「ノームの荒野」へ向かう。
ダンジョンを脱出した一行は、スライムたちの名を冠する伝説が残る土地――
かつて“名前を持たなかった種族”たちが集っていたという「ノームの荒野」へ向かう。
かの地には、《存在を認識されない村》《時間が止まった森》《喋ることを禁じられた民》など、“存在”や“自己”を失った者たちがいるという。
来夢の命名スキルが、それらに何らかの影響を与える可能性がある。
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旅の仲間(現時点)
来夢
スキル:「命名」「刷り込み」「スキル獲得」など多数
一行の精神的な支柱。愛され上手で、愛し上手。
アオ(第一進化スライム)
水属性。来夢への信頼は絶対。冷静なサポート役。若干嫉妬深い。
ポッカ(赤スライム)
炎属性。ツンデレな熱血少年。ちょっと来夢に対して素直じゃない。
モミィ(緑スライム)
自然との対話スキル持ち。心優しき癒し役。植物に道を聞いたりする。
クロナ(黒スライム)
影に潜む少女。戦闘では偵察や奇襲役。来夢にはなぜか懐いている。
キン(金スライム)
金属体。防御役。能天気だが頼れる盾。ご飯が好き(?)
ギン(銀スライム)
他スキルコピー型。冷静でやや理屈っぽいが、兄貴分の頼れる参謀。
> 高原に風が吹き抜ける。
空は澄み渡り、雲ひとつない。 来夢は草の上に寝転がり、空を見上げていた。
「……もう、あんなダンジョンには戻りたくないな」
> アオがそっと隣に座る。
「……でも、楽しかったでしょ。来夢と、みんなで……」
「……うん、まあ……ちょっとだけね」
> ポッカがそっぽを向きながらも、ちょこんと近くに座る。
「ねぇねぇねぇっ、次は何するの!? チュルル退屈しちゃうよ~!」
> チュルルは雷のようにぴょんぴょん飛び跳ねてる。
> クロナは影の中に足だけ突っ込んで「……太陽まぶしい」と小声。
「……地図、逆さまだよ来夢」
> ギンが冷静にツッコミ。
「えっ、マジか。あーもうわかんない! 次はどこに行けばいいの!? ねぇ、モミィ!」
「……風が……南を指してる……たぶん、そっち」
> モミィが、草の音を聞きながらぼんやりと南を指差す。
「じゃあ決まりだな!」
> キンが勝手に歩き始める。「お昼ご飯の匂いがしそうだし!」
> 来夢は笑った。 “名を持つ者”たちと、“名を与える者”として。
彼女の旅はまだ始まったばかりだった。