ウィリアムとポセイドン
チグリスは、ウィリアムに向かって
「この子を傷つけることは許さん。
お前たちの話は 我ら水の者に筒抜けと思え」と言いおき
ヒョウタンの中にスッと戻った。
ウィリアムには まるで チグリスが水となってローズに吸い込まれたように見えた。
というのも ローズは杖も刀も空間収納していたからだ。
「えーと ずいぶん夜遅いけど このまま話し続けますか?
明日にしますか?
私は もう眠いけど がんばって話し続けることはできると思う。
そして 明日というか 今日の昼間もずっと眠るつもりだけど
ウィリアムは お仕事大丈夫?」ローズ
「俺は このままでは疑問が多すぎて眠れんよ。
徹夜には 慣れているから大丈夫だ」
「そう。
じゃ あなたから話をどうぞ」
「おまえ 失礼 あなたは ポセイドンと私との関係について何を知りたい?」
「今は 知識欲よりも 眠気先行。
そうねえ 詳しい状況がわかるまでは あなた以外の人の前では
見なかった・聞かなかった・知らなかった・お応えできる立場にありません、で通せばいいのかな?」
「そうしてもらえると 助かる。・・・
あー さきほどは 悪かった。
私自身 ポセイドンと契約をしたのは かなり前で
誰にも相談することなく契約をして、その後ずっと沈黙を守っていたから、カゲが言った契約に伴う注意事項を知らなかったのだ。
それで あなたが水の精霊と契約したことを カゲ達の前で言ってしまって悪かった」ウィリアム
「その件についても あとで 二人で検討しましょう。
謝罪は受け入れます。
でも 今は 何が秘密で 何をオープンとか すぐには把握できない」ローズ
「そんなに眠いのなら・・お休み
この続きは お前の頭がはっきりしてからにしよう」
ウィリアムは 心中の思いを抑えて 階下の自分のベットへと移動した。もちろん 内階段を使って。
(彼としては 自分のへそに触ったローズの感想も聞きたかったのだが)
ローズは ウィリアムが4階の休憩室に入ったのを確認してから
内階段の4階側と5階側両方の内鍵をがっちりとかけた。
その音を聞いて ウィリアムはげんなりとした。
あいかわらず 警戒されているなと。




