霧島参るっ!!
私の名前は霧島葉月、歴女でアニメオタクの寂しい高校生…この前とかも、入部していた歴史部って部活が廃部になり帰宅部となり先日わけのわからん男に政宗様のプレミアムフィギュアを壊され、弁償するとか言ってまだ貰ってないし、いや学校に持って来るのも悪いけど…やっぱりな
「ん、あー居た」
「あっ!フィギュア壊した奴!!」
「ずっと、探してて…ほらこれだろ?」
男はそういって政宗様のフィギュアを渡して来た
でも、種類が違った
「…!待って…これって」
「ん?あれ違った奴だった?!」
「確かに違うけど…でも」
初代の超プレミアムモノのフィギュア…!!
「…これ、貰っていいの、?」
「…え!同じのじゃないけどいいの?!」
「…あ、うん」
「てか、この前と喋り方違うな」
「え?…!!う、うるさい」
色々不幸続きで、あげく人と会話なんて久々で
そんなコミュ障な私がそんなところまで
気配り出来るワケないじゃん…。
「何か気に触る事言ったか?ごめん」
「…いや、色々あって…その」
「ん?」
「おーい!」
「あっ、姫野さん!…その大丈夫だった?」
「あっ、うん…寿くんは?」
「俺も大丈夫…だよ」
「そっか、えへへ…」
なっ、なんだこの初々しい二人は
相変わらずのバカップルだな…。
(※付き合ってません)
「いちゃつくなら他所でやってよ…」
「いちゃ…っ、そ、そんな事してないよ…!」
「そ、そうだよ!変な誤解しないで」
「リア充爆発しろ、じゃ…そのフィギュアありがとう」
なんで、あの二人に気使わないと行けないの…!
てか、そもそも私は別に…このまま勢いに任せて友達になろうなんて考えてないんだから!
「…アホくさ」
「…お、霧島じゃんどったの」
「誰」
「…オレオレ~…」
「…何この人危ない」
「まじかよ、忘れられてる」
「あ、合同体育の授業の時余った人同士で準備体操させられた時の人!」
「そんな覚え方なの~?酷いなー」
「…名前知らないし、知りたくもないけど」
「…オレ、張信条って言うぜ」
「無気力野郎で充分じゃない?」
「…うわ、ひっでぇー名前」
「嘘よ、張…さん?」
「…ツンデレか」
「意味わかんない」
「まっ、とりあえずよろしくじゃ」
▽張信条とフレンドになった!
じゃないわよ!!!!ついあいつのペースに乗ってしまった…もうなんなの、ホント
今日は良く人と会話するな
でも、どんな事があっても「戦人」以外記憶が昔から出来なかった…だからすぐ忘れてしまう
さっきみたいに…名前がわかんなくなって「○○だった人」なら覚えられる…なんでだろ
だから昔から友達という人が出来なかった
勿論家族はわかるけれど
「…あれさっきの人なんだっけ」
こうしてまた一人になる
一生孤独、なのかもしれない
むしろ人を寄り付かせないようにしている自分がいる…そっちの方が手っ取り早いから
(…霧島さんって病気らしいよ)
とか色々言われている方が楽だったり
こんな病気欲しくなかった
「…友達、か」
「…あのー、霧島さん」
「!…ってさっきの」
「始めまして、姫野ことりです。」
「…どうも、えっと霧島葉月です。」
…あれ、なんで…?なんで自己紹介してんの私
ちょっと、可笑しくなっちゃったかもしれない
「…霧島さんっ!?」
「…なに、あれっ…」
ポロっ
「…えっと、ハンカチ…」
「なんで、泣いて…」
「これで涙拭いて下さい!」
「…ありがとうっ、その…」
あぁ、無理だ
ハンカチを貸してくれた人…の名前忘れた
どうして、どうしてなの
「霧島さん、何があったか良かったら話してくれませんか?…その私でさえば話聞きますよ」
やめて、そんな優しい言葉…かけないで
これ以上、何か言われたら涙が止まんない…。
「…ありがとう」
「…はいっ!」