エピローグ
「あー、だりー。何もする気が起きねー」
毎日自堕落な生活を送る日々。
ニート?かと思いきや学業に励む立派な学生だった。
名前は、朝海成弥。大学二年生。
今週の火曜日にはゼミの研究レポートを提出しなければならなかった。
だが、日曜になった今日。研究レポートの中身は綺麗な純白に染まっていた。
「あー、誰かやってくんないかなー」
無論、誰もやってくれるはずもなく、普段通りの生活を送る。
はずだった・・・
(全く、本当に怠け者だ)
誰かが俺のことを誹謗している。
だが、俺は動じない。誰に何を言われようとやる気が起きないものには変わらない。
こういうことは、自主的にやる気スイッチを押さないと行動には移せない。
(この怠惰という大罪人め。貴様をどう貶めてやろうか)
怠惰は決して悪いことではない。
時には全身の力を抜き、世の流れに任せることも必要なことなのだ。
(笑わせるな・・・それが罪深いと言っているのだ。今この瞬間にも誰かが行動を起こしているのに)
誰が何をしようと自分には関係ない話だ。
自分のために行動する。それが動物の本能だ。
誰かに強要するのは、ただの人生という自由の束縛だ。
(貴様は本当に性根が腐りきっているな・・・そのような状況に陥っていないからそんなことが言えるというのに)
まあ、そうだな。常にエコを心掛けているので。
無駄なことはしないな。それこそ環境に悪いからな。
(ハハハ、馬鹿な奴め。まあ、せいぜい足掻くんだな)
何を言っているんだ?
(罪深い人間には、それなりの代償を得てもらう)
だから、お前は何を言っているのだ?
(代償を得て転生してもらう。この世に別れを告げるんだな)
おい、今何て言った?この世に別れ?まさか殺す気か?
(これは全て貴様が招いたこと。この世界に大罪人は必要ない。あっちの世界で精進するんだな)
おい、ただ怠けていただけでそこまでするのか?おかしくないか?
(それではこの世に別れを)
おい!ちょっと待てよ!
(さようなら)
その言葉を最後に成弥の意識はぷつんと切れた。