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チート姫  作者: 木苺
     王宮到着・妖精との出会い♬
17/70

泡ぶろサイコー

(4/11)

エドガーを送り出し ほっとしたローズは、岡持ちをキッチンのテーブルまで運んだ。


ソファに置きっぱなしの毛皮のコートが気になったが

とりあえず (つか)()のお一人様タイムを自分の身づくろいに()てることにした。


だって ずっと緊張のしっぱなしだったから。

 途中 へたって居眠りもしてしまったが・・

 見知らぬ人に囲まれて気を張り詰めていたのも確か。



先ほどエドガーと各室を見て回った時に 浴室・洗面・トイレの窓は自由に開け放ってよいと言われていた。


その時、浴室の窓の外を見ても 同じ高さの建物はなかった。

窓から身をのり出して見回してみたが、東側の壁面には外階段や梯子もなく ひさしすらなかった。

 さすがに空を飛びながら覗きをしたり

 隠ぺい魔法で建物が隠されていて、そっから覗かれるとかなんてことはないらしい。


最初は笑いながらその質問に答えていたエドガ―だったが、

最後はまじめな声で「今後もそのようなことがおきぬよう しっかりと周辺警備に努めます」と言われたのには参った。


つまり 今までは大丈夫だったが 今後そういうことが起きぬと保証はできぬほど

ぶっそうな所なんだろうか?



とりあえず 浴室の窓を開け放った。

 この世界に来てから ガラス窓を見たことがない。

 いつも 建物や馬車の中に閉じ込められていたので

 窓をあけて 青空を見ただけでほっとした。


 朝方と違って今は外の空気が気もちよかった。

 暑からず寒からずだ。



浴槽にはカランがついていた。

ひねると水が出た。

 湯を出す方法がわからなかったので 試しに「40度の湯」と唱えると 本当に蛇口から40度の湯が出たのには驚いた!


洗面台の横の窓もあけた。


とりあえず服を脱ぎ 顔をしっかりと洗い ついでに歯を磨いた。


鏡に映るわが姿を見れば しっかり15・6歳の少女に見えるのだが

この私が12歳くらいって この国の女性は早熟なのか?

 それとも 強引にそういう設定したのか?

 設定理由は すでに説明を受けたのだけど・・

 それにあわせて 私はどうふるまえばいいのだ?

 子供っぽく? それとも 私は私で押しとおせばいいの?

 よくわからん。


ちなみに 私にここに来る前の記憶はない

いろいろな生活の記憶はあるのだが、個人情報がらみのことがスポッと抜け落ちている。

 転移のショックによる健忘症かな?

 ただ なんとなく ここに来る前に成人していた気がするのだが・・


悩んでも仕方がない。

気を取り直して 今のうちに風呂にはいろう。

 常に知らない人 しかも男性に密着された状態って・・><

 少しは一人になりたい。


いろいろそろっているように見える設備だが、ヘアキャップとヘアゴムはなかった。

だから タオルで 髪をアップした。

 私の髪は 漆黒ストレート、長さは肩まであった。

 スルスルとした髪質だったので 髪型のアレンジには苦労しそうだ。



窓から空を見ながらのんびりと湯につかることにした。


浴槽はゆったりとして足を延ばすことができた。

肩までとっぷりとつかることができる。

いたずら心で「ぷくぷく」と唱えて見たら・・

 イメ―ジ通り 湯の中で泡がはじけ、腰やふくらはぎのマッサージになった。

  魔法 サイコ―

  魔法が使えるようになってばんざーい!


湯船につかって のんびりしていると 浴槽の隅に光るものが見えた。

もしかしてと思い「精霊さん」と呼び掛けてみた。


「名前をつけて」かすかに聞こえる声


「ティンカー」

  呼びかけると 光がはっきりとして

「はじめまして」と言う声が今度ははっきりと聞こえた。


「ティンカー あなたは精霊なの?」

「そうだよ」

「これからよろしくお願いします」

「いいよ」

「私を助けてくれる? いろいろ教えて欲しいし 力を貸して欲しいの」


「いいよ 君が僕に名前を付けたときから 僕は君の契約精霊になったから」


「あなたは 何の精霊?」


「僕は光。精霊には 光 火 水 土 雷 風 緑 力 その他いろいろがある。

 精霊契約に数の制限はないけど 契約者の能力や力によって 契約できる範囲がきまる」


「なるほど」


「契約するときに 自分の希望を言えば 精霊は希望された力が強くなる

 種族とか精霊の個体の性質を見極めて 個別に契約すると その精霊の持ち味が活かせる」


「そうなの。あなたのもともとの属性と 今のとはあっている?」


「僕はもともと説明好きな妖精だったけど 君が 僕を精霊と呼び掛けてくれたので

 光の精霊になることができた。だから僕としては幸せな変化だね」


「よかった。」


「ところで 私 身の回りのことを手伝ってくれる人が居なくて困っているの」


「具体的にどんなこと?」


「顔そりとか お化粧とか 髪のセットや散髪をしてくれる人」


「それは 人間の領域だね。

 でも もし そういう作業中に興味を持って近づいてくる妖精がいたら呼びかけてみるといいよ。」


「わかった。ありがとう」


ほんわかとあったまり眠くなってきた。


浴室の外 脱衣場兼用の洗面室には

リネン類がそろっていたのに タオルつりがなかった。

 湿ったタオル類をどうしよう?


とりあえず 薄手のロングワンピのようなローブに着替えた。

 下着類に関しては 大小さまざま 子供用からセクシー下着までいろいろありすぎて

 正直 身にあったサイズと私好みのシンプル・実用的なものを探すのに手間どった。


ティンカーは面白そうに それを見ていた。


(この子 中性だといいのに。)ふとそう思うと


「じゃ ぼく中性ね。僕の性別決まり~」とティンカーが楽しそうに言った。


「へっ 妖精や精霊の性別ってそうやって決まるの?」


「うーん それは 妖精や精霊による。

 でも 人間と契約するまで中性だったものは、契約後 契約者との関係で性別が決まることが多いね」


「そっかー。妖精や精霊と契約するときには いろいろ気をつけないといけないんだね」


(それにしても この子 私の頭の中を読んだのかしら?)


「君が 頭の中で僕によびかけると 声に出さなくても 僕に伝わるんだ。

 念話だよ」 ティンカーが説明してくれた。

※ 本日 夜8時に2回目の投稿をします

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