最終話:エピローグ
その日1日海を満喫した裕也たちは帰りの電車の中である意味バカップルみたいになっていたので速人や雪子たちにも知られてしまい、からかわれることになった。
それから2週間ほどが過ぎたころ、一度実家に帰るために荷物をまとめ、裕也は女子寮の前に向かった。
GWが終わるときに恵理が言ってたことを実行するわけではなかったが、裕也がお盆は実家に帰るといったところ、じゃあ私もついていきたいと智子が言い出し、二人で新潟へ向かうことになったのだ。
裕也が女子寮の前に到着すると、ちょうど智子が寮から出てくるところだった。
「それじゃ、行こうか。」
裕也がそう声をかけ、智子は「うん」と一言頷くと裕也と一緒に歩き出した。
「まったく、若いっていいわよね〜」
裕也たちの様子を見ていた麻美が呆れたようにそうつぶやいた。
「そうね。帰ってきたら思う存分からかってあげましょうか。」
くすくすと笑いながら雪子がそう話す。
「それって雪子公認でいたずらし放題ってこと?」
麻美がそうたずねると、
「常識の範囲内でなら今回は止めないし、咎めないわ。」
雪子がそう条件をつけて麻美にいたずらを認めた。
「んっふっふ〜、どんないたずらを仕掛けようかな〜。早く裕也くん帰って来ーい♪」
電車の中で裕也は突如寒気を感じ身震いした。
「どうしたの?」
突然震えた裕也に対し智子が心配そうに聞いてくる。
「いや、急に悪寒を感じてね。もしかしたらアパートのほうで何か企んでるかもしれないな……」
裕也はそう話すと、額の汗をぬぐった。
「そういや寝ちまってたのか……智ちゃん、いまどの辺にいる?」
裕也がたずねると、
「もうすぐ東京駅だよ。そろそろ起こそうかなって思ってたところ。」
智子はそう答え、降りる準備を始めた。
その後新幹線を使い新潟に到着した裕也たちを待っていたのは、迎えを頼んでおいた親と、おまけでついてきた恵理の2人だった。
「兄さん、久しぶりー!」
恵理がそう言って飛びつこうとするが、
「ていっ」
「うぎゅっ」
GWにやったのと同じ方法で裕也は撃退した。
「いたた……相変わらず容赦ないなぁ〜。」
恵理がそう抗議すると、
「あのなぁ、お前だってもう彼氏いるんだし、オレだって見ての通り彼女できたんだ。もう昔みたいに飛びついてくるのやめろって。」
裕也はそう言って智子を紹介する。
「えっと、井上 智子です。って、恵理さんは知ってるわよね。GWに一度会ってるから。」
智子がそう挨拶すると、
「ええ、でもまさかあれから3ヶ月で彼女に発展してるなんて思いませんでしたけど。」
恵理も驚いてそう話した。
「さて、結構暑いことだし、そろそろ家のほうに向かわないか?」
車を運転する裕也の父が車のエンジンをかけてそう言った。
「そうだな。いつまでも立ち話してるのもなんだし、行こうか。智ちゃん、荷物貸して。」
裕也は頷くと、智子から荷物を受け取り、自分の荷物と一緒にトランクに詰め込む。
「それじゃ、父さん、出発していいよ。」
「ああ、わかった。」
みんな乗り込んだのを確認し、車は走り出した。
(まだ大学生活は始まったばかり。この先何があるかわからないけど、きっと大丈夫だよな。)
裕也たちは東京に戻ったあと雪子たちアヤカシ荘のメンバーや速人たちクラスメートによって様々な面倒ごとに巻き込まれて行くのだが、それはまた別の話。
完
中途半端かもしれませんがここで終わりとなります。
自分史上最長となる30話を超える長い話に付き合っていただいた方々に深く感謝してこの物語を終えたいと思います。
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