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ひとがしぬということ4

その日

梅岩は眠太郎の自室の前に立っていた。

帝邸に住まう眠太郎は、邸内に部屋を割り当てられていた。

その部屋の前に立った梅岩は、不思議な感覚に捕らわれていた。梅岩は幼い頃から感受性の強い子供だった。両親と過ごせる時間が少なかった梅岩は、短い時間でより多くの感情を両親と共有しようとした。国から退魔の命を受けた帝家の当主として、労苦の多かった梅岩の両親はせめて子供の前では平穏を装った。せめて子供の前だけでも普通の家族らしく有りたいと願ったのかもしれない。

だが両親たちが心の内に隠すものを持てば持つほど、梅岩はそれを探ろうと努めた。父親が邪鬼との戦いの末に正気を失った以降、その感情はより強くなった。梅岩の感性がもっと鋭敏であったならもっと父親のことを理解できただろうにと後悔したからだ。大人になった梅岩は他人より人の感情をより拾えるようになっていた。だがそれは単に人の表情や機微を見いだすことに長けた、観察力という範疇に入るものだと考えていた。今日この日までは。

その認識が間違いだったことを、梅岩はようやく知ることとなった。

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