5話
一人で納品に行くについて、地図を見せてもらう事にした。
こうやって行く~。とは教えて貰ったけれど、俯瞰図が分かってる方が迷子になり難いだろうという事で。
それによると、今住んでる森は東の国境に近い森の中にあるらしかった。
国境から西に道が延び、ほぼ中央に王都がある。
私が薬を納めに行く町は国境の町から2番目だった。
どちらかというと、森の真上、国境の次の町の方が近そうなんだけど。
「その真上の町はね、ムルアという町なんだけど、歓楽街があるのよ。
風紀が悪いから、あんまり行きたくないのよね~」
なるほど。
なんかそっちの方が薬的には色々売れそうだけど、厄介事に巻き込まれる率も高そう。
エリーナさんは200歳だけど、見た目妖艶な美女だし。
「あ、でも、魔法で老人に変身し「嫌よ」
ですよね~。
「下手にババアなんて呼ばれたら、町破壊しちゃうかも~」
ですよね~。女心は複雑ですもんね。
チョッカイ出されるのも嫌、でも相手にされないのも嫌。難しいです。
ま、私はチョッカイも出されたこと無い人生なんで、至って平気ですけどね!
って、空しい~~~~~。
「それにさ~。逃げ出した娼婦が森に入り込んで、殺されたりとか面倒が起こってるから
森に結界張って入れないようにしてるのよ?」
え…。
「だからブルートの町は逆にのんびりしてていいから、この町にしてるのよ。
歓楽街行きたいヤツは素通りするし~」
そう考えると、大人しくブルートの町に行っておいた方が良さそうである。
この前行った時感じた、のんびりとした田舎の町的な雰囲気も、絵葉書みたいで好きになってたし。
薬を納めて、店主のオレンジの髪のロンさんに色々町の話を聞いたら
市場の中央の噴水広場で売っている肉の串焼きが旨いという事で、帰りに寄ってみる事にした。
市場に近くなってくると、いい匂いが漂ってくる。うは~。
最近あんまり肉気がないからな~。お肉食べたい。
思わず早足になってしまいながらも、噴水広場を目指す。
取り敢えず1本買って食べてみたら
「うっま~~~~~~~~!!」
お肉美味しい!スパイス、焼き加減絶妙!流石プロ!肉汁がじゅわ~っと溢れてよだれがぐわっと出る。
お肉の歯触りも硬すぎず、油もあんまりなくって私好み。
実に美味しい。
冷めたら美味しさ無くなるかもしれないけど、エリーナさんにお土産として買って帰ろう!
「お兄さん!持ち帰りで2本包んで!」
って頼んだら、店のおっちゃんが
「いや~お姉さん美人だから、おまけしとくわ~」
って3本入れてくれた!
うっそ!
こんな社交辞令すら言ってもらった事ないよぉぉ!
もしかしてダイエット効果?!
私は久しぶりにウキウキ気分で帰るのであった。
もぉこの店は贔屓決定!
浮かれてエリーナさんに報告したら、不憫がられた…。