隣犬来呼我
隣 犬 來 呼 我
門 前 不 去 頑
無 術 捧 乾 肉
主 人 聲 聞 還
隣りの犬來て我を呼ぶ
門前去らずして頑な
術無く乾肉 捧ぐ
主人の聲聞こえ還る
一行目 近所の犬(♀)はかってにお散歩して、あちこちでおねだりする。
二行目 犬に居留守は通用しない。
三行目 なす術なくオヤツのビーフジャーキーを…
四行目 ご主人さま(そこのうちのお母さん)が叱ればすぐ還る。
§
MY DEAR NEXT-DOOR DOG
My Next-door dog she comes to meet
Obliged to offer precious meat
She swallows up and wants one more
Then neighbor's voice she's gone next door
隣家の犬が会いに来る
貴重なお肉を差し出すはめに
彼女は平らげ さらに欲しがる もっと!
そのとき隣人の声 彼女は隣家の ド ア に去る
生きるよろこび。食べること、愛すること。
§
都 々 逸 で 近 所 の 犬 に ソ ネ ッ ト を
君と夏の日 くらべてみれば
君がだんぜん ステキだよ
可憐なつぼみも 嵐で落ちる
夏のいのちは 短すぎ
夏のお日様 キラキラだけど
ときに不気味な 影がさす
キレイのピークは たちまち過ぎる
やがて無残に 衰える
君の夏なら あせたりしない
ずっと可愛いさ 変わらない
死神いえども 奪えはしない
それは確実 なぜかって
耳をすませば 今でも君の
ぼくを呼ぶ声 聞けるから
近所の犬の十三回忌の冬に
あ と が き
昔住んでいた町を歩いた。その家の表札は前のままだったが、犬はいなかった。食いしん坊のあいつ。引越したのはずいぶん前、犬の寿命からすると仕方がない。今年が彼女の何回忌に当たるか、 わからない。
定型詩は大変すぎ… リズム整え、抑揚合わせ、韻を踏んだり エトセトラ…
たとえ内容がくだらなくても、朗読すれば立派にひびくだろう。彼女を供養するお経のかわりになればいいな。
漢詩と英語の詩は個人的体験だが、君と夏の日〜 はシェイクスピアのソネットが元ネタ。不滅の愛の名作、ソネット18 の翻訳というか。オチがぜんぜん違うけど。都々逸(どどいつ、七七七五)調に。
「我々が時間の中を動き回れないと言うのは間違いだ。例えばもし僕がある出来事をとても鮮明に思い出しているとしたら、僕はその瞬間に戻っている。少しの間いわば我を忘れて、時間を反対側に飛び跳ねたんだ。ーH.G.ウェルズ,タイムマシン
付録(リズム・抑揚・韻・エトセトラ)
§ 隣犬來呼我 (五言絶句)
頑固の頑と還るの還で韻。門前去らず 汪(中国語の犬の鳴き声)も考えたが、正式な韻でないようで残念…。平仄(中国語で読んだ時の抑揚 )はこんな感じ。
♪ー♪♪ー ♪♪ーー♪ ♪ーー♪ー ー♪♪ー♪
ー♪ーー♪ ーー♪♪ー ー♪♪ー♪ ♪ーー♪ー
隣犬來呼我 門前不去頑 無術捧乾肉 主人聲聞還
§ My Dear Next-Door Dog (四行詩)
一行に弱拍ー強拍のリズムを4回(弱強四歩格)のつもり。
My next door dog she comes to meet
Ob liged to of fer pre cious meat
She swal lows up and wants one more
Then neigh bor's voice she's gone next door
§ 君と夏の日 くらべてみれば (都々逸)
七・七・七・五→三四・四三・三四・五 と
ν♪♪♪| ♪♪♪♪| ♪♪♪♪|♪♪♪ν |
ν♪♪♪| ♪♪♪♪|♪♪♪♪|♪ν ν ν |
ν は休符。字あまりのところは一拍目の休符を♪に(かれんな|つぼみも |〜)
§ オンビート あの夏の君 よみがえる (俳句)
わん!