「葵い命」命名す。
草原の中心。
私の足元にぷるんと跳ねる、青くて透き通った小さなスライム。
「ほんとに……ゲームのスライムみたいだ……」
でも、瞳が合ったその瞬間――胸の奥がふわっと温かくなった。
(……この子、怯えてる。私を“親”みたいに見てる……)
「ねえ、君。名前……欲しくない?」
ぷるん?
スライムがびくっと震え、小さく跳ねた。なにそれ、かわいすぎる。
「うーん……ぷるぷるしてるから、ぷる? ぷり? ううん……」
ふと、空を見上げる。
どこまでも広がる青と、こっちを見つめる透明な視線。
「……決めた。“アオ”。」
名前を口にした瞬間、空気がきらりと弾けた。
──ピピィィィィィン!
《名付けスキル『名付けの契り(ネーム・バインド)』が発動しました》
《スライム『アオ』に“深度刷り込み”が行われました》
《アオは進化条件を満たしました。進化を開始します》
「……え、進化!?」
スライムの体が、一瞬ふわりと宙に浮かぶ。
光が渦を巻き、小さな身体が柔らかく形を変え――
次の瞬間、彼(?)は少し大きくなって、淡い青に光る「人」のような形状を得た。
《アオは“契約スライム”に進化しました》
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進化後のアオ
名前:アオ
種族:契約スライム(Rare)
特性:高い知能、回復粘液、物理衝撃無効、契約主との簡易テレパシー
備考:主人(来夢)の感情に反応して形状を変化。スキル模倣機能あり。