表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢刑事(デカ)  作者: 上梓あき
悪役令嬢刑事(デカ)誕生の章
4/5



医師の相田は花恋(かれん)を診察室に連れて行き、レントゲン写真などを見せる。

写真には無残に破壊されたの花音(かのん)のお尻が映っていた。


「先ほどもご説明いたしましたが、入來院(いりきいん)刑事の肛門はご覧のような状態です。

 医療方針としましては現在の肛門を切除して、再生医療で肛門を再生。

 再生までの間は大腸の出口にバイパスを作ってそこから用便を吸い出します。

 そして完治までの間は人工的に植物状態にしてポッドの中で人工栄養で基本的な生命維持を行う……」


一度言葉を切った主治医が花恋(かれん)の目をじっと覗き込む。


「ここまでが先ほどまでのお話の詳細ですが、この先がまだあります」


花恋(かれん)が目で続きをうながす。


「ポッドで集中治療を受けている間の一年間、プロトコル66により、入來院(いりきいん)刑事の精神を貴女の中に転送させておいてほしいのです……」


「!!」


驚いた花恋(かれん)は一瞬、言葉に詰まり、改めて相田医師の真意を問いただした。

相田は言い難そうに口を開く。


「黒の師団から救出された入來院(いりきいん)刑事は一ヶ月にわたるテロリストの調教でホモに目覚めてしまってたんです。ガチで」


「ガチで、ですか……」


花恋(かれん)としては言葉がない。言葉が続けられない。

ホモは観賞用という言葉もあるように、対岸の火事なら楽しいが、自分の婚約者がそれでは困ってしまう。


「肛門は我々の医療で治せますが、そちらの方面は我々ではどうにもなりようがありません」


「それで私にあの人の心のケアをしろ。と……」


「勿論、悪いようにはなりません。

 入來院(いりきいん)刑事の精神が貴女から貴女の肉体の主導権を奪うことはありえませんので」


「――それに、入來院(いりきいん)刑事の精神が貴女の中にある間は彼の記憶と経験は貴女と共有となりますので、

 この期間の間中は貴女が入來院(いりきいん)刑事の代わりに刑事を勤めることができます」


こう言って相田医師は意味ありげに花恋(かれん)を見た。


「……それはつまり、刑事の身分で捜査に関われるということですの?」


「それに関しては医師である私の口からは何も申せません」


そう言って相田医師は片目を瞑る。

花恋(かれん)の口角がめくれ上がった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ