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また会おうね・・・

作者: 涼風

全て偽名です。


ほんとうに寂しかったです。

「え・・・」


突如聞かされた親友の柚希の引越しの話。


色々とアニメとか漫画の話があった。優しくて可愛くて気が合う親友だった。ゆっちゃんと呼んでいつもいっしょにいた。



前に引っ越しちゃうの?って聞いたことがある。


でゆっちゃんは笑って違うよ~と返した。


きっと言いたくなかったんだろう。極限まで私たちの関係を壊したくなかったんだろう。


でも悲しかった。その後はとっても気持ちがしずんだ。



でもそんなふうには居られない。私は親友にいつもどおりに接した。


帰って泣いたりしたけど・・・


あるとき。


先生が私を呼んで



「詩織。柚希にみんなからあげるメッセージカードをくばってくれない?」



私はゆっちゃんのことを任してくれるのがうれしくて



「はい!!喜んでやります。」



渡されたのは綺麗なメッセージカード。



それをゆっちゃんに隠し通すためにこそこそみんなで書いた。



みんな快くやってくれてうれしかったのを覚えてる。



しかし・・・何枚か集まらなかった。



できればみんなに呼びかけたい所だが柚希がいるからそんなこともできない。



先生に相談してみるとしょうがない・・・と言って言ってくれ。と言われた。



帰りの会でのみんなから。私は潔く手を挙げ正直に言い、呼びかけた。


出してない人は残って書いてくれるといってくれほっと胸を撫で下ろした。


内緒でやりたかったのだが仕方ない。そう思い・・・待った。


するとゆっちゃんが来てニコッと微笑んで


「気づいてたよ。私。みんなが隠しながら書いてるときピンク色の紙が見えたし。」



やっぱり敏感で鋭い柚希は気づいていた。



あはははと笑い



「やっぱりね!だってゆっちゃんだもん。」



こんなに別れは寂しいんだと。


始めて気づいた。



そしてそんな日が続きついに最後の日が来てしまった。



私がそのメッセージカードを渡すことになっていて・・・



6年2組のみんなが輪になって私とゆっちゃんが輪の中に入った。



私は後ろに隠していたメッセージカードを前に出し



泣きそうになるのを抑えて話始めた。



「えっと・・・今まで・・・本当に気の合う友達で・・・」



ぽろ・・・


一筋、涙が出た。これを合図に涙が次々とあふれてきた。



やだ。はなれたくないよ・・・まだいっぱい話したかった。



もっと・・・



「ヒック・・・うぅ・・・今・・まで、グスッ・・・ありがとうございました・・・!!」



もう涙でぐちゃぐちゃの顔で言葉を伝えメッセージカードを渡す。



37人の想いがつまったメッセージカード。


本当はもっと話したかった。言葉も考えてきた。


でも何も思いつかなくて。本当に感謝しきれないほど励まされたから。笑えたから。



そして・・・合唱曲であって私たち6年生のテーマソング。



「今日から明日へ」


を歌った。



柚希は泣いてたし私に関しては涙があふれ続けていた。



でも歌った。みんなの心を一つにして。


親友の莉緒、里奈子も泣いていて・・・



みんなの心を一つにして歌った。



本当によかったと思った。このクラスで。



***


帰りはみんなで泣きながら帰った。


本当に寂しくて・・・悲しくて。


引越しなんて私たち6年生にはどうすることも出来ないけど。でも行ってほしくなかった。



その後のうちらだけのお別れ会では泣かなかった。


笑顔で送り出そうって。


そして約束したんだ。



「あっちへ行ってもずっと・・・ずーっと友達だよ。また・・・会おうね!!」



いいたいことはまだまだあった。まだよみがえるのはみんなで遊んだ思い出だから。


でもね。



いいんだ。


だってその言葉だけで十分でしょ?


また・・・いつか。必ず会おう。


そう・・・約束したんだから。

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