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番外編 ネルテ先生の生徒観察記録.14

 ピスピスと、相変わらずマルスの寝息が大きく響く。


 全科目合同訓練を終えた翌日。

 かつてないほどの賑わい、生徒達の成長に、目が離せない熱量。


 今までの授業で、ネルテとしては一番の盛り上がりを見せて、ウキウキ気分に浸っていた。


「やぁー楽しかったな、全科目合同訓練! 一回きりってのが勿体ない。定期開催するかい?」


 ネルテが自身の机に座って、ケラケラ笑いながら視線を向ければ、ギリギリ歯軋りしながら真っ黒な顔を向けてくる、明らかに機嫌の悪そうなヘーヴ。


 ネイバー校長による急な呼び戻しに、ただでさえ遅れていた基礎科の授業。

 しかも今回の合同訓練で、かなり大きく今後の授業方針が変えられたらしい。


 授業計画書対応に追われて、いつも以上に書類に埋もれていた。


「定期開催なんてしたら、生徒の能力を分析して対策会議、最終的に一本化するのがオチですよ。生徒そのものは変わらないんですから、能力の成長こそすれ、大元は変わらない。何もわからない一発勝負だからこそでしょう」


「分かっているんだけどさー、あんなに生徒全体で白熱したのも久しぶりじゃないか。勿体ないと思ってね」


「精々年に一回の不定期開催が関の山ですよ、まぁ、意識改革にはいい取り組みでしたから、無くすのが惜しい気持ちも分かりますが」


 ピスピスと音のするマルスの方を眺めつつ、残念そうに机に突っ伏したネルテに、ヘーヴも少なからず同意した。


 全科目合同訓練。

 ネイバー校長が突然企画し、シルバー・フェザー副校長が提案した訓練内容。

 学習過程が違う科目ごとの集団に、エレイーネーとしての結束を与えると同時に、それぞれの科目の目的意識も明確に提示したものだった。


 実際、基礎科生徒達の授業態度は、より一層真剣なものに変わった。

 護衛科の生徒達も、それぞれが鍛錬に更に精を出し始めたと、ヘーヴはニンとレッドスパイダーから報告を受けている。


 問題意識を植え付けるにはもってこいの訓練内容だったが、何度も開催するような条件でもないことも認識しないといけない。


 定期開催でもすれば、基礎科の生徒達が、魔法科と護衛科、それぞれの生徒達の能力を分析、そこから対策作戦を立てるだろう。

 それでは緊急時対策の訓練としては意味がない。


「今回の訓練の目的は、あくまでエレイーネー内での結束と、各科目の目的意識の向上。両方が達成されているのですから、上々と判断してくださいよ」


「ま、わかってんだけどねぇ。オルナヴィとタナンタからも、面白そうな事をしてるって内容聞かれてさ、近いうちに二年と三年も同様の訓練してみるって」


「正式な資格取得した二年と、実践経験のある三年だと、またド派手になりそうですねぇ」


「……話はいいんだが、俺はその、ここにいてもいいのか……?」


 感慨深くネルテとヘーヴが話していると、おずおずといった低い声がかけられる。

 専用椅子に膝を押さえながら座り込んだボンブが、申し訳なさそうにボリボリと頭をかきながら二人に問いかけていた。


 ボンブがそもそもここにいたのは、ネルテの魔力が奪われていたからで、それを補うために、魔力伝達で魔力を補充していたからだ。


 酷い惨状を叩き出したが、ウガラシの一件で、ネルテはエリンジと共に魔力を取り戻した。

 ボンブにはもうここにいる理由がないと、与えられたソファの上で、少し居心地悪く身を小さくしていたのだ。


「魔力も戻って、もう全快なんだろ。お役御免なんじゃないのか?」


「あ、そういえばそうだったね……私としては、もう少し補助してもらえれば助かったんだけど」


「補助がいると?」


「魔力は確かに戻ったよ。でもルドー達の話じゃ、魔力奪取してきた例の奴は、まだ逃走中って話じゃないか」


 困ったように身を縮めていたボンブに、ネルテはそう声を掛けた。

 ネルテの反応に、ボンブが怪訝に片眉をあげたため、説明を続ける。


「犯人が逃走している以上、また襲われないとも限らないし、次は生徒達かもしれない。今回みたいに避けられない状況を作り出されたら、生徒達が危険だ。人手は大いに越したことはないから、出来れば協力してほしいんだよ」


 無理強いする気はないんだけどねと、そう説明を終えたネルテ。

 話を聞いたボンブは目を見開いた後、視線を下げて考え込む。


「そういう事なら協力しよう」


「いいのかい?」


「カイムやライアだっているんだ。外に出られなくなったらレイルとロイズも。こちらとしても、ここに在籍している同胞が、仲間が危険に晒される可能性があるなら、出来ることはしておきたい」


「……そうかい、ほんと助かるよ」


 ボンブの返答に、ネルテはほっと胸を撫で下ろした。


 リンソウで襲撃されてから魔力が戻るまで、かなりの長い期間を過ごした。

 カイムからの提案で、これまで魔力伝達でネルテに魔力を補充し、協力してくれたボンブには、いくら感謝してもし足りない。


 しかし魔力を奪った大元、女神深教の縁祈願(ゆかりきがん)はまだ倒し切れていない。


 クロノとルドーの報告から、ネルテとエリンジの魔力が戻ったことは奇跡的。

 しかし犯人に逃げられてしまっている以上、また新たな被害が発生しかねないのだ。


 警戒するものは多い方がいい。


 そう思ってネルテは声を掛け、ボンブも納得し、机で事務作業を再開していたヘーヴも静かに頷いていた。


「ネルテ、合同訓練の報告書がまだなのでさっさとしてください。あと例の依頼二つも」


「うえー」


「さっさとする」


 ボンブとの話がまとまった途端、ヘーヴから鋭い指摘が入って、ネルテは机にゴスッと突っ伏した。

 膨らんでいた歓喜が、一気にしぼんでいく。


 頭に突き刺さってくるヘーヴの非難の視線を無視しつつ、マルスのピスピス音を立てる寝息と、ヘーヴが恐ろしい速さで仕上げる事務書類のカリカリという音を聞きながら、ネルテはゆっくりと頭をあげた。


「はぁー、ほんとこりゃまいったねぇ……」


 ヘーヴから指摘された二通の手紙を前に、ネルテはまた頭を抱える。


 シマス国ウガラシの、同盟国連盟への報告。


 王都ウガラシが襲撃によって壊滅し、そこに王宮保管されていた古代魔道具の奪取。

 そして古代魔道具の使用によって、被害者が屍の軍団と化し、古代魔道具を破壊したことで収まった、今回の一件。


 面倒なことになるとは思ってはいたが、想像以上に面倒な事態を抱えていた国がいたのだ。


「古代魔道具の捜索及び、破壊またはこちらで保管、ってねぇ……」


 手紙のうちの一つは、グルアテリア。

 エレイーネー宛に、正式依頼してきたものだった。


 長々と書かれている依頼内容を、ネルテは読み返す。

 要約すれば、グルアテリアの国庫にて保管していたはずの、古代魔道具。

 長い間ずっと放置していたそれが、知らぬ間に無くなってしまっていた、という話だった。


「自国だと持て余すからと、保管したまま管理を疎かにしてたせいで、無くなってることに気づきませんでした。と来たもんだ」


「平和ボケしすぎていました、ごめんなさい、じゃないんですよ。何考えてるんですかね全く……」


 ネルテの独り言に、ヘーヴも事務作業をしながら、被せる様に愚痴り、二人揃って机に大きく溜息を吐く。


 この正式依頼を送ってきたグルアテリア。


 ランタルテリアに狙われつつも、協定がある限り戦争は起こされないと、呑気に平和を傍受していた国。


 シマス国の一連の報告を受けて、慌てて自国の古代魔道具を確認しはじめた、同盟国連盟の各国。

 まさかと思いつつも、楽観的に確認していたグルアテリア。


 その国が管理していた古代魔道具が、忽然と消えていたのだ。


 古代魔道具が奪われた時期、手法、犯人。

 全て放置しすぎて、何もかも分からない状態。


 その上古代魔道具も、最初に国庫に放り込んでから、誰も管理せず、ずっとしまいっぱなし。


 どういった古代魔道具なのか、外見の特徴すら曖昧な様子。

 文書での管理記載もないまま。


 情報が何もない状態での依頼。

 どうやって探せばいいというのか。


「古代魔道具は、無尽蔵に操れる膨大な魔力のせいで、探知魔法が全く機能しないというのに……」


「どういった古代魔道具なのかもわからない、外見も覚えていない、唯一わかってるのは、人一人で運べる大きさ、というだけ」


「見つけようがない……」


 ネルテは机の上で大きく項垂れた。


 グルアテリアからの正式な依頼状だというのに、あまりにも曖昧すぎる、お粗末な内容。


 おおよそ、ここ最近ルドーに毎日届いていた依頼状も、これのことだ。


 古代魔道具を破壊できる、同じ古代魔道具の聖剣レギア。

 その所持者のルドーに、秘密裏にこっそり探してもらって、破壊してもらおうとでも思っていたのだろう。


 国の不祥事を、よく理解しない学生に全て押し付け、後始末を図ろうとしていた。


 相手はまだ学生でありながらも、チュニ王国の勇者であるというのに、余りにも考えがない。


 実際チュニ王国側から、「うちを、チュニ王国を舐めているのかな?」と、ルドーに届き続ける依頼状に、エレイーネーに対しても抗議文が届き始めていた。


 おおよそチュニ王国から同じ内容の抗議文が、グルアテリア側にも届いたのだろう。

 もう隠し通すことは出来ず、シマスのウガラシの一件から放置しても不味いと、グルアテリアはエレイーネーに正式依頼する形をとったのだった。


 最近マシになってきたとはいえ、生まれつきの勇者であるのに、一番魔法が覚束なかったヘルシュ。

 その故郷、グルアテリア。


 本国の主張通り、かなり平和ボケしている様子が伺えた。


「グルアテリアの古代魔道具捜索。難航しそうだよこれ、どうすればいいんだ」


「でも放置も出来ないでしょう、古代魔道具案件なんですから」


「犯罪に使われると取り返しがつかないのは、ウガラシでよーくわかってるからね……」


「あともう一件の依頼状の方も何とかしなさいよ、生徒のフォローも含めて」


「マー国の方ね、やっぱり動きが早かったな……」


 ネルテは机の上の置かれたままの、もう一通の手紙に視線を落とす。


 この手紙の送り主はマー。

 砂漠地帯を六割占める、生活にも魔法にも、環境が厳しい国。


 一度読んだ依頼内容を思い出し、ネルテはまたゴスッと机に突っ伏する。


「こっちも古代魔道具案件なんだよなぁ……」


「しかも行方不明の王族の捜索まで依頼された、と来てますからねぇ」


 突っ伏したままネルテがうえーと声をあげれば、ヘーヴも同情するようにまた小さく溜息を吐いた音が聞こえる。


 マー国は何も、最初から砂漠地帯が広かったわけではない。


 砂漠が広がり始めたのが、今から三十年前。

 ちょうど、王族の失踪と時期が重なっていた。


「まさか王族が、国の水源をせき止めた状態で、ユランシエルに外交に赴いていて、ユランシエルが滅んで行方不明になったために、水源が断たれたままだったなんて」


「なんだそれは。水源を断つだなんて、生活に致命的じゃないか」


「ほんとにね。なんでもっと早く言わなかったんだい」


「問題がここまで長期化するとは、思ってなかったんでしょうねぇ……」


 ボンブの驚く指摘を聞きながら、ネルテはまた頭をあげつつ、ヘーヴと共に机に大きな溜息を吐く。


 マー国からの依頼は、依然行方不明の王族の捜索と、その王族のみが使えるという、同様に行方不明のままの、マー国古代魔道具の捜索。


 マー国の行方不明の王族というのが、おおよそウガラシの一件で、アルスと対面した少女、レモコ。


 まだ確定していないものの、その戦い方は、マー国の依頼状に書かれた、マー国王族にのみ授けられるという役職、「人形遣い」そのものだった。


 確定していないものの、これはもう確信に近い。

 だからマー国は報告を受けて、嘆願に近い依頼を送りつけてきた。


 堰き止められた水源は、その王族と古代魔道具でしか、どうにもならないと。


 レモコ本人はきっと、マフィア組織に長い間隔離されていたせいで、自身の持つ役職が特殊なものだと、気付けていない。


 ルドー達の報告の後、アルスと個別に話し、マー国王族の生き残りの可能性を慎重に伝えたが、やはりショックはかなり大きかった様子。


 アルスから十年前に起きたヨナマミヤの一件を聞いた後、一人の少女だけでなく、マー国にまで影響を及ぼしたと理解してしまったから。


 十年前の一件は、アルスの責任ではない。

 不幸が重なってしまっただけだ。


 きっとこれからアルスは、躍起になってレモコをどうにかしようとするだろう。

 ネルテはかなり注意深く、様子を見ていかなければならない。


「しかしなぜ水源をせき止めた状態で、外交なんて行っていたんだ?」


「マーでの過去の事件が原因みたいなんだよ。なんでも同様に王族が外交に赴いて不在にしていた間に、水源から大量に水を抜き取って、高値に吊り上げた貴族がいたらしくて……」


 怪訝そうに唸るボンブの指摘に、ネルテは説明を始めた。


 マー国は元々雨が降りにくい乾燥地帯、水は貴重とされていた。

 他の同盟国連盟の国より水の価格が高い地域。


 そんな国内で、水を大量に占領して、値段を更に吊り上げようとした愚かな貴族がいた。


 生活に欠かせない水、どれだけ高くなっても、生きていくには必要不可欠。

 高額料金を支払ってでも、水を手に入れる以外の選択肢がなかった。


 結果、その貴族は巨大な富を得た後、王族が戻ってくる前に、さっさと家を畳んで姿をくらましてしまった。


 残されたのは、法外な金額を支払った住民と、届かなかった水への不満。


 当時のマー国王族は、外交から戻ったらそんな危険状態になっていて、事後対応にかなり手を焼いたと、依頼状の詳細に記載されている。


「事件の影響を受けたマー国の王族は、外交の際に水源をせき止めて、同様の事件を未然に防ぐようになったと」


「外交中の水は十分確保して、問題が発生してもある程度は大丈夫なように、余裕を持たせてから赴いていたそうだよ」


「外交中に問題が発生しても、それが短期間ならまだ対処できる。しかし外交先のユランシエルの滅亡で、王族はマー国に戻って来なくなった」


「それで水源がせき止められたままの状態になってしまったのか……」


 ネルテとヘーヴの説明に、ボンブは納得しつつも、居たたまれない様に大きく首を振った。


 国内で起こった事件の詳細を見れば、マー国王族の水源への対処は仕方ない。

 事を起こした貴族がいたために、警戒しないわけにもいかなかったからだ。


 その王族が想定外に見舞われて、国に戻れなくなった。


 王族の不在に、マー国は摂政性でなんとか維持されているが、問題は水源の堰き止め方。


 なんと王族しか使えないという、古代魔道具を使って堰き止めていたのだ。


 どういった詳細で堰き止められているかまでは分からないが、これでは王族の長期不在に、国の水源を確保できない。


「隣国トルポからの支援で、水はなんとかしていたようですが、三十年も続けば、財源も圧迫します」


「しかもトルポが鉄線の一件で、王制から貴族共和制に変わった。そのゴタゴタで、水の輸送がごたついた。今はなんとか元通りになったらしいけど、これが危機感に繋がったみたいだからね」


 他国に水を依存していては、その他国に何かあった際、自国内で対処できない。

 マー国は今かなり追い詰められている。


 ただでさえ少なかった水源が堰き止められ、水が不足した影響で、農作物が育たない。

 生活水を確保するのに精いっぱいで、そういった水源まで確保できないのだ。


 結果、砂漠は広がり、作物がないせいで民は飢え、なんとか輸入して賄えているが、輸入金額もタダではない。


 税金がかなり値上がりし、国民の生活は困窮している。


 なんとか三十年耐えしのいできたマー国は、限界が近付いていた。


「そのマー国の古代魔道具を持っていたベクチニセンスも、あの一件から行方不明のままだよ」


「マフィアに合流してしまったとなると、あの魔法の能力からかなり厄介ですよ」


「あれだと一人でも大抵のことはやり切ってしまうからな」


 マー国の堰き止められた水源を確保するには、王族が古代魔道具と共に帰還して、堰き止めていたものを解除するか、行方不明の古代魔道具を破壊して、連鎖的に堰き止めているものを破壊する以外に、方法がない。


 グルアテリアにマー国、それぞれが国の事情で、エレイーネー越しに、古代魔道具を破壊できる聖剣レギアに、ルドーになんとかしてくれと、正式な依頼をしてきた形だった。


「ほんと、どっちも面倒な事をしてくれたもんだよ」


「しかし依頼された以上、動かないわけにもいきません」


「古代魔道具はどのような形であれ、放置しておくのは悪手でしかないからね。はぁ……」


 ルドー達はただでさえ、女神深教をどうにかしようと、彼らなりに動いている。

 そんな時に余計な負担にしかならい依頼は与えたくないが、問題の重要度から、依頼しないわけにもいかない。


 古代魔道具の聖剣レギアにしか出来ない案件、ルドー以外の人間に頼めないのだ。


「変われるものなら変わってやりたいんだけどなぁ」


「情報収集くらいしか、変われる部分はありません。出来る限りのことはしましょう」


「それしかないよなぁ……」


 ウガラシは瓦礫の撤去が進み、死者の追悼式の日程が決まって、ようやく事態が落ち着きつつある。


 エレイーネー内も合同訓練によって結束し、ルドー達も問題解決のために先に進もうと必死だ。


「あとはクロノ側の事情の問題だけかなぁ……」


 ネルテは呟く。


 契約魔法によって縛られていたため、クロノがなぜ変装して女神像を連続破壊していたのか、詳細を聞くことが出来なかった。


 命じられていたからやっただけだと、それだけ言い残して。


「イスレ神父にも、依頼の相手は保護出来たと伝えたけど、これじゃあなんにも分からないよねぇ」


「ほんと、契約魔法は厄介ですよ」


 話ながらも歯軋りするヘーヴに促されて、ネルテは合同訓練の報告書から取り掛かり始めた。

 女神像連続破壊事件は収束したと、ネルテ達はそう結論付けている。


 だがネルテはまだ知らない。


 ルドー達がネルテと同じように、変装していたクロノが女神像連続破壊犯であったとは知らないと。

 カイムがクロノの事情を汲んで、二人揃ってルドー達に、その説明をしていないことを。


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