異世界転移や転生の小説の神が実在したら……
神話や伝説は、事実が1パーセントくらいは含まれているという。
それは、神話学者の反乱、もしくは世界の正しい姿を暴いたと言われている。
遠くない未来。
パーソナルコンピューター(PC)は発展を続け、今や一昔前のスーパーコンピューターを凌ぐ性能になった。
耳にかけられるくらいに小型化し、情報は目の前に光の画像でポップアップされる。
個人の経験や知識は、ネットワークに即座に上げられ共有される。
やってしまったのだ。神話学者は。
過去の伝説や神話を、少ない史実とPCがサポートした膨大なシミュレーションから、完全な事実と認識してしまった。
神々が世界を創るときに、綻んだ未完成な部分を。
人類が十分に成長するまで、神が直接手助けしたことを、神話と言う形で無くそうとしていた事実を。
神が実在すると気付いた瞬間、人類は、親離れならぬ、神離れに失敗した。
神は、死ななかった。
現実と神話が、逆転する。
竜の吐息で作られたといわれた竜神湖は、それを作った古龍が姿を現した。
神が、人類に隠していたものが全て暴き出された。
と言うわけで、日本の片田舎で、豆たぬきに化かされようとしている自分は、耳のPCを外したら助かるのだろうか?
異世界が向こうから来たらどうだろう。




