表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

武具屋ハナビ

朝になった。身体の疲れも大分癒え、調子も戻ってきた。あのスキルは強力な反面反動が強すぎる。早急に身を守れる位には強くならないとな。とりあえずステータスの確認をする。



名前:カイン・ジルバ

レベル:68

力:340

耐久:340

魔攻:340

魔防:340

器用:340

魔力:340


★スキル

【英雄カインの魂】

全ステータスに上昇効果(極)、スキルによる効果上昇率(極)、全属性の魔法使用可能、魔法攻撃力・防御力・効果上昇(極)、状態異常耐性(高)、取得経験値10倍、スキル習得率10倍、ステータス成長値最大固定化、超速再生、限定時間前世への回帰、本人以外スキル認識不可。

【穏行術(高)】【気配探知(高)】【剣術(高)】【火魔法】



お、レベルもそうだが、スキルも上がってるし、【火魔法】が増えてるな。【英雄カインの魂】が本人以外認識をされないのはかなり助かるな。認識されれば渡り人って以上に厄介事がやってきそうだ。


探知スキルもスキルレベルが上がったのはかなり助かる。

技能系のスキルは本人の技能補助がメイン。小、中、高、極とスキルランクが上がる。まだこのレベルでは前世の模倣すらかなり厳しい。スキルランクが上がれば少しましになるし、今後はどんなスキルがあるかを調べて習得できるものはしていこう。


ステータス成長値最大固定化のおかげでステータスの数値が凄いことになってる。恐らくこの数値に辿り着くには80か90レベルにならないと無理だろう。案外1番強力なスキルかもな。


アイテムボックスに入れていた服を装備する。相変わらず便利だ。服のサイズもあってるのは女神の計らいか、この世界ならではなのか、この世界ならではなら服のサイズを合わせなくても買えるからかなり便利なんだが。そこら辺も勉強が必要か。言語が通じて言葉の意味が同じなのが救いだな。


着替え終わるとタイミングを見計らったかのようにノックが部屋に響く。


「カインさん起きてますか?」


サイーナさんの声がする。


「入っても大丈夫ですよ」


俺の返事にサイーナさんが部屋に入ってくる。今日もギルドの制服を着てキチっとしている。

朝食に誘われ移動する。そう言えば夕食も食べずに寝たからお腹が空いてるな。


「これがギルドカードです」


ギルド内の食堂にて注文するとカードを渡される。冒険者ギルドだけあって食堂も空くのが早いな。早朝に借りに夕方には褒賞金で飲み明かす。これも冒険者の醍醐味。


「ありがとうございます」


白いカードに名前とランクが書かれている。ランクはF。ランク最下位だ。1番上はランクSSS。サイーナさん曰く化物揃いらしい。勿論レベルの上限は軽く突破しているレベル1000超えの冒険者。ドラゴンも軽く捻る奴らだそうだ。


「それとゴブリンとゴブリンキングの討伐の褒賞金です」


サイーナがアイテムボックスからお金の入った大きな袋を取り出す。


「2,500万ラタです。他にも今、ゴブリンの解体素材の売却を今してますので、もう少ししたらまたお金が入りますので。ゴブリンキングは残念ですが粉々になってましたのであまり高くは買い取ってもらえないようですが、ゴブリンキングの亜種体なので男性客、主に貴族の方達が興味を示したようですのでまた時間がかかるかもしれません」


「構いませんよ。お金があるに越したことはないですが、ゴブリンの巣にけっこう蓄えられてたので余裕がありますし」


お金の入った袋に手を入れアイテムボックスに入れる。裸でアイテムボックスに入れると、アイテムボックスの一覧で一纏めに表示してくれるのでお金も管理しやすい。

すでにかなりの金額が表示されている。


「サイーナさん、ゴブリンの巣で手に入れた金塊とか冒険者の武具の売却をお願いしたいんですが大丈夫ですか?」


「えぇ。大丈夫です。食事の後に専門の鑑定士に案内しますね」





食事を済ませた俺とサイーナさんは鑑定士に手に入れた一通りの物を預け街を歩いている。始めに目指しているのは武器屋。簡易の防具ではゴブリンの攻撃も防げなかったので防具の新調と何か良い武器があればとサイーナさんに案内してもらってあたる。


鑑定士は白髪の男性が対応してくれたのだが、アイテムボックスから出した量も量だったため「ゴブリンも随分溜め込んでたの」と驚きを隠せないようだった。鑑定にも時間がかかるので後日受けとることになった。


ここの街の名前は『トトカ』。国の名前は『クリシアン王国』。王が治める国だ。広大な領土を善王カトナスト王が治めるようになってから平和になったらしい。それまでは税も高く、戦争も絶えなかったとのこと。平和になったのもこの20年位とのことでまだまだ戦争の傷跡が残っている。

各地のダンジョンを守っていた守護兵も戦争に駆り出される程の戦をしていたため、ダンジョンから溢れる魔物をを抑えることが出来ず森の中は魔物の巣窟になっているようで冒険者にとってはかきいれ時らしく。皆忙しいとのこと。


だからと言ってダンジョンの魔物を駆除しないとまた溢れる事にもなるため、ダンジョン以外の魔物の駆除は思ったより進んでいないらしいが、この街トトカは活気に溢れている。民が笑顔で商売をしている。


「ここが私のオススメの店、ハナビです。トトカにはここより質の良い物を揃えているところはないと思います」


ボロボロの家屋に店の前には樽の中に乱雑に刺さった武器達。見た目はあれだが、武器一つ一つがしっかり手入れされている。

こう言うとこは俺も好きだ。職人気質で変わったものを店主が置いている事が多い。


「リリナ。リリナは居ますか?」


サイーナさんが店の中に入っていく。俺も続いて歩くが、店の前の樽の中の武器の放つ異様さに足を止める。


「魔剣か何かか・・俺を止めるのか」


樽の中に手を入れ、引き抜く。赤と黒の綺麗な鞘に刀が納まっている。刀を引き抜くと漆黒の刀身が露になり、光に反射して刀身に赤い波紋が浮かぶ。凄い刀だ。感じる力が桁違いに濃密だ。


「その刀は『黒乃紅雲(クロノベニグモ)』あんたにくれてやる持ってきな」


声のする方に目を向けると。黒い皮の胸当てに黒いパンツ姿の赤い髪の女性が立っている。サイーナさんが声を掛けに行っていたリリナだろう。

それにしてもここの女どもはなぜに下着姿なんだ。黒い皮の胸当てから溢れそうな巨乳に、浅黒いが綺麗な肌を黒いレースのパンツから伸ばしている。正直目のやり場に困るが、声を掛けられた以上ガン見して目の保養にしよう。


「リリナ。そんなところに黒乃紅雲を置いていたんですか!?あれは国宝級の刀ですよ」


「だが、誰にも抜かせてもらえない英雄の刀だ。使い手をようやく選んだんだあんたにやるよ。飾られるよりその刀も幸せだろう」


「あぁ。ありがたく頂くよ」


「その代わり防具はしっかりお代をもらうからな」


中に入ると数多の武具が置かれている。どれも超一級品だ。この武具達はリリナさんの自作と言うから、彼女の凄まじい鍛冶技術が伺える。

どの武具にも何かしらの効果が付与されているし、武具一つ一つが超一級品だ。


「あんた色んな武器を見てるが、そんなに扱えるのかい?」


「あぁ。俺の流派はどんな敵にも対応する流派だからな。デカいの相手に剣だけじゃ攻撃力に欠けるだろ?」


「まぁそうだが、器用貧乏にならないかい?」


「確かに俺以外の奴は3つ位を徹底的に鍛えてたな。これでも色々修羅場を潜ってるからな流派を極めなきゃ生きてけないとこもあったし、戦争で乱戦になったら敵の武器を奪って使うなんてのもあったからな強制的に極めさせられたって感じか」


リリナがその歳で?と疑問視するような目で見てくるが「ま、金さえ払えば良いか」とカウンターに戻っていく。


大剣に槍、投げナイフ、小刀、弓と矢を購入する。1900万程かかった。安めのを選んだが、一級品だけあってかなりの額だ。


「後は防具か」


「何か防具に拘りはありますか?」


「そうだな。軽くて動きやすいのが良いな」


「それでしたら革の方が防具が良いとは思いますが、後は付与の効果ですか」


小一時間ほどサイーナさんとリリナと話し合い武具を決める。

防具は黒革の胸当てと黒銀の籠手と黒銀の脛当てだ。


黒革の胸当てに使われているのは黒蛇ナージュの革。防御力は勿論のこと魔法にも耐性がある。そして何より付与効果だ。毒効果減(高)、時間経過にて毒効果回復(中)、体力回復(小)。


黒銀の籠手と脛当ては魔法金属ミスリルと黒鉄昆虫ササカラの甲羅を混ぜて作った籠手で、その効果は魔力を通すことで籠手の強度アップ。破られぬ盾となるが、持続するには大量の魔力がいる。その他の付与効果として籠手は力上昇(中)、対魔法防御(小)

脛当ては速力上昇(中)、対魔法防御(小)が付いている。


好みで防具を選んだのでかなりの額になった。持っている金額じゃ当然足りない額になったが、サイーナさんの計らいで鑑定に出している物から差し引いても構わないとのことで購入することができた。


「これでいっちょまえの冒険者らしくなったな」


「そうですね。後は仲間を募ってパーティーを組めば立派な冒険者ですね」


二人の様子を見ながらリリナが「一人前どころか一流の装備だよ」と呆れながら溜め息をついていた。


「ま、金さえ貰えれば良いけどさ」


そう言ってリリナは鍛冶仕事に戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ