第○章:母の記憶と、選ばれし少女
第○章:母の記憶と、選ばれし少女
深い森の最奥。
そこに、静かにたたずむ巨大なスライム――マザースライムがいた。
彼女は、淡く光る無数のスライムの“記憶の泡”を体内に抱えながら、来夢たちを見下ろす。
> 「おまえたちは……“家族”を名乗るに値するか。
ならば、我が記憶を、受け止めてみよ……!」
次の瞬間、空間が歪み、来夢たちは“記憶の世界”へと引きずり込まれる――。
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記憶の世界 ― マザーの過去
そこは、数えきれない“子スライム”たちが、無邪気に跳ね回る温かな場所だった。
しかし、すぐに風景は変わる。
冒険者、討伐者、炎、刃、そして――「涙」。
> 「どうして……どうして、私の子たちは、こんなにも……」
マザーは「育てても、守れない」無力さと、
「すべて忘れてしまう」命の儚さに打ちひしがれていた。
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マザーの絶望と暴走
「お前たちも、同じように失われる存在なのだ!
だったら……“誰にも渡さぬ”!!」
巨大なスライムの身体が、禍々しく変貌していく。
その名は――「黒母スライム・マザー=ゼルヴァ」。
> 「……やるしかない!」
来夢は決意する。
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最終バトル:絆 VS 絶望
来夢とスライムたちは連携して立ち向かう!
来夢の秘奥スキル発動!
マザーとの接触によって、来夢のスキルが覚醒!
《共鳴命名・スピリットブレス》
**「名前を持つ存在の“意志”と“絆”を一つにする」**スキル。
来夢は叫ぶ。
> 「あなたがどんなに傷ついても、
忘れたくても、忘れられないものがあるなら……それは、“家族”の証なんだよ!」
マザーの巨大な身体が、涙のように溶けていく。
> 「……名前……くれるのか……わたしに……?」
来夢は静かに答える。
> 「うん。あなたの名前は――セレナ。
もう、独りじゃないよ」
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エピローグ:新たな家族
マザー・セレナは穏やかな姿となり、森の守り手として再生する。
スライムたちは正式に“家族”となり、来夢はこの世界で“スライムの姉”としての地位を得ることに。
しかし、来夢はまだ気づいていない。
この異世界の奥深くで――“彼女を待つ者”がいることに。
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次回予告:
> 異世界に潜む「転移者の影」
来夢の過去に関わる謎の転移者と、新たなスキル継承の物語が始まる――。