第26話:恵理と遊びに…… 後編
なんか25話のノリがすべった気がしたので追加でもう1話分れっつらごー(笑
ってか、25話のときに気づかなかったけど自分の連載の最高話数超えてるじゃん!(これまでの最高は『ツイン・オブ・エスパー』の24話)
まだまだ続いていきますので今後ともこの作品をよろしくお願いします。
地下鉄やらJRやら派手に乗り換えるだろうことを考慮し、途中で1日乗り放題の切符に切り替えて移動を再開した裕也たちは、最終的に住んでる街から2駅しか離れてない水族館に来ていた。
「恵理、すまんな。こっちでいろいろ買い物とかもしたかっただろ?」
裕也が水族館のチケットを2人分買いながら恵理にそう言って謝る。
「ううん、別にいいよ。私は兄さんとどこかに遊びに行きたかっただけだし。」
恵理は首を振ってそう言った。
「まあ、余計なおまけが数名いるのはもうこの際きれいさっぱり忘れて夕方まで楽しもうか。」
裕也は後ろの物陰に隠れてるつもりの追跡者たちに聞こえるようにわざと大きめの声で「余計なおまけ」の部分を強調して嫌味ったらしく言ってやる。
「まあまあ、気にしなければそれでいいんだから。」
恵理はそう言って裕也をなだめるが、
「まあいいけど、もし邪魔するようだったらコイツの出番かもな。兄妹水入らずを邪魔するヤツは容赦しねえ。」
裕也は懐からスタンガンを少し覗かせると、怒ったように言った。
「に、兄さん……それはさすがにやりすぎじゃ……」
恵理も驚いて苦笑いするしかない。と、裕也が後ろの物陰に駆け寄り、まず速人を、続けて芋づる式に他の追跡者も発見し、
「聞こえてたと思うけど、この先オレたちの邪魔したらコイツが黙ってないからな。お前らはお前らで遊んでてくれ。」
裕也はスタンガンを覗かせつつ不機嫌そうにそう言い放った。
「北方って実はすごいシスコン……いやそんな言葉で収まるものじゃないかもしれない……」
貴之が一言つぶやき、
「う、うるせえ!シスコンのどこが悪い!だがひとつ言っておくと、オレはどこぞのゲームやらマンガみたいに妹に恋愛感情を持つことはないからな!誤解すんじゃねえぞ!」
裕也は水族館の往来ど真ん中でシスコンを認めてしまい、急に恥ずかしくなったのか、くるっと速人たちに背を向けると、奥のほうへ走り去っていき、恵理があわてて「兄さん、待ってよー」とか言いながら追いかけていった。
「……帰るか。なんか追跡する気が失せた。」
裕也が走り去ったあと、しばらくして速人がそうつぶやいた。
「そうだな。あそこまではっきりとシスコン宣言されちゃぁな。」
豪が同意し、速人、豪、貴之の3人は引き上げていった。
「ま、それじゃアタシらも普通に遊ぶか。」
アヤカシ荘メンバーも彩がそう提案し、特に反対意見も出なかったので普通に水族館を見て回るために歩き出した。
その後、裕也たちは普通に水族館を回り、イルカのショーを見たりして存分に楽しみ、日が暮れるころ水族館を出た。
「さ、帰ろうか。1日の半分近く逃げ回っていたような気がするから疲れたよ。帰ってメシにしよう。」
裕也がぐったりとした表情で恵理にそう言う。
「そうだね。でも逃げ回るのも結構楽しかったよ。ところで兄さん、こっちで彼女とかできそう?」
恵理がいきなりそんなことをたずねる。
「いたら今日こんな風にお前と出かけてないって。まだまだ彼女いない暦=年齢の寂しい記録は続いていくだろうな。」
裕也は苦笑いしつつそう答えた。
「そっか。男の一人暮らしって寂しいよね。早く彼女できるといいね。」
恵理がそう励ます。
「そういうお前こそオレの心配なんかしてないで早く彼氏の一人くらい作れよな。」
裕也もお返しとばかりにそんなことを言ってみる。
「ん?もう私は彼氏いるよ。兄さんが上京してから告白されて付き合うことになったから知らなかったよね。」
恵理の口からさらっと衝撃発言が飛び出す。
「え?そうだったのか。そいつはよかった。でもそれなら彼氏を置いてこっちに遊びに来てていいのか?」
裕也が心配そうに聞くと、
「うん、大丈夫だよ。彼、トモヒロくんって言うんだけど、『自分から告白してお付き合いさせてもらってるから』、って言っただけであとはなにも言わずに送り出してくれたの。」
恵理は満面の笑みでそう答えた。
「へえ、トモヒロ君っていいやつなんだな。それじゃ妹に負けてらんないな。オレもいい人見つけないと。」
裕也は恵理に彼氏ができたことを祝福しつつ、自分もそういう人を見つけようと心に誓い、二人仲良く歩いていった。
えー、先に言っておきますが作者はシスコンではありません(笑
そこのところ、ご了承ください。