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第4話:裕也と行事予定


前作「ワイルドウイングス激闘史」の連載開始からの総読者数をわずか一日でこの作品は超えました。こちらは昨日(30日)現在370人を越えております。コメディーとしては弱いかもしれないこの作品ですが今後ともよろしくなのです。

「ふむふむ、しばらくは行事が続くな……ん?今週末はいきなり旅行?なになに、クラスメートとの親睦を深めよう、か……大学側も結構考えているんだな……」

 ハプニングに見舞われた入学式から帰宅し、サークル等の勧誘チラシを眺めていた裕也は、その間からひらりと舞い落ちた年度始めの行事予定の書かれたプリントに気づいて読んでみると、そんなことが書いてあった。

「それにしても、結構オレみたいに地方から出てきて一人暮らししている人っているもんだな……」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 裕也が各クラスの集合場所となる教室でクラスメートになった者たちと話したり、あるいはその後の自己紹介を聞いたりしてみると、20人ほどのこのクラスで地元在住の学生はたった2人しかいないらしく、裕也も含めて、あとは全国各地からこの大学にやってきた者であった。


「今度の旅行で友達を作らないと大変かもな……でも、友達ができても家に呼ぶのはなぁ……」

 旅行に関することの書かれたプリントを改めて見てみると、上級生の数人がアドバイザーとして同行する旨が書かれており、またその上級生の話として、「この旅行で仲のいい友達を作ろう。一人ぼっちの大学生活なんてつまらないぞ。」と記してあった。

 もともと裕也は友達が多いほうではない。その理由は単に彼自身が人付き合いを苦手としていることにあった。しかし、地元を離れ、大学に入ったことでそんな自分を変えようとしているのだった。

 今裕也が心配なのは、「友達ができるか」よりも、その後のことだった。友達ができれば、そのうち裕也が一人暮らしということもあり、友達が遊びにきたり泊まったりすることもあるだろう。その際に近所の住民のことが知られたらと思うと、裕也はため息をつくしかなかった。

「ゆーうーやーくーん。何をため息なんかついてるのかな〜?」

 突然麻美が裕也の顔をのぞき込んで来た。

「うわあっ!あ、麻美さんですか。驚かさないでくださいよ、っていうかドアに鍵かけておいたはずなのにどこから入ってきてるんですか!?」

 裕也は驚きのあまりずざざざ、と後ずさりしながらたずねる。

「鍵なんて私の魔法でちょちょいのちょいよ。で、そんなことはどうでもよくて、昼間のことを謝りに来たのよ。私のいたずらが原因で薫から逃げ回るハメになったり、大学の人たちを巻き添えにしちゃったり、本当にごめんなさいね。あら?裕也くん、旅行に行くの?」

 麻美はひとしきり謝ると、裕也が後ずさりしたときに床に舞い落ちた旅行のプリントを拾い上げてそうたずねた。

「ええ、大学のクラスで親睦を深めるってことで今週末に2泊3日で草津まで。今はそれに必要なものを準備しようかと思っていたところなんですよ。」

 裕也がそう話す。

「へえ、いいなあ〜。ねえ……」

「ついてこようなんて考えないでくださいね。」

 麻美がなにか言いかけたところに機先を制し裕也がクギを刺す。

「まだ何も言ってないじゃない。」

 麻美がふくれっつらをしながら反論するが、

「……でも、そう言おうと思ったでしょ?」

「…………はい。だって温泉なんてもう何年も行ってないもの。たまには行きたいわよ。」

 裕也がさらに続けてそう言うと、麻美はあっさり認め、温泉に行きたいと駄々をこねる。

「温泉に行きたいのなら自分たちで勝手に行ってください。ただし、オレたちの行く先には来ないでください。」

 裕也は呆れたようにそう話し、麻美はわかったのかわかってないのか、あいまいに頷くと裕也の部屋から出て行った。

麻美はあいまいな返事しかしなかったということはやはり……?次回、裕也は旅行へ出発。今度はどんな騒動が起こるのか?

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