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思わぬ展開

学園生活に慣れてきた3日目の昼休み。あいも変わらず王子はマリアに付きまとっていた。



「マリア!課題の宿題終わったか?」


「はい、もちろんですわ!」



「そうか!よかった!でも、忘れたらいつでも俺に写させてほしいと言っていいんだぞ?」


「そんな日はきません。」



前前世の影響からか王子には冷たかくあたってしまう。なんたってこいつは私を捨ててかなでと付き合ったのだから!


「こないだ贈った紅茶はどうだった?」


おいしかったと伝えると王子は喜びの笑をうかべる。


「昼食はここでとるか?それとも教室?俺はどこでもいいぞ!」


「ここで1人で食べますわ!ほら、私などより、あちらに先客がいらっしゃいますわよ?」


マリアが顔を向けたほうにはかなでがいた。


「……あー、またあいつか。」


「?また?」


「昨日も俺につきまとってきたんだ。俺にはマリアしか居ないって言うのに……嫌になるよ。」


こんなに王子に愛される日が来ようとは思ってもいなかった。


「一緒に昼食でもなさったらどうですの?」


「俺はマリアと食べたいんだ!」


王子はここ3日、料理長を呼んでいつも豪華な食事を振舞ってくれていた。以前なら断る理由などなかった。だが、今は違う。ツェペシュに出会って彼に心惹かれたのだ。彼しか私の心にはいないはずだった。なのに……


「マリア、ほら、あーん!」


「自分で食べれます!」


王子に優しくされてマリアは自分が誰を好きなのかわからなくなっていた。

かなでが歩いてくる。


「マリア様!お許しください!」


「はい?」


また演技だ。かなでは持っていたお弁当をあけた。


「これを、差し上げますからこれ以上私をいじめないでくださいませ。」


「はい?」

「?」


またかなでの嘘話がはじまったのである。


「王子様、わた、私、マリア様に虐められておりますの!私のお弁当を差し出せとさっき言われて……」


「!」


王子は目を丸くした。それもそのはずである。だって……


「……なんと卑劣な!」


「はい、そうでございましょう?でもマリア様をせめな…」


「お前の事だ!マリアは朝から今まで俺の傍を離れなかった!」


逆、逆、それ逆だから!

突っ込みたい心をおさえる。


「え?」


「お前はマリアを陥れる為にここにいるのか?!ゆるさん!!お前をこの学園から追放してやる!」


えーーーー?!


「えーーーー?!」


その場にいた全員が驚きを隠せなかった。


「王子、私は気にしておりませんわ!ですからどうかお許しを……」


なんで私がフォローしなくてはならないのかしら。と、マリアは悲しくなった。


だが、王子の怒りは収まらない。この人1度決めると、とことんやる人だからなぁ……本当に(実体験による)。


そうしてかなでは学園から追い出されてしまった。


「あの、なにも追い出さなくても……」


「マリア!お前は甘すぎる!いいか?お前は俺の嫁なのだ!我が嫁は次期王妃なのだぞ!次期王妃に楯突くものはタダではおかん!」


「……」


なにも言えなかった。庇うギリもないし、こう決めてしまった王子はとめられなかった。かなでは門の前で泣き崩れるのだった。

私もこんな事になるとはしらなかったわと、マリアはそれを見ていることしかできなかった。


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