第2幕の舞台
「!」
目が覚めるとそこは、またベッドの上である。
「お嬢様!おはようございます!」
「?お嬢様?」
見覚えのある部屋にいた。ここは、公爵令嬢時代の部屋である。
「……できた!転生できた!」
そういうとマリアは走って森まで行こうとする。それは使用人に停められた。
「お嬢様!どこへ行かれるのですか?もうすぐピアノのお時間ですわよ!」
「そんなの行ってる暇なんて、なっ!」
そうだ!今はまだ、自分は幼女なのである。ここからかなでが転生してくるまでは時間があった。
「やらなきゃっ!」
「お嬢様?」
かなでを今度こそ、倒さないと!もう、同じ悲しみを繰り返さないように!!マリアは心に固く
そう誓った。
マリアはまず、王子との関係を穏便に終わらせる為に動くことにした。
「マリア、お前から俺に会いたいなんて珍しいな。」
「はい、今日はお伝えしたいことがございますの。」
「伝えたいこと?なんだ?」
「貴方との婚約を破棄させていただきたいのです!」
「はぁ?!」
王子はもちろん、その場にいた使用人達も驚いた。
「お嬢様!何をおっしゃるのですか?!そのような事勝手に…」
「もう決めたのです!では、ご機嫌よう!」
そう言って去ってゆく。
「マリア……」
王子はマリアの背中を見つめる。
そう、これでいいわ。これで、王子との関係は終わり!私はツェペシュの元へ行ける!
そう思っていたのに、……
「マリア!」
王子はマリアを呼び止めた。
「なんですの?」
「本気なのか?」
「ええ、本気ですわ!」
「……この俺をふるなんて…」
「はい?」
「認めないぞ!!マリア!お前は俺の許嫁だ!」
はいぃ?!
何故ここでそんな展開になるのだろう?訳が分からない!
「困ります!私はっ…」
「お前如きが俺をふっていいはずがない!」
「はぁ?!」
呆れてものも言えない。そんな理由で付きまとわれても困る。
「いいですの?私よりきっと素敵な方が現れます!ですから…」
「お前は俺のものだ!」
そう言って王子はマリアを抱きしめる。
気持ち悪い、嫌だ!
マリアは王子を突き飛ばした。
「っ!?」
「っ!もう関わらないでください!!」
「マリアっ!」
こうして上がった第2幕は波乱の展開から始まった。