孤児スライムに出会う。
■ 地名設定:スライムの森《グラヌスの樹海》
森の中心に「マザースライム」と呼ばれる巨大スライムが存在
普通の人間にはあまり知られておらず、討伐者たちは無差別にスライムを狩っていく
スライムは本来とても穏やかな生き物で、感情や色で性質が変わる種族
“孤児スライム”は親を討たれ、群れから逸れた者たち
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■ 孤児スライムたちの紹介(色と個性)
色名前案性格・特徴
赤ポッカ好戦的で熱血。火属性寄り。アオとすぐ喧嘩するけど実は寂しがり屋
黄チュルル明るくておしゃべり。雷属性寄りで、たまにピリッと感電する
緑モミィ草や木と同調できるスライム。癒し系でおっとりしている
黒クロナ無口で警戒心が強いが、来夢には興味を示す。影属性寄り
金キンやたらキラキラしているマイペーススライム。金属成分で硬い
銀ギン兄貴肌っぽい性格。まとめ役で知識も多い。変化・鏡写し能力あり
--スライムの森・孤児との邂逅シーン
深い森の奥へ、アオと手を取りながら進んでいた。
「この森……何か、ぬるっとしてるね」
「……スライムの匂い、する」
アオが鼻をくんくんさせながら、立ち止まる。次の瞬間、藪の向こうから――
ぷるんっ!
ぷるぷるぷるぷるっ!
七色の光が、ぴょこぴょこと跳ねるように現れた。
「わっ……あれ全部、スライム!?」
赤、黄、緑、黒、金、銀……それぞれ色と性格がまるで違う子たち。
そのスライムたちは、警戒するように距離を取りながら、こちらをじっと見ている。
「……孤児だ」
「え?」
「マザーが居るけど……全部の子を守りきれない。人間が、スライムを狩るから」
アオの声に、小さな怒りと哀しみが滲む。
「ボクも、そうだった。ひとりだった。……でも、ライムが居た」
赤いスライムが一歩前に出た。「じろっ」と来夢を睨む。
「にんげん、にんげんはこわい!」
その瞬間、来夢のスキルがふわりと発動した。
《スキル:刷り込みスキルが発動》
《対象との視線接触により、“仲間認識”を獲得》
「……!」
赤いスライムがピクリと震え、そして目を丸くした。
「……おかーさん?」
「……違う! ボクは違うもん!」
でもその声は、どこか寂しそうだった。
来夢はしゃがんで、にっこりと微笑んだ。
「一緒に、ごはん食べない? すっごくおいしいよ」
赤、黄、緑、黒、金、銀――それぞれのスライムたちが、ぴょん、ぴょん、と少しずつ近づいてくる。
まるで、家族が広がっていくように。