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番外編・ネルテ先生の生徒観察記録.9

 ルドー達から一通りの説明を聞いた後、ネルテはヘーヴ、そしてたまたま居合わせたために情報統制に巻き込まれたボンブと共に改めてフェザーとネイバー校長に向き直っていた。


「一通り話を聞いてサクマでアリアさんとリリアさんを襲撃した犯人の人相は割れました。瘴気痘の核を植え付けるなどというおぞましい犯行も確定した今、出来れば手配に回りたいのですが、意見としてはどうでしょうか、フェザー」


『“手配だけで襲ってくるならばリンソウの手配の時点で動いているかと”』


「警戒バリバリ手配タジタジ! いつもと違うのが花丸丸特!」


「接触するのが不味い可能性があったから報告のみの撤退手配にしてたのが功を奏したって?」


 話を聞いたネルテが指摘すれば、ネイバー校長は正解とばかりにパチパチと拍手し、紙吹雪が舞って正解のピンポーンという音と背後からイエーイと謎の歓声があがる。


『“おおよそ丸特の情報が出なければ積極的に動く事はないかと推測されます”』


「クロノさんが口を滑らせた女神深教とかいう単語ですか」


「はぁ、そんな危険情報、一体いつ何をどうやって手に入れたんだか……」


 ルドー達の説明を一通り聞いて、クロノの自己再生体質や、左手に契約魔法がなされていたという初耳ばかりの情報、ネルテは心配事が増えて悩みの種が増えた。

 おおよそレペレル辺境伯に訊ねてもきっと分からない内容な上、ボンブの諦めたように首を振る様子からも、魔人族と行動を共にしていた時に手に入れた情報でもないことは明らかだった。

 リンソウで逃走した事に加えてその情報量に具体性、かなり以前からクロノは女神深教について詳しく知っていたと考えてよかった。


「目撃情報から居場所だけでも把握できれば御の字ですが、聖剣が言う通り表に出てこない相手ならばそれも厳しいでしょう。しかしその攻撃方法に、サクマの従業員が皆殺しにされた事から放置するのも危険すぎる。どうするべきでしょうか、フェザー」


『“同じように接触厳禁の即時撤退で手配する他ないかと。情報を探りたいならばかなり慎重に動かなければなりません”』


「ドキドキ秘密の個別調査! バレたら逃走聞き込み厳禁! いやん一番めんどくさいやつ!」


「一人勝手に脱走して遊び回ってる人が何言ってんですかね……」


 サクマを爆破した、瘴気痘の核を取り付けた謎の人物についての今後の対応を一通り話した結果、同盟国連盟には女神深教の単語のみ伏せて、サクマで起こった内容について事細かに示し合わせて説明する方針に固まる。

 リンソウの魔力を奪う襲撃犯に、レフォイル山脈を破壊した相手も手配したままである以上、理由もなく撤回することも難しい。

 特にサクマは一連の聖女連続誘拐の説明も含まれるため、原因究明のためにいつも以上に積極的に情報を求めるであろう被害国に、中途半端に報告を隠すこと事態が難しかった。

 それらを含めたかなりの脅威が潜んでいると分かった今、報告を渋って各国に疑心の種を撒くわけにはいかない。

 女神深教の単語は発言厳禁、その決定と今後の方針が一通り決まった後、ネルテとヘーヴとボンブは校長とフェザーを残して校長室を後にした。


「まぁなんにせよ、また逃走したとはいえクロノと会って話せたのはよかった。カイムも大分落ち着いて、顔つきもちょっと良い感じに変わったし、あれなら大丈夫だろう」


 戻ってきたカイムの様子を見たためか、ボンブは少し安心したように鼻息を鳴らした。

 ルドー達の詳しい説明を聞いて、クロノのおおよその逃走理由は把握したが、それは結果的に言えばエレイーネー教師陣の力不足も意味するだろう。

 リンソウでの失態で生徒に安全を提供出来ていないと感じたのも逃走理由の一つに入るはずだ。

 ルドー達だけではない、ネルテ達教師陣も更に安全性の強化に力を入れなければならない。

 クロノが安心して戻って来られるようにも、ライアたちの安全のためにも。


「依頼状からチュニにも報告あげないと。ヘーヴ、今回の聖女連続誘拐の実行犯は鉄線の残党とみておおよそ間違いないのかい?」


「おおよそは。ただ現場にて抗争が発生した事を考えるに、新たに集めた上に内部分裂した可能性があるかと」


「内部分裂ね、そうなるとまだかなりの数残ってることになる」


「厄介な奴らだ、捕まえても捕まえても次から次へと。まだ終わりそうにない、アーゲストにも警戒連絡を出しておく」


「はい、そちらの連絡は頼みます」


 捕まえた戦闘員たちはサクマに現れた二人組の元幹部から、鉄線の残党と見てよかった。

 ただネルテ達がルドーの依頼で現場に赴いた際に発生した抗争、残っていた残党が集まるならまだしも敵対しているならばかなりの数が逃げている事実に繋がる。

 カプセル製造の大元は叩いたものの、イシュトワール達が勝手に行った救出先行にて既に裏社会に売買されたカプセルが目撃され、廃教会にて更にカプセルを所持しているはずのコロバとナナニラの出現。

 カプセルの現物がある以上、魔人族がまた新たに魔力源として人攫いに遭う可能性を考慮しなければならない。


「それとカイム達が話していたライアたちが狙われる件についてもだ。こちらから人員を一人増やしてもいいか」


「警備のできる人員を増やすと? こちらとしてはありがたい申し出ですが、アーゲストさんはもう手一杯では?」


「アーゲストではない。防衛持久戦に向いている奴が一人いるんだ。前線向きではない為救出戦ではもっぱら拠点で回復担当していたキャビンだ」


 魔人族の救出の前線に出ていたのは、カイムとボンブとアーゲスト、そこにクロノの四人という話だった。

 それ以外の人員が居た事にネルテとヘーヴは驚くが、確かに保護して傷付いた魔人族を回復する人員は必要だろう。

 防衛持久戦に向いているというなら、確かにライアたちの傍で守らせるのは理にかなっている。


「そちらの不安もあるでしょう。対策になるならばこちらも問題ありません」


「そういえばあの子結局搬送嫌がって残ってるけど、そっちは大丈夫なのかい?」


 魔人族の話題になって、ネルテが思い出したようにボンブに確認する。

 カイム達がシマスに向かった際にカプセルから保護した頭に羽の生えた魔人族の少女、アーゲストがあの後中央魔森林の元居た場所に連れて行こうとしたが、無言で拒絶して梃子でも動かなかったため、本人の意思を尊重してそのままエレイーネーに残っている。

 年齢としてはカイム達より少し年上くらいらしく、カプセルに入れられていたこともあり魔力もそれなりに多い。


「あー、アーゲスト曰くしばらく好きにさせろと。俺にはよくわからんが、臭いはしないから悪意があってのことではないから不利益はないはずだ」


 ボンブの役職、忠犬の鼻についての詳細を聞いたヘーヴが考えるように顎に手を当てる。

 悪意を嗅ぎ分けることが出来るというその役職は今後の情報収集でもかなり役に立つはずだ。

 ただ女神深教に関しては、クロノが連中に関して悪意がないと語っため、あまり過信しない様注意するべき点でもある。


「精神面での不安が残っているかもしれませんね、回復担当の方がこちらに来るならしばらく保護科の方で一緒に様子見しましょうか」


「色々と恩に着る」


 全く困ったもんだとでもいうようにボンブはガシガシと頭をかいてネルテ達に頭を下げる。

 そのもこもことした犬のような銀色の毛皮が下を向いた為、ネルテはつい犬にするようにわしゃわしゃとその頭を撫でた。


「なっ!? お、おれは犬じゃないぞ!」


「あぁごめんごめんなんかつい撫でたくなってね、嫌だったかい?」


「い、嫌ではないが……」


 両耳を垂らして小さく鼻を鳴らし始めたボンブに、ネルテはどうにもしょんぼりした小型犬を連想する。

 二人の隣でゲホゲホとヘーヴが咳込み始めた。


「ふぅ、危機的状況とはいえメロンとイエディも魔力伝達に成功して、失敗からの自信に繋がったみたいでよかった。教室ではいつも通りに振舞っていたからメンタルケアに後れを取ってたよ、やっぱ魔力がないとダメだな色々と」


 メロンがリンソウの一件を思い悩んでいたことに、ネルテもメロンがエリンジとカイムを誘ってクバヘクソ連れ出したのだと、リリアと共に襲われて保護した際に話を聞くまで全く気付けなかった。

 焦っているのが分かりやすかったエリンジやカイムと違って、メロンは教室ではいつも通り明るく振舞っており、ネルテの魔力が無いせいか、いつもの勘が上手く働かなかったのだ。


 襲われた立場でありながら謹慎を言い渡すのはかなり心苦しかったが放置できる事態ではなく、結果からメロンが相当傷付いていたのは予想できる。

 そこから自力で立ち直って、ネルテの読み通り流れを読むことに特化して魔力の残滓を読めるようになったのは流石だ。


 ただサクマでの戦闘で初めての魔力伝達に魔力を使いきり、さらにリリアの魔力が弱まった上に古代魔道具である心理教の妨害魔法で、サクマからリリア達が転移した後そのかなり弱くなった残滓が読めなくなって追えなくなったためにまた少し自信を無くしているかもしれないので、方針が決まった今なら強化対策を提案するべきだろう。


 イエディもメロンが傷付いたことで、あれだけ仲の悪さから接触を避けていたルッツ家にわざわざ連絡するなど、自信の無さからの諦める傾向に改善が見られた。

 イエディは自信の無さから魔力量の割に魔法が上手く使えていないので、今回を機に少しずつ訓練内容を増やして様子を見ていくつもりだ。


「おや、これでクラスの半数は魔力伝達できるようになったのではないですか?」


「それにさっきの話、ゲンタイン・マデビラの心理鏡使用でルドーの内面も少し改善したみたいだし、改めて魔力伝達の授業を受けさせてもいかもしれない」


「怪我の功名ですかね。悪い事ばかりおきましたが、前進できる部分も見つかって幸いです」


 ゲンタイン・マデビラに心理鏡を使われたことにより、少なくともルドーがリリアを無意識に拒絶することはもうないだろうと実際に目撃したエリンジから説明を受けた。

 魔力暴走の件についてはまだ原因不明な部分がほとんどだが、少なくともリリアと魔力伝達の可能性があるならば、そこからエリンジに魔力伝達を発展させて更に魔力の補充に期待が持てるかもしれない。

 なにより古代魔道具の無尽蔵の魔力で補充出来ればかつての威力を出せるかもしれないが、女神深教に対して消極的な聖剣が魔力伝達にどこまで協力してくれるか、そこが問題になりそうだ。


「それよりネルテ、他にも勝手に救出に動いていた生徒がいたんじゃありませんか?」


「あーそっちも罰則受けさせないとだな……」


「それなら見せしめに厳しめに罰則入れろやぁ。こっちの有望株引っ張り込んで、そちらさんどう落とし前つけるつもりだ?」


 ドスの効いた声が廊下の先から聞こえてネルテ達三人がそちらを向けば、黒い大きなサングラスをかけた、黒髪を後ろに撫で上げて横に刈り込みのある、口ひげを短く生やしたどう見てもヤクザ風の様相をした黒スーツの男が、ポケットに手を突っ込んだまま大股でこちらに歩いてきている所だった。

 こめかみ辺りがピクピクと青筋を立てており、明らかに機嫌が悪い様相でネルテ達を睨み付けてきている。


「一体どういう指導してんだ一年、何人勝手な行動させりゃあ気が済むってんだぁ?」


「……弁明のしようもないよ、タナンタ」


 当然の指摘にネルテが沈痛に視線を下に向ける。

 魔法科三年、イシュトワールの担任タナンタが、静かな怒りの形相でこちらに糾弾しに来ていた。


「しっかり焼き入れとけ、さもなきゃまた同じ行動するチンピラが後を絶たなくなる。毎回毎回そっちの生徒の尻拭いにこっちの生徒巻き込まれるなんざ御免だ」


「肝に銘じておくよ」


「こちらの監督不行き届きです。申し訳ありません」


 ヘーヴと二人、ネルテはタナンタに向かって頭を下げる。

 頭を下げた二人に、渋々留飲を下げるようにタナンタが大きく息を吐いた。


「妹の件もあるだろうがな、家庭内の問題持ち込まれて私情に走るんじゃまだまだ半人前だ。いいか、次はねぇぞ一年。こっちはあくまで協力してる立場だって事忘れるな」


 一瞥するように睨み付けてきたタナンタに、ネルテは頭を下げたまままた謝罪の言葉を重ねた。

 今回はあくまでクロノが関連していた出来事で、イシュトワールも妹関連で放置できないと勝手に動いたという形で、情状酌量の余地があっての二週間の謹慎に落ち着いているのだ。

 自主的に動いたのはイシュトワール本人ではあるが、相談して巻き込んだのはネルテの担当する生徒であるルドー達に変わりはない。

 将来を期待されているイシュトワールの経歴に傷が付く可能性もあった。

 生徒を心配するタナンタからの苦言は当然のこととしてネルテは受け入れなければならない。


「……変な相手が次々出てきて全体で対応しなきゃならねぇって時にあんまり輪を乱すような真似してんな。罰則に悩んでんならこっちに貸しな、焼き入れてやる」


「えっと……こっちが迷惑かけているのにさらにそれだと仕事の負担増やしてないかい?」


 突然のタナンタの申し出に、頭をあげたネルテは困惑するように答える。

 そんなネルテの反応にタナンタの黒いサングラスの奥が怪しく光っていた。


「こっちは力が付いて調子に乗り始める三年の相手してんだ、一年坊主なんざ相手にならねぇさ」


「……素直に魔力が無くなって対応心配だから手を貸してやるって言えばいいのでは?」


 タナンタの背後から、水色のグラデーションの入った金の装飾がされている紐付き四角メガネのひょろ長の男性が顔を出す。

 頭頂が青黒、頭下部が青銀の特徴的な髪に、眼鏡の奥に若干の隈がある、動きやすそうな暗めの色合いのフード付きレザーコートを着た男。

 三年護衛科担任ラナムパ・ソプキンがやれやれと眼鏡に指を掛けながら言えば、途端にタナンタが怒りの形相でまき散らし始めた。


「誰が心配だゴラァ! 舐めてんのかその口潰すぞ!」


「うわぁ五月蠅いです! 耳元で大声出さないでくださいってあぁ聞こえなくなる!」


 その場全体に残響して轟くようなタナンタの大声に、全員が耳を押さえても耳鳴りし始める。

 窓が今にも割れそうなほど震えてピシリとヒビが入った。

 真横でその怒声を聞いたラナムパは両耳に指を突っ込んで青い顔をして震える。

 ボンブがその姿のせいか耳がよく聞こえるようで、かなりダメージが入ったように両耳を強く抑えながらその場に蹲り始めた。

 ネルテとヘーヴがタナンタの大声に耳を押さえながらも困惑の視線を向け続けたので、同じく耳に指を突っ込んだままのラナムパが青い顔をしたままタナンタの声量に負けないよう大声を出して答え始める。


「校長から今後は学年超えて協力しなさいってさっき強制通達入ったんですよ! だから最近被害が一番ひどい一年にとりあえず様子見しに行くって言っていたのはそっちじゃないですかタナンタ! なんで脅し入れて変に委縮させてるんですかって!」


「生徒に舐められていい事なんかありゃしねぇんだよ! 焼き入れてやるって言ってんだよ、オラさっさと連れて来い!」


「五月蠅いですってだから! 声抑えて声抑えて!!!」


 タナンタの余りの声量に、とうとう窓がバリンバリンと次々割れ始めた。

 ビリビリと空気を震わせるほどの声量の衝撃に、ネルテとヘーヴも耳を押さえたままキンキンと頭痛がし始め、ボンブが床の上で身を縮めてまるで小型犬のように助けを求めてキュンキュン声を上げ始める。


「五月蠅すぎて動けなくなりますってだから! こっちも報告あって来たんですから一旦抑えてくださいって!」


「最初からそう言えやぁ! 舐めてんじゃねぇぞ!」


「舐めてませんってばだから!」


 タナンタ以外の全員が耳を押さえたまま落ち着くまでしばらくかかった。

 タナンタが一人腕組みをして指を叩きながら大人しく待つ中、流石に同学年担任の付き合いでそれなりに慣れているのか、一番最初に息切れしながら復活したラナムパが四角眼鏡を押さえつつ話し始める。


「サクマ周辺の逃走した裏組織の人間の収容を全て確認。同様に今回のマー国マデビラ領での人身売買に加担した全員を調査し、やはり鉄線が裏で動いていた確認が取れました。さらに言えば今回動いていたのはあくまで末端、殲滅戦以前よりかなりの規模に膨れ上がっていることが予想されたため全面警戒するように連盟に通達を出したところです」


「殲滅戦前より増えただと?」


 床の上に伏せてうずくまっていたボンブが聞き捨てならないと唸るような声を上げる。

 ようやく耳鳴りが落ち着いてきたネルテとヘーヴも耳から手を放しながら厳しい表情でラナムパに向き合い、タナンタから大きく息が漏れた。


「上が変わった影響です。どうやら以前の鉄線の頭ウチクは、組織を一定以上大きくしない様に制限を掛けていたようです。その頭がいなくなって組織が一新したか分裂したか、とにかく形態が変わったために制限が無くなって人数をどんどん増やしている傾向がみられました」


「それで今回の大規模聖女連続誘拐ですか。組織が一度壊滅したにしては規模が大きすぎて疑問に思っていましたが、かなり厄介なことになりましたね」


「悪い事ばかりじゃないだろうさ、組織がでかくなりゃでかくなるほど、その尻尾は掴みやすくなる。少人数で裏に回って動かれるよりは動きが読みやすくはなる」


「正体不明の襲撃者連中に鉄線の再来か、やることが山積みになったもんだね」


「だから使えるもんは片っ端から使うべきって話だ、輪を乱してる場合じゃないんだ。さっさとその罰則者ども連れてこい、きつーく焼き入れてやるからよ」


 腕を組んだまま怪しく笑うタナンタの黒いサングラスの奥が怪しく光り続けている。

 ネルテがヘーヴに視線を投げれば、一任するというように頷いて返された。

 救出の為とはいえ、流石に何度も報告もなしに勝手に先行され続けてはこの非常事態に対する影響が大きすぎる。

 看過できないと判断したネルテは、フランゲルとヘルシュとウォポンの罰則をタナンタに任せる決断を下した。


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