つ目は時間潰し。これは対処の者の時間感覚を2秒遅らせ、さらに動きを遅くさせるスキル。これらを合わせるとほんとに最強になるってわけ!」
(……チートじゃん。)
そう思っていると、レクサスは既にゴブリンとオークを全て斬り捨てていた。
「早い……」
「よし、クエストも終わったし、帰るかー。あっ、エイジ、クエストの報告よろしくな。」
「え!?せ、先生~それは無いよー!!」
***
見学も終わり、寮に戻っていた未来はベッドにダイブし、今日の事を振り返る。
(スキル研究会や剣術練磨部、いっぱい見たけど、入りたい部活か……)
その後少し悩んだが、未来は入る部活を決め、明日に入部をだそうと決めた。
(戦闘経験……あれがあるか無いかで、スタートに大きな差がでる。やっぱり入るのはあそこだよな……)
そう考えているといつの間にか眠りについていた。




