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001

 うっ、苦しい!早く出たい!早く、空気のあるところへ!


 真っ暗な中を漂っていたら、急に苦しくなって、早く出たいという気持ちが出来た。ゆったりとした温かい中に居たのに、狭くて苦しい所を通らされて、一刻も早く外に出たかった。外?何処それ。そもそも、ここは何処?私は……どうしたの?……ううっ!苦しい……!


 光が差し込んだと思ったら一気に苦しさから開放された。


「おんぎゃぁぁぁ!おんぎゃぁぁぁ!」


 は?何この泣き声。……私?私が泣いてるの?え、でも赤ちゃんの声じゃん。じゃあ何、私転生したってんの?謳歌していいのね!私TUEEEE出来るのね!知識チートが出きるのね!例えファンタジーでも現代日本でもどんとこい!!前世の分、私は他の人よりも優れている!……あ、私死んだんだわー。しかも、自殺で。私も死にたくなかったんだよ?止めて欲しかったのに、親に「私今から死んでくる」って言ったら、何て返ってきたと思う?「あっそ、金かからんで済むわー。あ、ちゃんと自殺と分かるようにするんやで」だよ?ホントにムカついたから、その足で橋に行って川に飛び込んでやった。死ぬんなら、ちゃんと遺書書いて見せしめのように親の前か学校で昼間に死にたかったのに、薄情な(元からわかってはいたが)親は、そのまま夜の街に出ていき、もちろん夜なので学校も私を虐めてきた奴等が居るわけでもなく、家を飛び出した勢いで近所の川に飛び込んでやった。しかも、生活排水でほぼヘドロ状態になった汚水の中に。最悪だった。苦しいわ汚いわ臭いわ体痛いわで全くいい死に方をしなかった。だから、今生こそは親に愛されたいい人生にする!うん決めた!


 ってことで、私を産んでくれたお母様はどんな人かなー?


 生まれたばかりで泣きっぱなしの私を抱き上げた人を頑張って目を開けて見ようとするが、まだぼやぼやで全く物を認識できない。

 でも、自分の泣き声が聞こえたから、音は聞こえる筈だと、耳をすませば聞こえてきたのは女の人と男の人の声。ヨッシャ片親じゃない!(前世水商売の母親の母子家庭)

 さて、パパンとママンはどんな人かなー?





「ちっ、また女か!」


「女なんかいらないわ!何で男じゃないのよ!」


「どうする……殺すか?」


「いいえ、それだと近所の人も怪しがるわ。そうね……しばらく置いといて、冬の口減らしの時に村の子供に持って行ってもらいましょう」


「それがいい!ってことは、後半年か。おい、そいつに食わす乳あるか?」


「無いわよそんな物。アタシはもう出ないし、この村には年頃の女は居ない。それに、ヤギもウシも飼ってない。……しょうが無い、重湯を飲ませるわ」





 えーーーと、何か既に生後半年で捨てられる事決定しました。名前も分かりません。


 何これ、産まれて5分で人生詰んだ?

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