格闘の練習
(楽しき日々 3/9)
影の長が教える格闘術は、少林拳と古武道であった。
少林拳は 右利き左利きの区別なく 両手両足を同じように使いこなし
こぶしも刀も昆も 同じ型に乗せて使いこなすので ローズにとっては大好きな格闘術であった。
しかも ボクシングやレスリングのように、顔や腹を殴られたり 閉め技をかけられるリスクが少ないのも気に入っている。
もちろん 本格的な少林拳は筋肉を鍛えて 少々殴られても切りつけられても 筋肉をきゅっとひきしめて体が傷つきにくいようにするらしいとは聞いたことがある。
嘘かほんとか知らないが。
さらにまた 相手の体に飛び乗って 足で首を絞める技は映画ではよく出てくる。
だが長がローズに教える少林拳風格闘術は 切りつけられない・殴られないようによける練習が徹底していた。
それこそ 回転木や吊り具がブンブンしている中を当たらないようによけて通る練習も!
これって カンフー系の映画の中にもあったかな? うーんよく覚えてないけど・・・
ズームや彼のお仲間(=影)が 激しく突きや蹴りをかましてくるのをよけながら、こちも突きや蹴りを入れていくポイント戦もあった。
お互い こぶしやひじ・ひざ・足先などに粉をはたきつけ、試合終了後に
各自の体についた粉が示す あたった個所を確かめるのである。
これはもう 反射神経と素早さを競い合うようなものだから 何も考えずに動き回るのが
ローズの性にあった。
一方 古武道の型に通じる護身術=相手の攻撃に対する返し技は しんねりむっつり型稽古の繰り返しだ。
この練習の時にはエドガーも参加させられ、互いに技の掛け合いをした。
用は ローズよりも 体の大きいがっしりとした体格の人間に襲われた時を想定しての稽古である。
早朝の基礎コースが終わってからの、影達との集団稽古は夕方が多かったので、ローズは午前中の一人稽古の時には、 バーに足を引っかけての腹筋 腰を直角に曲げての懸垂など 主に自重筋トレ系を行った。
エドガーを肩車したり抱えてのダッシュや階段上り訓練もやりたかったのだが断られたので
荷運びの手伝いをして体を鍛えたいと申し出たら ウィリアムから盛大にため息をつかれた。
とりあえず 朝晩 「はっ! は は!」と掛け声をかけて 突きや蹴りの型稽古を行い
室内で棍の稽古は無理なので 縄跳びや高速もも揚げ(アメフトの練習でよくやるやつ)を行った。
ウィリアムには 槍と三棍と棒術も練習したい、ボルタリングや機械体操をやりたいとねだっておいた。
ボルタリングについては 長が興味を示し、その競技内容を詳しく説明すると
敷地が用意され、体育館&ボルタリング練習場を自分で作れと言われた。
だから 土魔法を使って ボルタリング用壁面つきの 一部吹き抜けつきの3階建ての体育館を作った。
強度 大丈夫かしらん??