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第6話 無防備な私を包み込む、彼の仕草

"Don’t worry. I’ll take care of you tonight."


その言葉に安心して目を閉じようとした瞬間、彼がそっと手を繋いできた。

指先に感じる温かさと、微かに伝わる彼の鼓動。

「ねぇ、君は今、何を考えてる?」

言葉にしようとしたそのとき、彼がさらに私に近づいてきて――



そっとおでこにキスをした。



おでこにキスをするのは、日本では「深い愛情」「相手を愛おしく思う気持ち」の象徴だと聞いたことがある。

その瞬間感じたのは、胸を締め付けるようなドキドキではなく、ただただ心の奥からじんわりと広がる安らぎだった。

「惹かれている」と言ってくれた人の前でこんな無防備な状態で襲われてもおかしくないのに彼は何もしてこなかった。

申し訳なさの気持ちと同時に「ありがとう」「好き」って思った。

元カノさんのことが心の中に引っかかっていて、私は彼を完全には信じられなかった。

好きになりたいのに、踏み出せない気持ち。

でも、この瞬間、全てがどうでもよくなった。


彼のことが好き。


その気持ちがはっきり分かったのであれば、もうその気持ちのまま進もう。

「ありがとう」って心の中で呟きながら、彼に少しだけ近づいて、その胸に顔をうずめた。

彼の心音が、私の心を包み込むように響いていた。



途中私が起きた時も彼が起きて寝たままスポーツドリンクを飲ませてくれた。

でもこぼれてしまった。

「あっ、ごめん……!」

すると彼が口に含んで口移しで飲ませてきた。

「ゴクゴク...」

「ハァ...」

もう一口

「ゴクゴク...」

「ハァ...」



翌朝、7時過ぎに目を覚ますと、頭がまだ少しぼんやりしていた。

隣では彼がスヤスヤと眠っている。

テーブルの上には、彼が用意してくれていたスポーツドリンクが3本置いてあった。

「はぁ。昨日は本当に飲みすぎた…。お酒飲んでサウナなんて、もう二度としない。」

当たり前のことなのに、心の中でそう誓った。


彼が少し後に目を覚ます。

"Good morning. You feel ok?"

"Still a bit tipsy."

"You want to eat something??"

"Yeah, maybe by eating something, I feel better."

"You want to eat sushi??"

"Sure"

そして彼はお寿司をオーダーして、レストランに取りに行ってくれた。


こんな酔った状態で申し訳ない、、、。ありがとう。

容姿大丈夫かな?!彼がいない間にiPhoneで確認してリップを塗った。

やがて彼が帰ってきて、優しい笑顔でお寿司を渡してくれた。


「ありがとう、本当にごめんね。昨日は情けないところを見せちゃった…」

彼はくすっと笑いながら言った。

「君のそんな姿を見たの、初めてだった。」

そして彼と一緒にお部屋でお寿司を食べた。



好き...


その一言が心に浮かんだ。

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