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朝焼けの空

※ここは作者的にもあまり納得がいってないので変更になる可能性が高いです。



 「「「今日1日、ありがとうございました!」」」


 そう言って、エントル、ジウ、グレンの3人が頭を下げる。


 「あ、ありがとうございました」


 続けて、罰の悪そうにアリアが感謝を述べた。


 「勉強になりました」


 その光景を見て微笑みながら、リーシェも続く。


 「お疲れ様、これからも何かあったら気軽に頼ってね。いつでも対応出来るとは限らないけど……まぁ、出来る日は極力力になるよ」


 魔獣の森から帰ってきた僕らは、特に何事もなく依頼達成の報告と証明、換金を行って、今に至る。

 僕らが冒険者になった時はもうちょっと回りの見る目が気分の悪くなるものだったり、レアが絡まれたりしていたが、6年でだいぶ変わったみたいだ。


 「はい!俺らにも何かあれば言ってくださいね!それでは、失礼します!」


 そう言って、紅蓮の剣の面々と別れる。


 「お疲れ様です、急な依頼でしたが、受けていただきありがとうございました」


 紅蓮の剣の面々が見えなくなったのを見計らってか、マイアさんが声をかけてきた。


 「あぁ、お疲れ様です。大丈夫ですよ」


 「こちら、今回の報酬になります。……どうでしたか?彼らは」


 そう言って、銀貨3枚を渡しつつ聞いてくる。


 「みんな良い子だったので、かなり楽でしたね」


 元々がかなりしっかりしていたし、言う事も聞いてくれた。

 問題点もかなり少なかったと思う。


 「そうでしたか、よかったです」


 マイラさんはそう言って、ほっとした様に胸を撫でおろした。


 「ソラ、やっと見つけた!」


 そこに、後ろから声がかかる。僕にとっては聞きなれた声だ。


 驚きつつ、振り返ると、そこには、想像通りの人物がいた。


 腰まで伸びた銀髪を棚引かせ、青い瞳には喜色が浮かんでいる。

 胸はないが、すらっと伸びた足に、痩せすぎでは無いがスレンダーな体。

 幼馴染であり親友の、レアの姿があった。


 「レア、どうしたの?」


 僕がそう問うと、レアは口を開く。


 「私も追放された……と言うか抜けてきたから、一緒にパーティーを作りましょ!」


 「…………はぁ!?」


 僕が驚きのままにそう叫ぶと、レアは状況の説明を始めてくれた。






 「はぁ……マジか……」


 その内容は、思わずため息が出るものだった。

 まず、僕が追放された後、それを知ったレアは追放した理由の聞き出しと僕をパーティーに戻す説得をしてくれていたらしい。

 なんとか聞き出した情報によると、どうやら僕がミュイラに暴行とか、まぁ色々しようとしたことになっていたらしい。

 僕がその事を否定したら、「そんなことわかってるわ」と言われた。


 要は、まぁ。

 ノベクがミュイラに惚れ、ミュイラは僕らの事が邪魔になったから追放するようにノベクを唆した、と言う事らしい。


 (恋は盲目って言うけどさぁ……)


 一応幼馴染で、かなり長い間一緒に過ごしてきたのだ。

 少しは信じて欲しかったと思うのは……贅沢なのかな。


 「ミュイラがどうなろうと知ったこっちゃ無いけど……ノベクは助けたいね」


 でも……このまま良い様に使われるのは、幼馴染として許せない。

 僕はそう思うのだが、レアは「良いのよあんな奴!」と憤慨していた。


 (相当大変だったんだろうな……)


 思わず苦笑いが漏れる。

 でも、ノベクを見捨てたくはない。

 レアも、こんなことを言っているけど本当に放っておきたい訳じゃないだろうしね。


 「まぁまぁ……一途なのは悪い事じゃ無いからさ。それに、ノベクも騙されてるだけなんだし」


 「……そうね、思い知らせてやれば良いわね。あの女に……」


 黒いオーラを幻視する程、レアもミュイラに対して怒っているようだ。

 僕も……まぁ、勿論怒りは沸いている。


 「後、パーティーを組むのは大歓迎だよ。……いっそ、ミュイラに一泡吹かす為にAランクパーティーでも目指そうか?」


 そもそも冒険者のランクとは、その冒険者が如何にギルドや街、国に貢献しているかを表すものなのだ。

 ランクが高ければ高い程、手厚いサポートが受けられたり、特典がつく。

 ランクは下からF、E、D、C、B、Aと上がっていく。上にはさらに特級と言うのがあるらしいが、よく知らない。説明なんかもないしね。

 そして、そのランクは主に「貢献度」「強さ」「性格・品行」によって決まる。

 つまり、強いだけでも貢献度だけでも詰まるのだ。

 貢献度だけで進めるのはせいぜいがC、強さだけだとDで止まる。

 Bランク以降は、敷居が上がるのだ。


 因みに、パーティのランクと個人のランクは別物である。

 ノベク、僕、レアは初期からずっとパーティーを組んでいたため、3人ともBランク、パーティーもBだ。


 「それ、良いわね!うん、それを目標にしましょ!」


 僕の提案に、レアは嬉々として食いつく。


 「名前はどうする?知っての通り僕にネーミングセンスはないからさ」


 考えても、レラソアとか、名前をくっつけたのしか浮かばないからね……。


 「んー、朝焼けの空とかどう?」


 朝焼けはどこから出てきたのか。


 「また僕の名前はいるんだね……まぁ、良いけど」


 「だってソラが一番強いじゃない」


 「そんな事ないと思うけどなぁ……」


 レアにもノベクにも何度も言っているのだが、僕は所謂器用貧乏なのだ。

 最高火力ではレアに劣るし、耐久力ではノベクに勝てない。

 一番強いなんて、口が裂けても言えることではなかった。


 「ま、いいわ。早く登録しちゃいましょ!」


 「今行く!」





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