ウィリアムの事情:くつろぎの場を求めて
ローズが マルレーンと研修旅行に出かけている間のウィリアム
ローズがいないと 上階の部屋を自由に使える。
毎日 のんびりと入浴出来るのが何よりもうれしい。
広いベットで 思いっきり体を伸ばして悠々と寝たかったが、
ローズの寝室のベットを使うことは、エドガーに止められた。
「ローズ様の信頼を裏切ってはなりません。
ローズ様が 決して寝室には入ってくれるなと必死で願っていたことは御存じでしょう?」
「あれは 単に 覗かれるのが嫌だっただけではないのか?」
「ウマイイによりますと、彼の娘たちは、自分達の部屋に父親が入ることも拒むそうです。
それが乙女心だとフクフクも言っているそうです。
ローズ様は フクフクの娘たち齢も近いし、気持ち的には同じなのではありませんか?」
影の長まで エドガーに加勢した。
(実のところ ローズとウィリアムの居住問題がきっかけとなって
影の者達は 乙女心について本格的に情報を集めて研究を始めたのだった。)
「そもそも ウィリアムだって 王子のころはご自分の部屋に人が入るのを嫌がっていたではありませんか」ズーム
「そうだったか?」ウィリアム
「今だって 4階には 限られた者しか入室をお許しにはならないでしょう」ズーム
「それとこれとは違う」ウィリアム
「じゃあ ご自分の留守中に ローズ様が御自分の部屋を好き勝手に使ったらどんな気がします?」エドガー
「うーむ・・・どうせ来るなら俺のいるときに来ればいいのに・・
というか 不在中に何か仕掛けをされていないか、持ち出されていないかの点検が面倒だな」ウィリアム
「ローズ様も同じだと思いますよ」エドガー
「ムム 警戒心が残っているのはお互い様ということか。
しかしなぁ ローズが使っているあの寝台、惜しいことをしたな。
平時くらい 贅沢なベッドでゆっくりしたいわ!」ウィリアム
「ご自分の拠点を 安易に 人に貸すからこういうことになるのです」影の長&ズーム
「そもそも もっと素直に こちらの言うとおりに動くと思っていたのだ!」ウィリアム
「女子と思って 見くびるからこういうことになるのです。
一つ賢くなられましたな」影の長
「それでも 思惑違いだったからと言って
一転して力押しに転じることなく、紳士を貫く姿勢だけは
素晴らしいと思います」エドガー
「当り前だ! 俺は 新しい時代の王となるのだから!!」ウィリアム
「では ベッドはあきらめてください」
「ベッドも惜しいが
一人寝にもあきた。
一人寝はしかたがないとしても
今ローズが使っているような居心地の良い寝室が欲しくなってきた」ウィリアム
「いいですか、5階をローズ様の居室だと言ったのは、ウィリアム あなたなんですよ。
今更 返しての欲しいというくらいなら、4階を居心地よく改装すればいいじゃないですか。
ベッドだって ご希望に添うものをものを探しましょう。」
エドガーに念押しされたウィリアムは、とりあえずローズの留守中は、5階での入浴とDKでの食事を楽しむことにした。
なぜなら 4階を改装する間 自分はどこで寝泊まりすればよいのか?と考えるのも面倒だったから。
(ウィリアムとローズの警備に関してだけは、人員ギリギリですべてを回している現状で
改装中の警備?と思っただけで げんなりだ。)
一方 影の者達は、ローズが使っているダブルベットと 今現在ウィリアムが使っているシングルベッドを入れ替えてはどうか?と考えていた。
どうやら ウィリアムは ベッドの質よりも ベッドの幅にこだわっているようだというのが
ズーム達の見立てであった。
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