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異世界温泉であったかどんぶりごはん(旧題:パーティーを解雇されたアラサー女子はどんぶり屋を開く)  作者: 渡里あずま
第二部

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新たな任務が出来ました

 ティート達と合流し、恵理達がガータの家に着いた頃、ロッコにやっていたミリアムの使いが戻ってきた。その足元には、ティートが結んだものとは別の紙が結わえられている。恵理達は、皆でその手紙を読んだ。


『良いわよぉ! 出来ればそっちから、その揉み療治が出来る人にロッコに来て貰いたいわね~』


 他にも書かれているが、端的に言えばこうだ。そしてもし来て貰えるなら、往復賃やロッコにいる間の食事や宿はルーベルが負担すると言う。


「……確かにね。素人がやると、揉み返しとかあって逆に具合悪くなるらしいし」

「怖、い」


 エリの言葉に、ミリアムが無表情ながらも眉を寄せ、言葉通りの気持ちを示した。そして異国人のガータも、納得したように頷く。


「私も、揉み療治の心地好さは解るからな……しかも、そこまで優遇してくれるとは。我が家の使用人に、声をかけてみよう」

「ありがとうございます。ギルドマスターもですが、僕も微力ながら移動など手伝わせて頂きます」


 そんなガータに、ティートはお礼を言って頭を下げた。それにうむ、と頷いてガータが玄関から入ると、一昨日のように使用人達が集まってきた。


「まずは風呂、それから食事だ……夕食には少し早いが、昼抜きだから良いだろう」



「まずは一回戦の勝利、おめでとうございます」

「おう、ありがとな」

「ありがとうございます」


 蒸し風呂で汗を流しながら、ティートはサムエルとレアンを労った。それに対して、二人が笑って応える。


「ただ、師匠も心配してたけど……観客の圧、すげぇな。どんだけ血が見たいんだか」

「参加者は、怪我をしたくないから降伏してくれますけどね……最後の試合を見る限り、ああやって血を流すのが当たり前なんでしょうね。店長の言う通り、呑まれないように気を付けます」

「流石、女神……闘う前から、想定されていたとは」

「……闘技場を見て、何か呟いてましたから。店長のせ……故郷でも、似たような催しがあるのかもしれませんね」


 サムエルとレアンが気を引き締めていると、ティートが感激したように両手を組んだ。

 それに対して、レアンが当たらずとも遠からずな感想を口にする。実際はエリもリアルタイムにではなく、映画などの知識なのだが間違いではない。


「あ、そうだ。今日は髪を洗う時に、このリンスを使ってくれますか?」

「はい……あの、石鹸ではなくてですか?」

「石鹸で髪を洗った後、このリンスをつけてしばらくしてから流して下さい」


 ティートが、エリから分けて貰ったリンスを男性の使用人に渡すと、不思議そうに首を傾げられた。

 ロッコか帝都にしかないのだから、当然だろう。それに「お願いします」と、笑顔で促し――洗い終えたティート達の髪やレアンの尻尾が見事にツヤツヤになったのを見て、使用人からはひどく驚かれた。

 それに笑みを深めながら、ティートは言った。


「これは、女神が発案した我が国のリンスというものです。効果は、見て頂けましたよね? まだあるので、よければ皆様も使ってみませんか?」


 自分達男性陣だけでなく、エリ達にも使って貰うよう頼んだリンスは、ロッコの魅力を伝えて来て貰う為の第一歩である。

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