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ひとがしぬということ7

果たして

襖を開いた梅岩は『それ』を目にした


眠太郎の部屋へは、ちょくちょく訪れたことがある。自由に使っていい……と許可を出したにも関わらず、眠太郎は自室に家具やインテリアの類を全く買おうとしなかった。そのため眠太郎の部屋は何もない殺風景なままだった。


そんな部屋が

まっさらだった壁も木板の床も


真っ赤に染められていた



部屋の奥でうずくまった

眠太郎は自らの

右腕を腹に刺し入れて


赤黒い内腑を

あらかた引きずり出していた



眠太郎の表情には

苦悶の跡は全く見えず


むしろ痒みに耐えかねて

全身を掻きむしったような


被虐的な快楽に

耽った後のような

そんな表情をしていたのだ



死に至る自傷行為

眠太郎の肉体は

邪鬼の再生力を持つが


果たして再生するものか

木床にぶちまけられた

多量の臓物を目の前に

赤黒い(はらわた)を前に


梅岩は唖然としながらも

およそ現実離れした

光景におののいて


意識が一瞬遠のいた

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