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奇妙な起床

作者: 真波

興味を持ってくださりありがとうございます。

私はどうしようもなく何か書かずにはいられない人間ですが、書いたものを誰かに読んでもらえることはやはり嬉しいものです。良ければ楽しんでいってください。

 朝、布団の上で目を覚ました。目を覚ましたからと言って目を開ける必要は無いため、目は開けない。


 この世界で私が目を覚ましたことを知っているのは私だけで、誰かがこの部屋に入ってきたとしても、私のことは眠っている人間だと見做すだろう。


 私はそのまま、目を開ける。布団に両手をついて、ゆっくりと身体を起こし、尻を滑らし、ベッドの外に出た足を床につけ、立ち上がる。


 歩いて、足の裏が朝の冷たい床をゆっくりと蹴っていく感覚が妙に楽しくて、身体の健康を快く感じ、このまま蹴り続けることで人生を快楽で埋め尽くすことはできまいかと考え、快楽の持続力の無さを嘆くまでもなくそんな考えは切り捨てる。


 だって、私は洗面所についたから。


 顔を洗う。水道水から飛び出してくる水を両手を椀のようにして受け止め、それを自分の顔に浴びせる。


 その水は冷たくてさっぱりした感じがして、本当に快い。こうして死ぬまで水道水を顔に浴びせ続けることで、私を幸福の中に閉じ込め続けることはできまいかと思案するが、やはり快楽に持続力は期待できない。幸福は閉鎖的だ。


 もちろん私は、まだ往生際悪く、枕の上で目を閉じている。

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