国王が護衛?
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ぐったりとソファに沈み込んでいたら、扉をドンドンたたく音がした。
反射的に立ち上がって言った。「どなた?」
「ヒロポン国王 ウィリアムだ」
どうしようかと迷いつつ壁にはりついていると
「万能侍女の手配がつかん。代わりに当面俺が お前の護衛を務める。
俺だけで不足なら 俺の不足を補える侍女を探してつれてこよう」
扉の外から声が響く。
「王様が護衛? 王様は護衛される存在なのでは?」
「今のところ 安心して任せられる護衛は俺しかおらん」
「裸の女性に服も着せかけずに 肩をつかんで揺さぶりのぞき込むような非常識な方を室内に入れることはできません」
「すまぬ。あの時点では そなたが人間かどうかもわからなかったゆえ」
「種族を問わず 人型の存在が裸で倒れていれば 服をかぶせてから呼び起こすくらいのいたわりの心も思いやりの心も持ち合わせぬ人とは 関わりたくありません」
「私は独身だ。責任をとって結婚しよう」
「お断りします。いったい女性を何だと思っているのですか!!」
「わかった。だったら普通の侍女を手配する。
護衛はできずとも 気立ての良い有能な侍女を探すゆえそれで我慢して欲しい」
「わかりました。しばらく一人で過ごしたいので、食事ができたら それを持たせて侍女さんをよこしてください。」
扉の外で 何やら物音がして、いきなり扉を開けて 割り込むように女が入ってきた
「失礼します。
私が メサイア様のお指図で参りました侍女でございます」
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