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第12話:オリエンテーリングへ


昨日までに1500Hitを達成しました。連載開始からわずか10日での史上最速記録です。楽しみにしてくださっている皆様に感謝です。

 山の中に入って少し歩いたところで、裕也は目の前の地面が少し光っているのに気づいた。わずかな落ち葉でごまかしてあるようだが、光が漏れていてすぐに気づいた。

「早速第一のトラップか。でもあれはわかりやすすぎだろう。」

 裕也がそう言って光っているところに石を投げ込む。すると、地面が強く光り輝き、その光が収まると、地面が光っていた場所には巨大な落とし穴が開いていた。

「わかりやすくてよかったな……あれは絶対危ない。麻美さん、こんなトラップをいくつも仕掛けてるということか……?」

 裕也が冷や汗をかきながら速人たちにそう言って落とし穴の横を通り抜ける。


 その様子を上空から見ていた麻美は――

「へぇ……なかなかやるわね。でもこんなのまだまだ序の口。ふふっ、どこまで楽しめるかな〜♪」

 などとつぶやいていた。


 先へ進んだ裕也たちは、どこに麻美の罠が仕掛けられてるかわからないので警戒しながら歩いていた。

 と、そのとき。「カチリ」と音がした。

「ん?なんだ?」

 速人が足元を見ると、誰も気づかなかったスイッチのようなものを踏んでいた。と、ゴゴゴ……という音とともに前方から馬鹿でかい岩が転がってきた。

「ちょっと待て、これはいくらなんでもやりすぎだろーーー!?」

 裕也たちは叫びながらもと来た道を走り出す。

「よし、さっきの落とし穴に引っ掛ければとまるはず!」

 裕也が先頭を走り、さっきの落とし穴を発見すると、走る勢いのまま落とし穴を飛び越え、着地の瞬間にごろごろと転がった。速人や豪たちも同じように飛び越え、振り向くと、大岩が落とし穴にはまり、穴がきれいにふさがっていた。

「はあ、はあ……麻美さんはいったい何を考えているんだ?オレたちを殺す気か!?」

 裕也の叫びがむなしく山の中に響き渡った。と、そこに再び麻美からのメール。

<今の大岩は私じゃないわよ。上から見てるとさっきからものすごい速さで黒い影が移動してるから、それが仕掛けたトラップじゃないかな?ちなみに、私が仕掛けたのはあとひとつだけだよ〜♪>

 と書いてあった。それを見せると、

「麻美さんが見たという高速で移動する黒い影、そしてこの大岩……この山の中には忍者でもいるのか?」

 速人がそうつぶやく。

「まあ、気にしたってしょうがない。さっさと進んでこのオリエンテーリングを終わらせよう。」

 裕也が携帯をしまって再び歩き出した。


 さっきのスイッチのあった場所を通過し、さらに先へ進むと、先にスタートした班が立ち止まっていた。

「どうしたの?」

 裕也がたずねると、

「いや、前のほうに馬鹿でかいクマがいて進めないんだ。1回だけそのまま素通りできないかと思って進んでみたんだけど、近づくとこっちをにらんで襲い掛かってきそうだから引き返したんだ。追いかけてくるかと思ったんだけどそうでもなくて、でも進めなくてこうしているというわけなんだ。ここさえ抜ければゴール地点が近いはずなんだけど……いかんせんあのクマが……」

 裕也たちのクラスのもうひとつの男子班の一人がそう答える。

「とりあえずどんなのか見ないことにはどうにもできないし、ちょっと見てくる。」

 裕也たちがそう言って先へ進み始める。

「気をつけろよ。かなり獰猛どうもうそうに見えたぞ。」

 クマ情報を話してくれたやつがそう言って見送る。


「なるほど、アレか……たしかにでかい。」

 速人が遠目から見てそう言った。

「なーるほど、そういうことか。」

 裕也が何かに気づいたようにそう言った。

「北方、なにかわかったのか?」

 速人がそうたずねる。

「ちょっと冷静に考えればわかることだけど、普通こんなところにあんな馬鹿でかいクマがいると思うか?仮にいたとしてもとっくに射殺されている、そうは思わないか?」

 裕也が自分の考えを述べる。

「そうか、つまりアレは――」

 速人たちも気づいた。

「そう、麻美さんの最後のトラップ。おそらく幻だろう。ためしに通り抜けてみる。」

 裕也がそう言ってクマに近づいていくと、たしかに情報どおりにらみつけて襲い掛かってきそうな雰囲気だ。だが、裕也が足元に落ちていた石を拾って思いきり投げつけると、クマの体を突き抜けて谷底のほうへ石は落ちていき、クマの姿は消滅したのだった。


 クマなんていなかった、幻でも見たんじゃないか、と裕也が足止めされていた連中に伝え、一行は無事にオリエンテーリングを終えることができた。


 その後、本当に雪子がイタズラの許可を出したのか気になって裕也が聞いてみると、実はそんなことはなかったことが判明し、仕掛けたトラップをすべて突破されてがっかりして帰ってきた麻美を鬼の形相の雪子が迎えたのは言うまでもない。

 ちなみに、お仕置きされたあとの麻美に話を聞くと、大岩も麻美が仕掛けたトラップで、麻美が見たという黒い影も狂言だったことを白状したので、裕也がきっちり告げ口して麻美に対する雪子のお仕置きが増えたらしい………

下手すれば死ぬかもしれないようなトラップを潜り抜け、オリエンテーリングを終えた裕也たち。

さて、次はどんな騒動が待ち受けているのか?

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