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チート姫  作者: 木苺
     道中
8/70

ウィリアムの事情 召喚

(1/6)


毎日毎日 会議 会議 書類書類

 いくさに勝利してまだ半年もたたぬ王であるウィリアムの日常は忙しい。


そもそも海千山千のたぬきどもに囲まれ 王の元へと送られてくる報告が全くあてにならない。

自分で選んだ密偵・部下からの知らせとつきあわせて判断していくしかない状況だ。


今日も今日とて・・


私は神子召喚などという儀式を(おこな)うことに反対していた。

それは異世界からの誘拐にほかならないのではないか?と。


すると神官どもは 神のご意思を否定するのかと騒ぎ立てた。


「召喚の儀式には 多大な魔力を必要とし、大地の荒廃をもたらす。

 それゆえ これは単なる魔術であって 神意とは無関係とすでに結論がでているではないか!」


「しかし そのように言い立てた者たちはすでに没落している

 これぞ神罰のあらわれぞ」


「何を言うか!」

教会勢力も貴族たちも入り乱れての論戦だ。


なにしろ 神子と呼ばれる異世界人が強いということ以外 何もわかっていないのが実情だ。

異世界人は強い。しかし それが善人かと言えばそうでもない。


ようは 異世界人を敵に対する武器として使いこなしたり

己の権威を増すための道具として使いこなした者が この世の覇者(はしゃ)となる

それだけのことだ。


その(みの)りのない会議の最中に届いた知らせ、

それは神聖都市ゴーリアで 今夜神子召喚儀式が行われるらしいということだ。

黒幕は政商ゴーエン


普通にで馬車で移動すれば1日の距離のところを 早駆(はやが)けして何度も馬を変えて

深夜の儀式にぎりぎり滑り込むことができた。


といっても 召喚の間と呼ばれる 神子出現の部屋に入るのがまにあっただけで 儀式を止めることはできなかった。



目の前に裸の女が出てきたときにはほんとに驚いた。


そもそも この召喚の儀式は、女が出てくるか 荒くれ者が出てくるか

魔物が出てくるか判然としないのである。

 神子として祭り上げることのできる乙女が出てきたときだけ『神子降臨』と民衆に発表する。

 それ以外の時は 闇から闇へである。


だからこそ おれは神子召喚の儀式に反対していた。

神官のメサイアが、遠回しにゴーエン一派をそそのかしながら

表向きは何も知らない風を装っていたのも これが理由だ。


一方魔術師どもにとっては 神子召喚に関する仕事が最大の金づると言っても良い。

今では 人の生活に役立つ魔法使いはほとんどおらず、

金で動く魔術師がうごめいていると言っても良い。



俺の力はまだまだ弱い。特に教会勢力に対しては。


だから 教会勢力に属する魔術師どもが 召喚の儀式でくたばってくれれば好都合。

こちらの期待通り魔物でも召喚されてくれれば

それを機に教会勢力を叩き潰してやろうとも思っていた。


にもかかわらず 出てきたのは若い女の裸体 しかも美しい!

 サキュバスか?変化(へんげ)した魔物か?


あまりに美しい顔立ちと初々(ういうい)しい裸身に惹きつけられ、触れたいという欲望を抑えきれなかった。


それにしても・・・えらく口の悪い女のようだ。

※ 本日 夜8時に2回目の投稿をします

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