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何でも屋ホワイトドラゴン  作者: 梅谷 雅
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第二話 悪霊

第二話 悪霊

ある日私の元に一件の電話が来た。

電話というと今時の若者は携帯電話を想像するだろうが私の家のはいまだに黒電話さ。

電話内容は依頼だったよ。

話を聞くとどうにも悪霊が居るから払ってくれというものらしい。

全く、何でも屋といってもこんなことはやらないさ。

もちろん、


私以外ならね。


実際にその家へと車で向かったさ。

家というのは一軒家だった。

車の置き場には困ったが近くに駐車場があったからそこに停めさせてもらった。

外壁の塗装やポストの形も古く、築二十年はいっていると私は思った。

そういえば、君たちはポティングというものをやったことがあるかい?

ポスティングというのは必要な技術が大きく二つ有ると私は考えている。

一つはポストを探す力。

もう一つはポストにチラシを入れる力だ。

当たり前だがここでの力というのは能力であって力ではない。

私もこんな仕事をしているのでね、年に一、二回は頼まれるのだよ。

地図を読む力? そんなものは二回ほどすれば嫌でもつくさ。

さて、話がそれてしまったな。

つまり、私が言いたいことは新築ではなかったということだ。

それにこの家のポストを見る限りチラシがたまりにたまっていたし、新聞を取っている様子もなかった。

(もしかしたら引きこもりに近い生活をしているのかもしれないな)

とりあえず、ベルを鳴らさせてもらったよ。

しかし、でてこなかった。

時間指定こそしなかったが日付の指定はされていた。

(昼時だし居ないというのはおかしいくないか? いや、私の偏見かな?)

はいはい、どちら様かな?

どうも、依頼を受けました何でも屋の竜乃です。

あぁ、ようこそいらっしゃいましたどうぞ中へお入りください。

鍵を開けてもらい私は中へと入れてもらい、茶の間に案内された。

本当に昔ながらの茶の間って所だった。

真ん中には丸いちゃぶ台があり、戸棚がありテレビがあるという何のことはない……普通の茶の間だった。


ただ一箇所を除いて。


奥さん、彼女ですか?

部屋の隅っこのほうにかわいらしい女の子がいた。

流石何でも屋敷さんといったところですか。そうです、彼女がこの家に現れた霊です。

奥さん、悪いことは言わない。彼女はここに居させてやるべきですよ。

あなたもそんなことおっしゃるのですか? 主人が亡くなり、娘もなくなった……そんな私には幽霊の女の子でも居たほうがいいってことですか!

(どうもこの人はこの幽霊の意味を分かっていないらしいな。どうして彼女がここにいるのか。どうしてここにきてしまったのかを)

奥さん、この幽霊は金霊ですよ。あなたのことが心配でここに居るんです。

そんなことはない! こいつがきてからなんですよ! 主人も、娘も……こいつが来てからみんな私の前から消えちまったんだ!

(それはおかしい。金霊が訪れると家は富み、いなくなると家は滅びるといわれている。今現在ここにこうして金霊が居るのに家が富むどころか立て続けに二人も亡くなるのか?)

いいから! とっととこいつを祓っちまってくれ!

奥さん、旦那さんと娘さんがお亡くなりになられてのはどれほど前ですか? この家に金霊が現れたのがいつごろなのか知りたいのですよ。

ちょうど一ヶ月前になります。事故死でした……

そうですか――――ちなみにですがこの件に対しての金の支払いはいくらまで払えますか?

主人が亡くなったので生命保険が下りました。私も生活が大変になっているんですが、100万いや、もうこいつさえ払ってくれるなら500万でもお願いします!!

(ほぉ、金霊を祓うというのにずいぶん金を出すな。祓っちまったら不幸になるのにな)

しかし、なぜ不幸になる可能性があるのにこいつを追い出したいのですか?

もう、不孝なんですよ! 主人が亡くなり……娘もなくなった。次は私の番かもしれないんですよ! あなたにこの恐怖が分かりますか! 分からないでしょうね! 主人のちゃんとした死因も分かっていないし、娘にいたってはどうしてあんなことになったのか分からないの! 私はどうやって殺されるのか。そればかりで最近はぐっすり眠ることもできないのよ!

(ということは恐怖心でどんなに金を払ってでもこの霊を祓ってほしいというこということか。いや、もしかしたら別の……)

分かりました。それではその霊は私のほうで祓うことにしましょう

はい、お願いします。

そういうと奥さんはそのまま別の部屋へと移動した。

(早速金でも用意してくれるのだろうか)

だが、すぐ近くで声が奥さんの声が聞こえた。

せっかく保険金が下りたというのにどうして娘まで……私は何もしてないの。

あの子が勝手にやっただけなの……どうしてこんなことに。

(どうやら訳ありらしいな。まぁ、私には関係ないが)


さて、では祓うとしますか

(逃げて)

ん?

(この家に居てはいけないの逃げて)

私は君のことを払いに来た。金霊だから本来祓いたくはないんだけどね

(いいから逃げて!)

(これはおかしい。どういうことだ?)

何でも屋さん、お金の用意ができましたよ。

ずいぶん準備が早いですね。確認しても?

はいはい、もちろんですよ。

では、失礼。

(へんなところはどこにもない。ちゃんとした一万円札だ)

すみません、少し準備があるので申し訳ないが数時間後でもよいですか? 夜のほうがこの祓うというのは効率がいいんですよ。

そうなのですか、分かりました。そういうことでしたらまたいらっしゃってください。

もちろん、金はここにおいていきますよ


私はそれからすぐに警察へといった。

少し気になることがあったからだ。


平田さん、とある事件について聞きたいことがある。

あぁ、あんたか。どの事件のことだ?

一月ほど前に男とその娘が亡くなった事故があったはずだ。その件について教えてもらいたい。

あぁ、あの事件か。どうしてお前さんがその事件のことを調べてるんだい?

依頼でね。この事件のことが必要らしいんだ。

ここだけの話、あの事件は未解決事件なんだよ。車が勝手に動き出して男を轢いたらしい。信じられるか? しかもそのあとに娘さんは川へと飛び込み溺死らしい。流れが速いときに狙ったかのように自殺したんだと。でも考えられるか? 娘さんはまだ、3歳だったんだぜ?

そうか、ありがとう。助かったよ。最後に一つ聞いていいかい?

ん?

奥さんのことは疑わなかったのかい?


【奥さん? あの家は父子家庭だぜ?】


やはり殺人を起こしていたのはあの金霊で計画者はあの奥さんだ。

(父子家庭であるという認識はおそらく金霊の力であろう。あの奥さんを守るためとはいえ存在を感じさせなくすることができるのか。だが、それでは今あの家に居る人はどういう存在として認識されるのだろう。ともあれ、事件のほうは大方金霊と共謀して旦那を殺したのだろう。だが、子供はどうなんだ)

考えなければいけないことはいくらでもありそうだな。


私は先ほどと同じように車を近場の駐車場に停め家へと向かった。

すると前から無人の車が私の元へと猛スピードで走ってきた。

やれやれ、真実を知ろうとしたものは生かしておけないということかな?


いつまで君はそんなことを続けるつもりだ!


車は私の前で止まったよ……内心バコバコだったがな。

(私はあの人に幸せになってほしいの)

奥さんを幸せにするためなら何をしてもいいと? 幽霊だから何をしてもいいと? 違うだろ! 何をすべきなのかは自分で考えろ! あんたは操り人形なんかじゃないんだぜ?

(でも、私……どうすれば)

あの人から離れるんだ。そうすれば後のことはこの現世の人たちが片付けてくれる。

霊ができることなんてないんだ。

(――――わかり……ました)

そう言うとその車から白い光のようなものが出て行った。

(成仏はできたのだろうか? さて、お金を頂に行くとしよう)


奥さん、たった今あの金霊は祓いましたよ。

あぁ、ありがとうございます!

お金をいただけますかな。

はい、ではこちらをどうぞ。

確認だけもう一度。……確かに。では、これで失礼しますよ。

はい、本当にありがとうございました。


後日、一件の電話が来た。

はい、どちらさまですか

おう、何でも屋か?

ん? 平田さんじゃないか。何かあったのかい?

この間あんたが聞いてきた事件解決したんだよ

ほぉ、結局犯人は誰だったんですか?

犯人は奥さんだったよ。

奥さん? 確かあの家は父子家庭だったはずでは?

いや、私もそう思っていたんだがどうやら奥さんが居るという話になってな。流石何でも屋、警察よりも早く犯人が分かっていたんだな。まぁ、そんなところだ。また何かあったらよろしくな


ガチャ


(おばちゃんは私のことが怖くなったの)

……おい、お前、この家にきちまったのか?

(うん、しばらくよろしくね)

それで? 怖くなったてどういうことだ?

(私があの人に言われて旦那さんを殺したの。それはわかるでしょ?)

あぁ、だがどうして娘さんまで?

(あの娘は私と仲が良かったの。でもね、あの日私が旦那さんを殺すところを見られちゃったの。だから殺したのよ?)

ということはお前は奥さんを殺すつもりは全くなかったということか。

(そうよ、でもね、私があの家からいなくなったからもうあの人も終わり。私が起こした事件っていうのは私という存在が憑いている人から祓われることでその事件はすべてその人に帰っていくの)

あぁ、ということは車で轢いたのも川に落としたのもすべてあの奥さんがやったってことになったってことだな。一つ聞いていいか?

(何?)

お前は父子家庭だと周りに認識させてあの事件の犯人を奥さんから遠いものにした。では、あの奥さんの存在はいったいどういうものだったんだ?

(あぁ、それね。それは簡単よ。あの家はあの人しか住んでいない。旦那と娘は違う空き家に住んでいたって言う錯覚を周りの人に与えただけ。だから誰も疑わないのよ)

ずいぶん考えてこの計画を実行していたんだな。それにしても、金霊だからって保険金で金増やそうとするなよ。ホントの金霊は幸せも運んでくるもんじゃなかったか?

(あんまほめないでよ)

ほめてない。ん? まてよ、 事件がすべて奥さんに帰っていくってことは私がもらったこの金は――――


ホワイトドラゴン第二話になります。

この話ができたきっかけはブラックジャックを読み、助手がほしいと思ったのが理由です。

もちろん、あの女のことは違うところがたくさんありますし、できることもだいぶ制限されるでしょう。

まぁ、あんまり気にせず下手したら人として接してしまうところもあるかもしれません。

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