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愛し愛され愛されず  作者: 骨
6/23

神流(改)

入院期間を変更しました(一週間→二週間)

また、変更に伴いイベントの調整を行いました

 翌日。新聞を見るが、あの事は載っていない。その事から、未だ彼女から聞けていないのか、公表は今日行うつもりなのか―等の様々な推量をするが、其れは何処までも憶測であり、頭に残す必要のない事である。一通り目を通してから新聞を折り畳み、朝食を平らげる。そして、支度をして家を出る。


 学校に着き、下駄箱で靴を履き替えていると―

「おはよう。榊、桜。」

 溌溂(はつらつ)とした声で話しかけてくるのは、日本の三大財閥、その一つである緋桜財閥の次女―緋桜(ひざくら) 神流(かんな)。ここ暫く風邪で欠席していて又俺達とランチタイムを過ごしている、二日前に休んでいると述べた同級生である。

「おはよ。神流。」

「おはようございます。神流さん。」

 軽い挨拶を交わし、雨都と途中までだが共に雑談しながら教室に向かう。雑談の中には一昨日の転校生の話もあり、神流は早く会いたいなとわくわくしているようだが俺としては複雑な心境である。

 雨都と別れた後もSHRが始まるまで紳司を含め四人で雑談を交わす。神流は俺達とは数日振りなので、喋りたい事が多いのか話は途切れを知らず、一つ終えると区切り無しで直ぐ次のトピックに移っていく。又、ハイテンションの余り周りが見えておらず、クラス内に居る人の殆どが―朝から(やかま)しいわ、迷惑だから静かにして、安眠妨害反対―等の思いを顔にありありと浮かべている。俺としてはそんな表情に囲まれ、平気な顔して過ごせるほど肝っ玉は大きくない。なので、高ぶり続けるテンションに歯止めを掛ける事にする。


 SHR後。神流は噂の転校生に暫く会えない事を告げられ、テンションは沈みに沈んで顔を机に突っ伏す位まで落ちている。余程ショックかと彼女を知らぬ者はそう思いがちだが、実際は余りショックではない。この後、彼女は又あのテンションに程近い所まで立ち返るからだ。


 昼休憩。今日はやっと五人でランチタイムを過ごせる。その事に喜びや嬉しさがあり会話は弾むが、時折今この時葵はどうしているのかつい考えてしまう。

「あら、どうかした?」

 神流が尋ねてくる。どうやら心配される程、心ここにあらずとなっていたようだ。

「すまない。何でもないから大丈夫だ。」

 返答も何かおかしかったが、誰も突っ込む事無く納得してくれたようだ。ほっと一息つき、葵に後でメールを送る事にして思考を一時中断する。今交わされている会話の内容は―これからの夜番組はどうなっていくのか。中々興味深げな話題かな。


 放課後。俺含む五人で帰路を歩く。未だあいつがこの近辺にいるのか分からない為に内心穏やかではないが、回りに同じく部活をしていない人が居る事が安心感を与えてくれる。暫し談笑しながら進み、件の十字路に差し掛かる。丁度ここで雨都以外とは別れる事となる。内心びくつきつつ、『又明日。』と言いそれぞれの帰路に就く皆の姿を不自然に思われない程度に眺めてから俺と雨都も帰路に就く。

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