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第30話:夏休みは目前、でも遊ぶ前には試練が待っている

 夏休みを目前にしたある日、裕也とクラスメートたちは裕也の部屋で勉強会を開いていた。

「もうすぐ前期試験かぁ……めんどくせぇ……つーかこの部屋暑ちぃ……」

 速人が勉強が暑さで勉強がはかどらないと嘆く。

「そりゃ仕方ねえだろ、6畳1DKの狭い部屋に8人も入れば暑苦しいっての。しかもクーラー壊れたし。」

 裕也がそう言ったとおり、今この部屋には裕也、速人のほかに豪、賢、貴之、靖といつものメンバーだけでなく、智子と静香まで来ていた。

 さらに悪いことに、この部屋にはクーラーがついているのだが、つい最近壊れ、現在は修理中だった。

「そういや全然話違うけど、大会は惜しかったよな〜。なあ裕也?」

 速人がまったく関係のない話を振ってきた。

「ああ、あと少しで全国行けたのにな……クソッ、あそこでオレが転ばないで勝っていれば全国だったのに……」

 裕也はGW明けから卓球の大会に出ていたのだが、そのときのことを思い出して悔しがった。



 ―関東大会準決勝、ここを勝ち抜けば個人、団体ともに全国への道が開ける重要な試合。裕也たちはまず個人戦で戦い、福田と宮田が準々決勝で敗退(ベスト8)、貴之はベスト16、智子と静香はともに女子ベスト8で敗退して悔し涙を流した。そして裕也だけはベスト4に残り、準決勝はファイナルセットにまでもつれ込む激戦となったが、最後は相手のサーブを返した瞬間に床が滑るという不運に見舞われた結果、足をくじいてしまい、最後まで力を出し切れず敗退した。一方団体では男女混成チームを結成し挑んだが、うまく機能せずにベスト8で敗退した。


 ついつい思い出話にひたっている間にいつの間にか夕方になっていた。

「おっと、もうこんな時間か。ついでだ、みんなメシ食ってくか?」

 裕也が時間を見ると夕方6時を回ったところだった。

「お、いいのか?」

 速人がたずねると、

「ああ、たまにはにぎやかに食べるのもいいだろ。たいてい一人で食ってるからな。たまに雪子さんや麻美さんとかが食べにくるけど。」

 裕也はそう笑顔で話した。



 食後、少し涼しくなってきたので裕也たちは勉強を再開し、午後9時を回ったあたりでお開きにしてみんな帰ると言い出した。

「井上さんと宮本さんはここから家は近いっけ?」

 裕也がそうたずねると、

「私たちは学生寮だからここからそう遠くないよ。」

 智子たちはどうやら2人とも寮暮らしらしい。

「そう遠くないとはいえ夜遅いし、ここら辺は不審者が出たこともあるから、送っていくよ。」

 裕也がそう申し出ると、2人は快く了承した。


 3人はあまり話さず裕也のアパートから大学を挟んで反対側にある女子専用学生寮の前に到着した。

「それじゃ、私たちはここで。ありがとね、裕也くん。」

 智子がそう礼を言って二人は建物に入っていった。

「へ?今オレのこと名前で呼んだ?さっきまで北方くんだったのに、どうなってるんだ?」

 裕也は首を傾げつつ来た道を引き返してアパートに戻るのだった。


あと何話か未定ですが、ここから始まる夏休み直前〜夏休みのお話で完結させます。

最後までお付き合いくださると幸いです。

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