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プロローグ
2021/10/01 追加
読まなくても正直何も問題ないです。
いつか修正するかも。
空を燃えるように赤く照らす、夕焼け。
その暖かい光は、時が経つにつれてか細く小さくなり、静寂と淋しさを残して地平線の彼方に落ちて行く。
夕日が消え、辺りに広がった全てを飲み込んでしまいそうな夜の闇は、人の恐怖を掻き立てる。
その静寂をかき消すように響く音。
燃える家々。
平穏は、最も容易く崩れ去る。
*
青く、清々しさすら感じる、雲ひとつすら無い快晴。
雨上がりで、ぬかるんだ地面は足を掴み動きを阻害する。
空に掛かる綺麗な虹の橋は、あの惨状など無かったかのように美しく存在していた。
燃え残った柱。
焼け落ちた木々。
焼け爛れた人の体。
嘗て、平和の象徴と呼ばれたその村は、一夜にして滅んだ。
その、痛々しい姿を残して。