002
あ、どもども。産まれての赤ん坊です。名前はまだありません。
生後半年で捨てられる事決定しました!わーパチパチ!!
うん、死ぬね。確実に死ぬね。
しかーし、まだ私は諦めてはいない!そう、私にはチートと言うもの(かもしれない)がある!此処がファンタジーな世界ならきっとステータスが分かるはず!さっき口減らしって言ってたから、現代日本では無いはず!
藁みたいので編んである敷物の上で、心の中で念じる。
(ステータス!お願い出て!)
すると、音も無く、目の前に半透明のパソコンのウィンドウ見たいのが出てきた。
キタキタキタキター!やったー!これで異世界確定だ!
さー、そうと決まれば早速チェックを……
「あーあ、また女かよ。お袋もついてねーな」
そう言って15、6歳位の少年が入ってきた(と言っても、ぼんやりとしたシルエットと声だけで判断してるけど)。急いで出しっぱなしのステータスを消えろ!と念じて消す。
少年の足音が近づく。その後ろからまた声がする。それも、複数。
「なんだよっ!男じゃねぇのか」
「また、邪魔者が増えたな」
「えー、それって私もってこと?」
「いや、お前はちゃんと働いてるし、長女だし別。でも、こいつは末っ子で赤ん坊、直ぐに働けない。正直、育てる金がむだだ」
「って事は、口減らしか?」
「そうだろうな。……多分、東のリュイもそうなるだろう」
「あー、あの役立たずのタダ飯ぐらいね」
「ははっ、言い過ぎだろ。お前も産まれた順番ではこうなってたかも知れないんだぞ」
「そだねー、6番目とか7番目みたいに売られてたかもねー」
「確かに。でも、何でこの子は口減らしな訳?売ったほうが金が入るのに」
「ああ、それは親父が言ってた。こいつの色のせいだよ」
「ナルホド」
は?ちょ、とりあえず、全員名乗り上げてほしい。誰が誰か分からん。声でかろうじて女一人男三人の合計四人だということは分かる。お袋とか親父とか言ってるから、多分今世の私の兄弟なんだろう。それにしても、売るとか捨てるとか、この家では日常茶飯事なのか。
「こら!あんたらさっさと仕事に戻りな!さもないと、奴隷商人に売るよ!」
「はいはい」
入り口から私を産んだばかりのお母さんの声がした。すごいな、もう働いてんスカ。母親の脅しに、渋々といった感じでまた出て行く子供たち。残ったのは、寝たまんまの私と、お母さん。
ステータス早く見たいから、行かないかなーと思っていたら、
「あんたなんか、早く死んじまえばいいのに」
とつぶやいて出て行った。
ああ、ステータス確認前から心が折れそうです。