第1話:はじまり
「―――ここが、オレの新しい家か……」
とある街のとあるアパートの前で一人の青年が大きな荷物を引きずりながらつぶやく。
彼の名は北方 裕也。この春大学に合格したことで地方から上京し、ここにあるアパート『流星荘』で一人暮らしを始めることになった青年である。
「しかし、こんな立地条件よくてなおかつ見た目もきれいなのに家賃15000円ってずいぶん安いな……でも、オレみたいなビンボー学生には強い味方だな。でも、この入居者募集の条件が気になるな……」
裕也がそうつぶやいたとおり、このアパートの入居者募集の広告には、【1.男性 2.体力に自信のある方 3.少々のことには動じない方】と書いてあったのだ。
「まあ、わからないものを考えても仕方ないな。さて、荷物を整理しないといけないし、オレの部屋は203号室だったな。」
裕也は考えるのをやめ、階段を上がって部屋に入っていった。
―立地条件がいいと裕也が言っていたが、それは別に駅に近いとかそういうことではなく、目と鼻の先というか、すぐ隣が裕也の通う大学のキャンパスなのである。とはいえ駅までもそう遠くはなく、自転車を使えば10分程度でつくようなエリアにこの流星荘はあった。
「ふう、まあざっとこんなもんかな。おっと、ご近所さんに挨拶くらい行っておかないとな。母さんもそういうところはきちんとしとけみたいなこと言ってたし。」
ある程度の片づけを済ませたところで裕也は親から渡されたご挨拶の品をもって部屋を出るのだった。
果たしてこの先彼をどんな展開が待ち受けているのか?
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