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チート姫  作者: 木苺
     水!
68/70

水の循環をもたらす雲・大気の循環をもたらす風

(3/5)



雨降らし2

「これぞ海外旅行」

陸の生き物の気配のない海岸に立ってローズはつぶやいた。


気合を入れて 雲のイメージを浮かべながら命名する。

「積乱」「乱層」「巻雲」「巻積雲」「高層」「層積」「積雲」「層雲」

「高積雲」「巻積雲」


海から蒸発する水達が 雲の精となって形をあらわにした。


「久しぶりに見る雲だ」ポセイドンはうれし気に波をたてた。


次に北の凍った海(氷原)に立ってつぶやいた。

 「極循環」「偏東風」


冷帯に移動してつぶやく

「フェレル循環」「偏西風」


温帯では

「ハドレ―循環」「貿易風」


 海上まで進んで「モンスーン」「台風」と叫ぶ


海面からは もくもくと水蒸気が立ち上り、風が生まれた。


さらに大洋の中心部まで進んで、そこで大量の真水を集めた。

その結果、塩分濃度の上がった海水が どーんと沈み込んで海流が生じたが

それが海洋の循環につながるのか、ただの一時的なうねりになるのかはローズにはわからなかった。


というわけで 海の上では かなり大気が賑やかな状態になった。


次にローズは 大陸の真ん中に移動して、窪地にどーんと真水をぶちまけた。


さらにあちこちの海に移動しては 海中から真水を集めて、大陸の死火山の火口に水を入れたり、かつて湖や川であっただろう窪地や峡谷に水をぶちまけ、

その都度、風たちの入った袋をあけて 「自由に旅だて・自然に恵みをもたらし、生き物には公平に接して、特定の種族に肩入れするな」と叫んだ。


風の精霊達は 特別な名前をもらえなかったことにがっかりしながらも、あちこちの水場に散らばって行った。


最後にナイアードの泉に戻ったローズは、ナイアードに尋ねた。

「この泉に流れ込む水脈はすべて枯れ果ててているので、あなたはひっこしますか?」


「泉とともに私の存在が消え去るのを待つよりも、水蒸気となって この地で人生をやり直す方を選びます。」ナイアードは答えた。


「ならば 私は 水蒸気を運ぶ風となって、あなたたとともに人生をやり直したい」風の王ビューは、ナイアードに手を伸ばした。


「お幸せに」ローズは 二人に祝福を送り、「雨雲」とつぶやいた。

水の精霊ナイアードと風の王ビューは 雨雲となって ヒロポン国に恵みの雨をもたらした。

(参考)


塩のさじ加減で決まる海洋大循環

  http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/readings/2010/ohshima_ice-ocean01.html


武田康男「楽しい気象観察図鑑」草思社 2005年 1900円

 たしか 草思社はつぶれたと思うので 今は入手できるかどうか不明

 思想色の濃い草思社でしたが、この本は純粋に科学的かつ親しみやすい 写真豊富な解説本です

 ある意味 空の写真集として眺めて楽しい本です


監修木原実

「気象のしくみ 天気図の見方・四季の変化がわかる気象歳時記カレンダーつき」主婦の友社 H21年


 中高生の学習参考書として最適

 当時さぼっていた学習内容をおさらいしたい大人にもぴったり


(感想)

・天気、気象、大気の循環、水の循環というのは、局地的なデータと大局的な見立ての両方が必要なので 奥が深すぎて、思った以上に書きにくかったです。


 まして 海洋の循環って 今現在進行中の 予算の取れない研究領域(しかも政治的に横やりの入りやすい領域で すぐに軍事データとしてマル秘にされるから 古本屋とジャーナルの両方をあさる根性が居る領域で めんどくさすぎます>< 忘却と資料の保管場所との戦いまでくっついてくるから)


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