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今日も闘い? いえ、まずはカレーの日です。

本日は二話更新します。一話目。

 インドカレーやグリーンカレーも食べたことはあるが、恵理がイメージするカレーはやはり日本のカレーだ。そして日本のカレーはインド料理を元にイギリスで生まれ、海軍メニューに採用された時に船の揺れに対応するようとろみが強くなったものが伝わったという説がある。

 更に小学生の時、調理実習でカレー粉と小麦粉を使ってカレーライスを作った。その後、母親に教えて貰いながら香辛料をブレンドしてカレー粉から用意し、父親に食べさせたりもした。


「昨日、聞いた香辛料と小麦粉。あと、パタタ(じゃがいも)とオニョン(玉ねぎ)とカロート(人参)。肉は……豚肉で。鍋や包丁、あとお米は持っているので大丈夫です」


 そんな訳で次の日の朝、食事をして闘技場に行く時に、恵理は使用人達に今夜のカレーの為の材料を頼んだ。豚肉を選んだのは、疲労回復効果があるからである。闘いの後、そして明日もまた闘うのでここは豚肉と思ったのだ。


「かしこまりました。厨房では竈と、料理出来る場所を用意いたしますね」

「お願いします」


 内心はともあれ、微笑みながら言われたのに恵理はホッとした。作りたい気持ちは嘘ではないが、お客である恵理に入られたくないと断られる可能性もあったからである。


(よしっ! 今日も頑張って、今夜はカレーライスを作るわよ!)


 それから心の中で気合いを入れ、こっそり拳を握って恵理はガータ達と共に邸宅を後にした。



「昨日は、魔法を使ってたけど……防御の為じゃなきゃ、禁止だからな! 今日こそ、負けるだろうよ」

「そうだな。多少は闘えるようだが、所詮は女だ」


 昨日のように二階席に着いたら、近くでそう噂している者達がいた。


「女じゃ、なくて……エリ様、だもの」


 流石に面と向かっては反論しないが、観客達の噂話にミリアムは唇を尖らせてボソリと呟いた。そんなミリアムに、ティートは微笑みながら言う。


「大丈夫ですよ、ミリアムさん。昨日は魔法剣士相手だったから、魔法で返しましたけど……女神は元々『魔法には魔法を、剣には剣を、拳には拳を』でしょう?」

「ん」

「……何だ、それは?」

「言葉通りの意味ですよ」


 そんな二人の、と言うかティートの言葉に、ガータが尋ねてくる。だからティートは、その問いかけに笑顔で答えた。


「女神は、魔法も剣も……あと、素手の格闘も出来ます。だから、相手が魔法を使うなら魔法で反撃しますし……剣や格闘も、同じですよ」

「……それは」


 ガータが戸惑ったのも、無理はない。

 魔法は万人が使える訳ではないが、多少は使えるとしてもやはり普通、人はそれぞれに得意な闘い方がある。女性ということもあるがグイドと闘った時、あと昨日も剣を使っていたのでメインは剣だと思ったのだろう。


「ああ、ちょうど良いですね……今日の相手は、格闘タイプのようですから」


 百聞は一見にしかず、とばかりにティートは言葉と視線で、恵理の闘いを見るように促した。

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